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2015.01.06
ぺるけさんの「トランス式USB-DAC」LCフィルタ回路に差し替え
この灰色の物体は、
ぺるけ式トランスUSB-DACのLCフィルタ回路に推奨されている、
特注の2.7mHインダクタ。

情熱の真空管・ぺるけさんに部品頒布していただいたものです。
僕が組み上げたトランスDACはフィルタ回路を着脱式にしてあるので…

頒布部品を元に、差し替え用のLCフィルタ基板を作りました。
(ついでに出来の悪いCRフィルタ基板を作りなおし)

※この写真ではLCフィルタ基板に470Ωの抵抗が使われていますが、
トランス毎に推奨されている抵抗値が別々に設定されていることに事に気付き、
TpAs-2Sに推奨されている820Ωの抵抗に変更しています。
そして交換。

大人しく控えめながら独特の空気感があるCRフィルタ版から一転、
LCフィルタ版は一聴してすぐにわかるほど元気が良く、制動感が増しています。
特に低音に弾力が加わったような力強さがあり、
第一印象ではLCフィルタ版のほうが僕の好みに合っています。
それでも、CRフィルタ版同様の独特の雰囲気がこちらにも多少残っているようでもあり、
これがいわゆる「パーマロイコアトランスの音」なのかな…?
DIY系のDACには「性能は良いが、聴感的な部分を考慮していない」という偏見があったものの
このトランスDACはずっと聴いていたいような音楽的な魅力が感じられ、
もっと早く製作にチャレンジすべきだった…と、違う意味で後悔しています。
回路公開及び、部品を頒布していただいたぺるけさんに改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました!
ぺるけ式トランスUSB-DACのLCフィルタ回路に推奨されている、
特注の2.7mHインダクタ。

情熱の真空管・ぺるけさんに部品頒布していただいたものです。
僕が組み上げたトランスDACはフィルタ回路を着脱式にしてあるので…

頒布部品を元に、差し替え用のLCフィルタ基板を作りました。
(ついでに出来の悪いCRフィルタ基板を作りなおし)

※この写真ではLCフィルタ基板に470Ωの抵抗が使われていますが、
トランス毎に推奨されている抵抗値が別々に設定されていることに事に気付き、
TpAs-2Sに推奨されている820Ωの抵抗に変更しています。
そして交換。

大人しく控えめながら独特の空気感があるCRフィルタ版から一転、
LCフィルタ版は一聴してすぐにわかるほど元気が良く、制動感が増しています。
特に低音に弾力が加わったような力強さがあり、
第一印象ではLCフィルタ版のほうが僕の好みに合っています。
それでも、CRフィルタ版同様の独特の雰囲気がこちらにも多少残っているようでもあり、
これがいわゆる「パーマロイコアトランスの音」なのかな…?
DIY系のDACには「性能は良いが、聴感的な部分を考慮していない」という偏見があったものの
このトランスDACはずっと聴いていたいような音楽的な魅力が感じられ、
もっと早く製作にチャレンジすべきだった…と、違う意味で後悔しています。
回路公開及び、部品を頒布していただいたぺるけさんに改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました!
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2014.11.26
ぺるけさんの「トランス式USB DAC(CRフィルタ版)」を作りました
情熱の真空管・ぺるけさんが公開しているDAC作例
「AKI.DAC-U2704を使った トランス式USB DAC」を作りました。

