2017.06.05
桐井研究室さんのSSYAHA組み立て

オーディオブログ「桐井研究室」さんで頒布している
ミント缶のポータブルHPA基板「SSYAHA」を組み上げました。
詳細は以下をご確認ください。
------
■桐井研究室:【基板頒布】SSYAHA 真空管風味の半導体YAHAアンプ。
http://kirylabo.blog.fc2.com/blog-entry-197.html
------
当機の特徴は
入力部FETに三極管のような特性が得られる局所帰還を追加することで、
半導体だけで真空管風味の音を再現しているという点。
Solid StateでYAHAアンプのような音…ということで
「SSYAHA」と名付けられています。

頒布していただいてから一年近く放置していたのですが、
突然訪れた電子工作欲の勢いに任せて組み上げ。

入力部FETは推奨部品の2SK303を10本買って、IDSSが最も近いペアを使用しています。
こちらは、オプション購入のダイヤモンドバッファ基板。
バッファ部のオペアンプと差し替えることで、フルディスクリート構成となります。

久しぶりの表面実装部品半田付けに緊張して手が震えたけれど、
不具合無く動作してくれて一安心。

基板実装より、ケースの穴あけのほうが難しかった…
スイッチサイエンスで売られている、ミントサイズ缶を使っています。

使い勝手は想像していたより良く、
電源投入時のポップノイズは避けられないものの(回路の仕様)、
無音時のノイズは高感度のイヤホンでも聴こえないほど静かだし、
音量調整もスムーズ。(実装するボリュームの質にもよるけど…)
音質は想像どおり耳障りのよい滑らかな音傾向。
この手のアンプは第一印象が良くても大味だったり演出過多だったりして
案外すぐに飽きてしまうものだけど、
当機に関してはエッジを削りすぎていない、ある程度のバランス良さも感じられて、長く付き合えそうです。
バッテリーは10時間程度は持ちます。(ニッケル水素電池200mAh使用時)。
高音質なDAPが沢山売られている現在、
すでに需要と役目を失いつつあるアナログポータブルアンプの世界ですが、
電子工作向けのキット等ではまだまだ主流のジャンル。
工作と音遊びの楽しさが同時に得られてお得!なので、
もう少し界隈が盛り上がってくれたらいいなあ、なんて思ったりしました。
このような楽しい工作機会を用意して下さった桐井研究室さん、
ありがとうございました!
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2016.10.02
ぺるけ式トランジスタ式ミニワッターPart5(15v版)製作
情熱の真空管・ぺるけさんが設計された
小型・小出力のパワーアンプ「ミニワッター」シリーズ
トランジスタ式ミニワッターPart5(15v版)を組み上げました。

詳しくは公式よりご確認ください。
----------
■情熱の真空管:トランジスタ式ミニワッターPart5 15V版
http://www.op316.com/tubes/mw/mw-15v-p5.htm
----------
実装にあたり、以下のようなスケジュールで
じっくりと時間をかけて挑みました。
・1-3日目:半導体の選別
・4日目:ケースの加工
・5日目:電源部基板実装
・6日目:信号部基板実装
・7日目:各種配線&動作テスト

部品は全て自分で集めたけれど、
入手難易度が高いディスコンの半導体が多く、
選別のため数を揃える必要もあり、想定以上に手間と時間と費用がかかりました。
今回は放熱穴が開いているタカチのケース、US200を採用。



きれいな放熱穴を開けられる自信がないので、
こういうラインナップが本当にありがたい…。






熱結合の強化を狙って、2sk170のペアに銅箔テープを巻きました。

組み上げたミニワッターV5から出てきた音は
製作の苦労が吹っ飛ぶような素晴らしいもので、
こんな音の良いアンプを自分の手で作れてしまっていいのか、と
罪悪感を覚えてしまったほど。
当機を組み上げる前に一年ほど使っていた
ミニワッターV2と比較すると
全体的な雰囲気は踏襲しつつ、
順当にグレードアップしている事を認識できました。
中でも顕著に感じられたのは低音再生能力の向上。
質も量も「こんなもんかな…」と
なんとなく諦めていたところがピンポイントに改善されていて、嬉しい。
実用面も申し分無く、
ポップノイズやホワイトノイズが無いのは勿論、
放熱に気を使った実装を意識したこともあって本体発熱も皆無。
半導体選別の甲斐あって出力DCオフセットも両chともに1mv以下に収まっていて、
様々な方面でピーキー感のない、安心して使えるアンプになりました。
バスブースト機能もありますが、
僕が使っているPIEGA TS3は低音豊かな音傾向のスピーカーなので不使用、
映画を観る時にONにしようか迷う程度。
当機は文句なくDIYにお勧めしたいアンプではあるのですが、
見た目以上に作業量が多く、手間暇かかるユニバーサル基板の実装が鬼門。
ある程度工作慣れしている向けのプロジェクトと言えます。
毎度毎度、素晴らしい回路と製作例を惜しげなく公開してくださる
ぺるけさんに改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました!
小型・小出力のパワーアンプ「ミニワッター」シリーズ
トランジスタ式ミニワッターPart5(15v版)を組み上げました。

詳しくは公式よりご確認ください。
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■情熱の真空管:トランジスタ式ミニワッターPart5 15V版
http://www.op316.com/tubes/mw/mw-15v-p5.htm
----------
実装にあたり、以下のようなスケジュールで
じっくりと時間をかけて挑みました。
・1-3日目:半導体の選別
・4日目:ケースの加工
・5日目:電源部基板実装
・6日目:信号部基板実装
・7日目:各種配線&動作テスト

部品は全て自分で集めたけれど、
入手難易度が高いディスコンの半導体が多く、
選別のため数を揃える必要もあり、想定以上に手間と時間と費用がかかりました。
今回は放熱穴が開いているタカチのケース、US200を採用。



きれいな放熱穴を開けられる自信がないので、
こういうラインナップが本当にありがたい…。






熱結合の強化を狙って、2sk170のペアに銅箔テープを巻きました。

組み上げたミニワッターV5から出てきた音は
製作の苦労が吹っ飛ぶような素晴らしいもので、
こんな音の良いアンプを自分の手で作れてしまっていいのか、と
罪悪感を覚えてしまったほど。
当機を組み上げる前に一年ほど使っていた
ミニワッターV2と比較すると
全体的な雰囲気は踏襲しつつ、
順当にグレードアップしている事を認識できました。
中でも顕著に感じられたのは低音再生能力の向上。
質も量も「こんなもんかな…」と
なんとなく諦めていたところがピンポイントに改善されていて、嬉しい。
実用面も申し分無く、
ポップノイズやホワイトノイズが無いのは勿論、
放熱に気を使った実装を意識したこともあって本体発熱も皆無。
半導体選別の甲斐あって出力DCオフセットも両chともに1mv以下に収まっていて、
様々な方面でピーキー感のない、安心して使えるアンプになりました。
バスブースト機能もありますが、
僕が使っているPIEGA TS3は低音豊かな音傾向のスピーカーなので不使用、
映画を観る時にONにしようか迷う程度。
当機は文句なくDIYにお勧めしたいアンプではあるのですが、
見た目以上に作業量が多く、手間暇かかるユニバーサル基板の実装が鬼門。
ある程度工作慣れしている向けのプロジェクトと言えます。
毎度毎度、素晴らしい回路と製作例を惜しげなく公開してくださる
ぺるけさんに改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました!
2016.08.22
【NwAvGuy Objective2】据え置き専用の2台目制作
2011年にNwAvGuy氏が設計したヘッドホンアンプ、
Objective2(O2)の二台目を組み上げました。

NwAvGuy氏の公式ブログでは
O2開発の流れや特性などが掲載されていて、
スペースとコストを抑えた半波整流の電源部、
電池駆動時に活躍する正負電源の監視機能、
高SN比を実現するアナログ部の一段目と二段目の間に配置したボリューム位置、
バッファ専用IC並の性能を低コストで実現したというNJM4556の並列接続など、
回路採用に至った経緯と解説が丁寧に書かれていて
読み物としても面白いです。
その他、様々な機器の測定結果や批評など、
オーディオ沼に陥っている人ほど胸に刺さりそうな内容が多く含まれているので、
スパイラルの特攻薬(劇薬)になる…かも。
■参考URL:NwAvGuy
http://nwavguy.blogspot.jp/
O2開発と関連の動きは
2014年に国内のまとめサイト等で取り上げられ話題になったけれど、
オーディオに興味がない人にも興味を持たせるためと思われる
過激な曲解が含まれている点は留意すべき。
ところで、
僕が組み上げた1台目のObjective2は
「トランスポータブル」という中途半端なデザインが仇となり、
持ち歩くには大きすぎ、
全ての端子が前面パネルに集中しているため据え置きとしても使いづらいという
痛し痒しのアンプでした。