詳細は公式、
ぺるけさんのホームページの該当記事をご確認ください。
■トランス式USB DAC
http://www.op316.com/tubes/lpcd/trans-dac.htm
以下、製作レポートです。
ぺるけさんのトランスDACの存在はずっと気になっていて、いつか作ってみたいと思っていたものの、
以下3つの懸念事項がありました。
1:配線図も無い回路を再現する自信がなかった
2:AKI-DACはUSB入力専用のDACで、他のDACと組み合わせられないのが不便
3:TAMRAのライントランスの価格の高さに加え、市場在庫も不安定、オークションも盛り上がっていて、品薄商法のような流れに辟易していた
これらの問題は以下のように解決したため、今こそ製作の頃合いと判断しました。
1(配線図のない回路実装)は、このくらいシンプルな回路であれば、僕でもなんとか理解できるし、再現できそうな自信がついた
2(機能拡張不可)は僕の理解不足でした。
AKI-DACはUSB入力専用のDACであることは間違いないものの、
アナログのライン出力の他に「S/PDIF出力端子」のスルーホールが用意されていて、
ここから適切な回路を加える事で、デジタル出力機能を追加することができるようです。
3(トランス品薄問題)は、2014年11月現在、概ね欲しい人に行き渡ったらしく供給も当時と比べ安定傾向、オークション等でそこそこ安く手に入れることも出来るようになりました。
製作にあたり、とことん僕に都合の良い仕様を設定しました。
「BTL入力のアンプを持っていないのでアンバランス(RCA)仕様」
「見栄えのよいUSB-B端子による入力」
「電源はUSBバスパワーと外部電源、いずれかを任意で選択可能」
「USB-DDC機能(同軸/光)追加」
「トランス前段のフィルタ回路の基板を着脱式とし、CRフィルタver、LCフィルタverを任意で切り替えられるようにする」
という、わがまま放題、てんこ盛りです。
こういうのを考え、実装や配置、部品選定を想像したりするのはとても楽しい。
まずは、製作にあたり心臓部となるライントランスを、オークションで入手しました。

日本光電製、TPAS-2Sです。
TAMRAのものと仕様、サイズ、品名が一致しており
同一品のようです。
このライントランスを足がかりに、AKI-DACなどの基板部品実装。

実装した基板をケースに入れて完成!(かなり端折りました)
全部込みで、18000円ほどの費用がかかりました。

作業はケース加工で1日、部品実装、各種配線で1日、
計二日間の作業。

二日目で完成を急いだあまり
配線の取り回しが若干雑になってしまった反省点…。

中身の解説。
PCに接続されたUSBケーブルからデータ信号と5V電源を受け取る
イトウ電子部品で購入した「USB2.0 対応フィルター基板」を経由し、
後段のAKI-DACに続きます。

基板には5Vの電源を取り出せるスルーホールがあり、ここから後述のDDC基板の電源供給の配線と、
外部電源入力用の配線を引き出しています。
青色のジャンパーピンを抜くことでUSBから供給された電源ラインが切り離されるので、
外部電源入力専用の仕様に変更することができます。
この基板は完成品で、
最初からフェライトビーズインダクタやフィルムコンデンサ等の部品が実装されていました。

C1、C3は未実装になっていたので、部品箱をあさり、
隣り合ったフィルムコンデンサと同一の製品「ECPU 16V 1μF」を追加実装しています。
USB基板を経て、AKI-DACに続きます。

ブロックターミナルを実装する部分の穴がスカスカすぎて、ずれてしまった…
(ぺるけさんの作例を元に、リード線を2本差し込んでぐらつかないようにしています)

当機に採用したケース「HEN110412」は高さに余裕があるので、
ちょっと欲張って、C14の電解コンデンサの容量を1000μFから1800μFに増量。
AKI-DACから出力されたアナログ信号は、
中央のフィルタ基板を通り、
左右のライントランスと12KΩの抵抗を経て、RCA端子に向かいます。