この問題については世界各地から意見が寄せられていたようで、
O2を販売しているJDS Labs等では
ライセンスを遵守している範囲で実現できる
入出力端子のカスタムオプションが選択できるようになりました。
これらを参考にしつつ
僕が欲しい機能を盛り込んで組み上げたのが、
据え置き専用の二代目Objective2です。

O2の基板は
タカチのアルミケースHENシリーズにスロットインできる丁度いい大きさで、
据え置き向けの機構部品を配置する奥行きの余裕もあるので
カスタムケースとして理想的。

アンプ本体の部品実装は推奨部品を使用しつつ、
バッテリー部分は未実装、
ヘッドホン端子とボリュームを据え置き向け部品に差し替え、
他の入出力端子は背面に配置、プリアンプとしても使えるようにしています。


増幅部オペアンプはNE5532に変更。
デフォルト指定のNJM2068よりノイズと消費電流がわずかに増加するデメリットがあるものの
さらなる低歪みを得られる、据え置き向けの推奨ICといえます。


電源タップを占有するACアダプタが嫌いなので、
スイッチ付きの外部電源ユニットも自作。



Objective2のアピールポイントは
30ドル程度で実装基板が完成するコストパフォーマンスの高さと
高価な据え置き専用ヘッドホンアンプにも見劣りしない諸特性を兼ね備えている点。
様々なHPAの比較測定結果を掲載している海外の有名サイトでは
ベンチマークのような扱いになっているほどで、
ハイエンドな製品と比較しても
見劣りしない性能を持っていることを確認できます。
■参考URL:InnerFidelity HEADPHONE AMPLIFIER MEASUREMENTS
http://www.innerfidelity.com/headphone-amp-measurements
特性が良くても音が伴わなければ…という事で音出しをしてみると、
相変わらずモニター的で鮮度が高い音傾向、
制動が効いていて歯切れの良い低音が気持ちいい。
僕が今まで使ってきたヘッドホンアンプの中では
最もプリアンプ適性が高く、
クロストーク性能の高さが分解能と立体感に反映されている印象。
スピーカー環境でこんなにダイナミックな音が出るのか…!
と、嬉しい驚き。
実力を最大限に引き出すためにはAC電源による駆動が必要で、
600Ωのヘッドホン接続時、電池駆動と比較して約2倍の出力(1%THD時)が得られることから、
ポータブルとして使う機会がないのであれば、
入出力端子の配置が改善されただけで想像以上に使いやすくなるし、
据え置き専用の仕様に改造するメリットは大きいと言えます。
自作をしない方でもJDS Labs等でカスタム注文が可能なので、
小型かつ安価で優れた性能のヘッドホンアンプが欲しい方、
またはベンチマーク的な製品が欲しいマニアの方にお勧め。
改めて当機の音の良さを知ってしまうと、
NwAvGuy氏がリリースを準備していた
据え置き専用のヘッドホンアンプ「PDA」が未発表のまま
更新が途絶えてしまったという経緯が残念で仕方ありません。
「NwAvGuy」のドメイン自体は2016年現在も更新が確認されていることから
設計者本人は健在のようですが……。
Objective2(O2)の二台目を組み上げました。

NwAvGuy氏の公式ブログでは
O2開発の流れや特性などが掲載されていて、
スペースとコストを抑えた半波整流の電源部、
電池駆動時に活躍する正負電源の監視機能、
高SN比を実現するアナログ部の一段目と二段目の間に配置したボリューム位置、
バッファ専用IC並の性能を低コストで実現したというNJM4556の並列接続など、
回路採用に至った経緯と解説が丁寧に書かれていて
読み物としても面白いです。
その他、様々な機器の測定結果や批評など、
オーディオ沼に陥っている人ほど胸に刺さりそうな内容が多く含まれているので、
スパイラルの特攻薬(劇薬)になる…かも。
■参考URL:NwAvGuy
http://nwavguy.blogspot.jp/
O2開発と関連の動きは
2014年に国内のまとめサイト等で取り上げられ話題になったけれど、
オーディオに興味がない人にも興味を持たせるためと思われる
過激な曲解が含まれている点は留意すべき。
ところで、
僕が組み上げた1台目のObjective2は
「トランスポータブル」という中途半端なデザインが仇となり、
持ち歩くには大きすぎ、
全ての端子が前面パネルに集中しているため据え置きとしても使いづらいという
痛し痒しのアンプでした。

この問題については世界各地から意見が寄せられていたようで、
O2を販売しているJDS Labs等では
ライセンスを遵守している範囲で実現できる
入出力端子のカスタムオプションが選択できるようになりました。
これらを参考にしつつ
僕が欲しい機能を盛り込んで組み上げたのが、
据え置き専用の二代目Objective2です。

O2の基板は
タカチのアルミケースHENシリーズにスロットインできる丁度いい大きさで、
据え置き向けの機構部品を配置する奥行きの余裕もあるので
カスタムケースとして理想的。

アンプ本体の部品実装は推奨部品を使用しつつ、
バッテリー部分は未実装、
ヘッドホン端子とボリュームを据え置き向け部品に差し替え、
他の入出力端子は背面に配置、プリアンプとしても使えるようにしています。


増幅部オペアンプはNE5532に変更。
デフォルト指定のNJM2068よりノイズと消費電流がわずかに増加するデメリットがあるものの
さらなる低歪みを得られる、据え置き向けの推奨ICといえます。


電源タップを占有するACアダプタが嫌いなので、
スイッチ付きの外部電源ユニットも自作。



Objective2のアピールポイントは
30ドル程度で実装基板が完成するコストパフォーマンスの高さと
高価な据え置き専用ヘッドホンアンプにも見劣りしない諸特性を兼ね備えている点。
様々なHPAの比較測定結果を掲載している海外の有名サイトでは
ベンチマークのような扱いになっているほどで、
ハイエンドな製品と比較しても
見劣りしない性能を持っていることを確認できます。
■参考URL:InnerFidelity HEADPHONE AMPLIFIER MEASUREMENTS
http://www.innerfidelity.com/headphone-amp-measurements
特性が良くても音が伴わなければ…という事で音出しをしてみると、
相変わらずモニター的で鮮度が高い音傾向、
制動が効いていて歯切れの良い低音が気持ちいい。
僕が今まで使ってきたヘッドホンアンプの中では
最もプリアンプ適性が高く、
クロストーク性能の高さが分解能と立体感に反映されている印象。
スピーカー環境でこんなにダイナミックな音が出るのか…!
と、嬉しい驚き。
実力を最大限に引き出すためにはAC電源による駆動が必要で、
600Ωのヘッドホン接続時、電池駆動と比較して約2倍の出力(1%THD時)が得られることから、
ポータブルとして使う機会がないのであれば、
入出力端子の配置が改善されただけで想像以上に使いやすくなるし、
据え置き専用の仕様に改造するメリットは大きいと言えます。
自作をしない方でもJDS Labs等でカスタム注文が可能なので、
小型かつ安価で優れた性能のヘッドホンアンプが欲しい方、
またはベンチマーク的な製品が欲しいマニアの方にお勧め。
改めて当機の音の良さを知ってしまうと、
NwAvGuy氏がリリースを準備していた
据え置き専用のヘッドホンアンプ「PDA」が未発表のまま
更新が途絶えてしまったという経緯が残念で仕方ありません。
「NwAvGuy」のドメイン自体は2016年現在も更新が確認されていることから
設計者本人は健在のようですが……。
2016.02.01
ぺるけ式「FET/Tr差動ヘッドホンアンプ Ver4」製作
国内で最も製作例が多いディスクリート式ヘッドホンアンプ、
FET差動ヘッドホンアンプを設計された
「情熱の真空管」ぺるけさんの最新作。

当機「FET/Tr差動ヘッドホンアンプ Ver4」は
小出力パワーアンプの「トランジスタ式ミニワッターV4」をヘッドホン向けにアレンジした設計という事で、
今までのver1~3と回路が大きく異なっています。
詳しくは公式よりご確認ください。
----------
■情熱の真空管:FET/Tr式差動ヘッドホンアンプ Version 4
http://www.op316.com/tubes/hpa/version4.htm
----------
今回は手持ちの選別済み半導体が揃っていた事もあって、
すべての部品を自前で調達。