まずは、僕が聴いてみたかった旧「CRフィルタ」バージョン回路だけを製作。
単純な回路ですが、案の定配線を間違えてしまって、やり直したので汚くなってしまった…。

ジャンパーピンによる着脱式とし、交換も容易です。
(この実装基板は作り直したい…)
次に、共立エレショップで通販購入したDDC基板「DHI-B」が続きます。

AKI-DACのS/PDIF端子から配線することで、デジタル出力(同軸/光)できるようになりました。(うれしい!)
ケースに入れて完成!やったぜ。

LEDを前と後、両方に配置し、
前面の黄緑色LEDはPCがDACを認識した時に点灯、
背面はとにかく5Vの電源が来たら点灯、という仕様としています。

アナログ出力、デジタル出力共に動作問題なく、大きなトラブルもなく無事に製作に成功したので
本当に良かった…。

当機トランスDACのライン出力を経て音楽を聴いた第一印象ですが、
文句なく僕好みの良い音です。
60時間ほど聴いた印象は以下。
低音がしっかり出ていて、他の帯域も潰れずに聴こえますが、
製作者の皆さんが言うように、一見地味な音傾向で、
「あと一歩、アグレッシブに来てほしい」という所でギリギリ踏みとどまってしまうような、控えめな音印象です。
よく聴いてみると全体感があるウォーム調の音傾向ながら、
妙に実体感と生々しさも感じられる妙味があり、
聴き始めたら止まらない、あとを引く心地良い音で、この二週間ほど、やや寝不足気味です。
いかにもナローレンジで神経質な音が出そうなPCM2704を使ったDAC基板の音とは到底思えず、
ほんのひとさじの工夫で見違える、
職人技の片鱗に触れる事が出来たような気がします。
僕の経験では「第一印象が好みではないオーディオ機器は何百時間鳴らしても良くならない」のですが、
当機に関しては最初の音出しテストのつもりで音楽再生をしたはずが、思わずそのまま二時間ほど聴きこんでしまったほどで、
オーディオ機器の肝というのは物量や部品のグレードや最新のICなどよりも、
回路なんだな、という確信を強めた次第です。
もう少し聴きこんでみたら、他のDACとの比較を挙げたりしてみたい。(無粋かな?)
僕のような素人にもわかりやすく、
楽しく音も良い回路を公開して下さるぺるけさんに改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました!
「AKI.DAC-U2704を使った トランス式USB DAC」を作りました。

詳細は公式、
ぺるけさんのホームページの該当記事をご確認ください。
■トランス式USB DAC
http://www.op316.com/tubes/lpcd/trans-dac.htm
以下、製作レポートです。
ぺるけさんのトランスDACの存在はずっと気になっていて、いつか作ってみたいと思っていたものの、
以下3つの懸念事項がありました。
1:配線図も無い回路を再現する自信がなかった
2:AKI-DACはUSB入力専用のDACで、他のDACと組み合わせられないのが不便
3:TAMRAのライントランスの価格の高さに加え、市場在庫も不安定、オークションも盛り上がっていて、品薄商法のような流れに辟易していた
これらの問題は以下のように解決したため、今こそ製作の頃合いと判断しました。
1(配線図のない回路実装)は、このくらいシンプルな回路であれば、僕でもなんとか理解できるし、再現できそうな自信がついた
2(機能拡張不可)は僕の理解不足でした。
AKI-DACはUSB入力専用のDACであることは間違いないものの、
アナログのライン出力の他に「S/PDIF出力端子」のスルーホールが用意されていて、
ここから適切な回路を加える事で、デジタル出力機能を追加することができるようです。
3(トランス品薄問題)は、2014年11月現在、概ね欲しい人に行き渡ったらしく供給も当時と比べ安定傾向、オークション等でそこそこ安く手に入れることも出来るようになりました。
製作にあたり、とことん僕に都合の良い仕様を設定しました。
「BTL入力のアンプを持っていないのでアンバランス(RCA)仕様」
「見栄えのよいUSB-B端子による入力」
「電源はUSBバスパワーと外部電源、いずれかを任意で選択可能」
「USB-DDC機能(同軸/光)追加」
「トランス前段のフィルタ回路の基板を着脱式とし、CRフィルタver、LCフィルタverを任意で切り替えられるようにする」
という、わがまま放題、てんこ盛りです。
こういうのを考え、実装や配置、部品選定を想像したりするのはとても楽しい。
まずは、製作にあたり心臓部となるライントランスを、オークションで入手しました。

日本光電製、TPAS-2Sです。
TAMRAのものと仕様、サイズ、品名が一致しており
同一品のようです。
このライントランスを足がかりに、AKI-DACなどの基板部品実装。