配線部分をコネクタピン接続に変更し、
他は原本通りの実装、高価なパーツは使っていません。


タカチのケースHEN110312にぴったり収まる、
コンパクトなヘッドホンアンプが完成。

スピーカー環境でも使いたいので、
ヘッドホンプラグの抜き差しと連動したラインプリ機能も追加。

穴あけ時にキズをつけてしまった失敗をごまかすため、
大口径のノイトリック製TRSコンボジャックを使いました。

しかし、ケースのふたが閉まらないというトラブルが発生。
ジャック本体と上蓋を削って、なんとか収まりました。





音出しして驚いたのは、
設計が異なるはずの旧バージョン、
FET差動ヘッドホンアンプ特有の耳障りの良さが感じられることです。
旧バージョン同様に残留ノイズは皆無で、
低インピーダンスのカナルイヤホンでも心地良く音楽を楽しめます。
メーカー品、自作品合わせて50台を超えるヘッドホンアンプの音を聴いてきたけれど、
この独特のなめらかな雰囲気がFET差動HPAシリーズならではの特徴…というイメージ。
「私のアンプ設計マニュアル」で書かれているような、
ぺるけさんご本人が目指している「良い音の自己形成」というお話、
FET差動シリーズを追う過程で実感できた気がします。
手持ちのVer3と聴き比べてみると、
どちらも低音にインパクトがある音傾向ながら
柔らかく広がるver3に対して、
弾力とキレが加わったver4というイメージで、
元記事に掲載されたレビューの内容に近い印象。
僕の環境では、ver4のほうが分解能と制動感が高く感じられ、
サイズもコンパクトになって僕好み、いい事ずくめ。
過去のバージョンを製作された方も、あえて当機を作る価値があると思います。
素敵な回路と製作例を惜しげなく公開してくださったぺるけさん、
ありがとうございました!
FET差動ヘッドホンアンプを設計された
「情熱の真空管」ぺるけさんの最新作。

当機「FET/Tr差動ヘッドホンアンプ Ver4」は
小出力パワーアンプの「トランジスタ式ミニワッターV4」をヘッドホン向けにアレンジした設計という事で、
今までのver1~3と回路が大きく異なっています。
詳しくは公式よりご確認ください。
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■情熱の真空管:FET/Tr式差動ヘッドホンアンプ Version 4
http://www.op316.com/tubes/hpa/version4.htm
----------
今回は手持ちの選別済み半導体が揃っていた事もあって、
すべての部品を自前で調達。

配線部分をコネクタピン接続に変更し、
他は原本通りの実装、高価なパーツは使っていません。


タカチのケースHEN110312にぴったり収まる、
コンパクトなヘッドホンアンプが完成。

スピーカー環境でも使いたいので、
ヘッドホンプラグの抜き差しと連動したラインプリ機能も追加。

穴あけ時にキズをつけてしまった失敗をごまかすため、
大口径のノイトリック製TRSコンボジャックを使いました。

しかし、ケースのふたが閉まらないというトラブルが発生。
ジャック本体と上蓋を削って、なんとか収まりました。





音出しして驚いたのは、
設計が異なるはずの旧バージョン、
FET差動ヘッドホンアンプ特有の耳障りの良さが感じられることです。
旧バージョン同様に残留ノイズは皆無で、
低インピーダンスのカナルイヤホンでも心地良く音楽を楽しめます。
メーカー品、自作品合わせて50台を超えるヘッドホンアンプの音を聴いてきたけれど、
この独特のなめらかな雰囲気がFET差動HPAシリーズならではの特徴…というイメージ。
「私のアンプ設計マニュアル」で書かれているような、
ぺるけさんご本人が目指している「良い音の自己形成」というお話、
FET差動シリーズを追う過程で実感できた気がします。
手持ちのVer3と聴き比べてみると、
どちらも低音にインパクトがある音傾向ながら
柔らかく広がるver3に対して、
弾力とキレが加わったver4というイメージで、
元記事に掲載されたレビューの内容に近い印象。
僕の環境では、ver4のほうが分解能と制動感が高く感じられ、
サイズもコンパクトになって僕好み、いい事ずくめ。
過去のバージョンを製作された方も、あえて当機を作る価値があると思います。
素敵な回路と製作例を惜しげなく公開してくださったぺるけさん、
ありがとうございました!
2015.11.22
Audio Alchemy「Dac-in-the-box」レストア
約20年前のコンパクトなDAC、「Dac-in-the-box」。
オークションで安く手に入れることができました。(中古品)

米国のオーディオメーカーAudio Alchemyは
安価ながら音の良い製品を作るという事で
一定の評価を得ていたらしい。

2015年現在もCD規格(16bit/44.1kHz)は主流なので、
USB-DDCを通せば僕の環境で使うことができます。

実用にあたって、
容量抜けが進んでいると思われるDAC本体の電解コンデンサを全交換、
リフローで熱をかけすぎてしまった影響と思われる型崩れのフィルムコンデンサを交換、
ついでにRCAの出入力端子を交換して、リフレッシュ。



基板の一部に傷が付いてるのは、ケースから取り出すために手を尽くした結果。
ケース内径に対して基板が大きすぎたようで、内部で基板がたわんでいるほどでした。
(どうやって基板を入れたんだろう…?)
電源は±12VのDC出力を持つACアダプタ。
3.5mmステレオミニプラグで接続するという珍しい仕様。


DAC本体に保護ダイオードが入っているものの、
電源プラグを少し引っ張っただけで極性が反転する仕様にリスクを感じます。
(この仕様が原因で故障が頻発したとか)
ネット上で回路図とレストア例が公開されていた
別売りのグレードアップ用電源「Power Station ONE」を参考に電源ユニットを自作。
シンプルな整流回路で、安定化はDAC本体のレギュレーターで行っているようです。

少し欲張って、コンデンサ容量を増量しています。

接続ケーブルはHA16と同様、切り売りのVCTF線を加工して製作。


スイッチも追加して、使いやすさUP。

アンプを経由してスピーカー環境で音出ししてみると
古い製品は性能が低い…というイメージが一発で払拭される第一印象の良さ。
腰の座った低域、熱気を感じる大人のサウンド、僕好みです。
今まで聴いてきたDACの中では、Musical FidelityのV-DACに近いイメージ。
HEGEL HD10やCHORD QUTE HDあたりと比較してしまうと物足りない所があるのも事実ですが、
とても古いローエンドクラスの製品がこんなに心地よく鳴ってくれるのか…というカルチャーショック、嬉しい驚きがありました。
分解能は決して高いとは言えないし、
歪み率などの特性も現代の機器より劣っているのだと思いますが
直感的に「いい音だな」と思えるようなツボをしっかり抑えた音作り、
物量や新しさだけでは型にはめられない
プロのオーディオメーカーの仕事というものを再確認させられました。
オークションで安く手に入れることができました。(中古品)

米国のオーディオメーカーAudio Alchemyは
安価ながら音の良い製品を作るという事で
一定の評価を得ていたらしい。

2015年現在もCD規格(16bit/44.1kHz)は主流なので、
USB-DDCを通せば僕の環境で使うことができます。

実用にあたって、
容量抜けが進んでいると思われるDAC本体の電解コンデンサを全交換、
リフローで熱をかけすぎてしまった影響と思われる型崩れのフィルムコンデンサを交換、
ついでにRCAの出入力端子を交換して、リフレッシュ。



基板の一部に傷が付いてるのは、ケースから取り出すために手を尽くした結果。
ケース内径に対して基板が大きすぎたようで、内部で基板がたわんでいるほどでした。
(どうやって基板を入れたんだろう…?)
電源は±12VのDC出力を持つACアダプタ。
3.5mmステレオミニプラグで接続するという珍しい仕様。


DAC本体に保護ダイオードが入っているものの、
電源プラグを少し引っ張っただけで極性が反転する仕様にリスクを感じます。
(この仕様が原因で故障が頻発したとか)
ネット上で回路図とレストア例が公開されていた
別売りのグレードアップ用電源「Power Station ONE」を参考に電源ユニットを自作。
シンプルな整流回路で、安定化はDAC本体のレギュレーターで行っているようです。

少し欲張って、コンデンサ容量を増量しています。

接続ケーブルはHA16と同様、切り売りのVCTF線を加工して製作。


スイッチも追加して、使いやすさUP。

アンプを経由してスピーカー環境で音出ししてみると
古い製品は性能が低い…というイメージが一発で払拭される第一印象の良さ。
腰の座った低域、熱気を感じる大人のサウンド、僕好みです。
今まで聴いてきたDACの中では、Musical FidelityのV-DACに近いイメージ。
HEGEL HD10やCHORD QUTE HDあたりと比較してしまうと物足りない所があるのも事実ですが、
とても古いローエンドクラスの製品がこんなに心地よく鳴ってくれるのか…というカルチャーショック、嬉しい驚きがありました。
分解能は決して高いとは言えないし、
歪み率などの特性も現代の機器より劣っているのだと思いますが
直感的に「いい音だな」と思えるようなツボをしっかり抑えた音作り、
物量や新しさだけでは型にはめられない
プロのオーディオメーカーの仕事というものを再確認させられました。