実装した基板をケースに入れて完成!(かなり端折りました)
全部込みで、18000円ほどの費用がかかりました。

作業はケース加工で1日、部品実装、各種配線で1日、
計二日間の作業。

二日目で完成を急いだあまり
配線の取り回しが若干雑になってしまった反省点…。

中身の解説。
PCに接続されたUSBケーブルからデータ信号と5V電源を受け取る
イトウ電子部品で購入した「USB2.0 対応フィルター基板」を経由し、
後段のAKI-DACに続きます。

基板には5Vの電源を取り出せるスルーホールがあり、ここから後述のDDC基板の電源供給の配線と、
外部電源入力用の配線を引き出しています。
青色のジャンパーピンを抜くことでUSBから供給された電源ラインが切り離されるので、
外部電源入力専用の仕様に変更することができます。
この基板は完成品で、
最初からフェライトビーズインダクタやフィルムコンデンサ等の部品が実装されていました。

C1、C3は未実装になっていたので、部品箱をあさり、
隣り合ったフィルムコンデンサと同一の製品「ECPU 16V 1μF」を追加実装しています。
USB基板を経て、AKI-DACに続きます。

ブロックターミナルを実装する部分の穴がスカスカすぎて、ずれてしまった…
(ぺるけさんの作例を元に、リード線を2本差し込んでぐらつかないようにしています)

当機に採用したケース「HEN110412」は高さに余裕があるので、
ちょっと欲張って、C14の電解コンデンサの容量を1000μFから1800μFに増量。
AKI-DACから出力されたアナログ信号は、
中央のフィルタ基板を通り、
左右のライントランスと12KΩの抵抗を経て、RCA端子に向かいます。

まずは、僕が聴いてみたかった旧「CRフィルタ」バージョン回路だけを製作。
単純な回路ですが、案の定配線を間違えてしまって、やり直したので汚くなってしまった…。

ジャンパーピンによる着脱式とし、交換も容易です。
(この実装基板は作り直したい…)
次に、共立エレショップで通販購入したDDC基板「DHI-B」が続きます。

AKI-DACのS/PDIF端子から配線することで、デジタル出力(同軸/光)できるようになりました。(うれしい!)
ケースに入れて完成!やったぜ。

LEDを前と後、両方に配置し、
前面の黄緑色LEDはPCがDACを認識した時に点灯、
背面はとにかく5Vの電源が来たら点灯、という仕様としています。

アナログ出力、デジタル出力共に動作問題なく、大きなトラブルもなく無事に製作に成功したので
本当に良かった…。

当機トランスDACのライン出力を経て音楽を聴いた第一印象ですが、
文句なく僕好みの良い音です。
60時間ほど聴いた印象は以下。
低音がしっかり出ていて、他の帯域も潰れずに聴こえますが、
製作者の皆さんが言うように、一見地味な音傾向で、
「あと一歩、アグレッシブに来てほしい」という所でギリギリ踏みとどまってしまうような、控えめな音印象です。
よく聴いてみると全体感があるウォーム調の音傾向ながら、
妙に実体感と生々しさも感じられる妙味があり、
聴き始めたら止まらない、あとを引く心地良い音で、この二週間ほど、やや寝不足気味です。
いかにもナローレンジで神経質な音が出そうなPCM2704を使ったDAC基板の音とは到底思えず、
ほんのひとさじの工夫で見違える、
職人技の片鱗に触れる事が出来たような気がします。
僕の経験では「第一印象が好みではないオーディオ機器は何百時間鳴らしても良くならない」のですが、
当機に関しては最初の音出しテストのつもりで音楽再生をしたはずが、思わずそのまま二時間ほど聴きこんでしまったほどで、
オーディオ機器の肝というのは物量や部品のグレードや最新のICなどよりも、
回路なんだな、という確信を強めた次第です。
もう少し聴きこんでみたら、他のDACとの比較を挙げたりしてみたい。(無粋かな?)
僕のような素人にもわかりやすく、
楽しく音も良い回路を公開して下さるぺるけさんに改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました!
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