2014.08.18

DIYForumsのSkeletonDAC&GrubDAC製作ほか

お盆休みに2つのDACキット製作と、
既存のポータブルヘッドホンアンプの部品交換を行いました。


まず、僕が海外通販で購入したものを紹介。
海外のオーディオDIY系掲示板「DIYForums」で企画され、回路が公開されているアンプ、DAC類の基板などを取り扱っているBeezar.comで購入したものです。
minimax_001.jpg
左の青く大きな基板は、真空管ハイブリッドヘッドホンアンプ基板 Millett Hybrid Minimax。専用ケースも販売されています。
右側はハモンドの小さなケースに収まる超コンパクトなDAC基板、
SkeletonDACとGrubDAC。

詳しくは公式にて。
■DIYForums : http://www.diyforums.org/
■Beezar.com : http://beezar.com/



これら製作にあたり、MOUSERで部品を大量購入。
minimax_000.jpg

購入したDAC基板実装の前に、かねてからやりたかった交換作業から。

まずは小型ディスクリートヘッドホンアンプ、HA10miniのデカップリングコンデンサを交換。
ha10mini_016.jpg
6.3V 1500μFから2.5V3900μFに容量大幅アップ。
ついでにEneloopproも買って、気兼ねなく充電して使えるようになりました。(人生初エネループ)

色々なポータブルヘッドホンアンプを使ってきましたが、
このHA10miniはサイズに対する音の期待値を想像以上に上回っており、とても気に入っています。


次は、過去に製作失敗し、ジャンク箱に入っていたAMBLAB mini3の修理を行いました。
ICなど主要部品類を交換することで見事に復活。
この失敗がずっと苦い思い出として残っていたので、わだかまっていた心のしこりがとれた気分。
amb_mini3_6_001.jpg
三台の仕様。
・上段左:ALO Audio Double Mini3風MODバージョン
・上段右:オペアンプをLMH6642とLMH6643に変更した extended runtime バージョン
・下段:積層セラミックコンデンサの使用を排除したプチMODバージョン

amb_mini3_4_004.jpg

思えば、僕が製作失敗したのは、以下のような手順で作業を進めたのが原因でした。
---------------------------------------------
1:9V電池を接続したまま、電池受けを半田付け(ケース収納時に電池が干渉しないための調整)
2:基板裏にはみ出たリード線などをカットするため、ニッパーを這わせる(ここでビビッと火花が出て、回路のショートが発生)
3:ショートした影響でIC(AD8397等)が破壊され、再起不能。
---------------------------------------------
1の時点では問題無いのですが、
その後、放電せぬまま作業を進めたのがIC破壊の原因となりました。
mini3の製作を考えている方は、僕と同じ思いをしないためにも、
1から2の間に必ず放電を行ってください。(電池を外し、電源スイッチを入れてしばし放置)


次に、いよいよメインイベントのDAC組み上げを行いました。
最難関のDACチップを先に半田付けし、
S_Gdac_001.jpg
その他部品を半田付けして、さっと基板実装完了!
S_Gdac_002.jpg
取っ付きづらそうなチップ部品ですが、比較的扱いやすい2012サイズと3216サイズの実装に限られるため
見た目ほどは難しくなく、小型かつ(比較的)安価で製作できるため
DACのFirst DIYや、チップ部品半田付けの練習に最適と言えます。
もっと早くこのDACの存在を知っていれば…という気持ち。


まずはSkeletonDACを組み上げました。
S_Gdac_003.jpg
S_Gdac_004.jpg
当機のコンセプトは「PCM2704の機能を低コスト、省スペースで活かす」といった印象で、
DACチップPCM2704に内臓された「D/A変換」「ヘッドホンアンプ」「デジタル出力」を取り出すために必要最低限の回路が組まれています。
これらの機能をユーザーが選択し、
・USB-DAC
・USB-DDC
・USBヘッドホンアンプ

いずれか、または複数選択の仕様の機器にカスタマイズすることができる…という仕様の柔軟性が魅力。

さらに特筆すべきはコストパフォーマンスの高さで、
基板単体が2ドル、その他部品、ケース込みで20ドル程度で揃ってしまう気軽さが魅力。
DIYForumsで企画された製品は、いずれも「安全で、コストに優れた電子工作」を意識し企画されているようで、
このコンセプトには強い共感を覚えます。

ちなみに、当機は秋月電子で販売しているDACキット「AKI-DAC」に回路構成がよく似ており、
グレードも同等と言えます。

2枚購入したうちの1枚目は、USBヘッドホンアンプ兼、USB-DDCの複合機として組み上げる事にしました。


ケースに収めた所。
当機は、Hammondの1551HTBUという小さなケースにぴったり入るように作られています。
(ただし、基板を固定する#2サイズのインチネジは付属していないので、別途ホームセンターなどで買い足す必要があります)
S_Gdac_010.jpg
この青色のケースは半透明のため、実装基板をケースに入れた状態でUSB端子の穴あけ位置決めが出来たり、
こんな細かい所でも電子工作ユーザーに配慮した仕様が考えられているのだなあ、と関心。
S_Gdac_011.jpg
S_Gdac_012.jpg
サイズ比較。
ミント菓子のケースよりも小さい!
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内部。
ステレオミニ端子と同軸出力端子、2つを同時に収めることに非常に苦労しました。
限界ギリギリ、無理やり詰め込む事に成功。
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欲張らず1つの機能に絞るか、またはケーブルを伸ばしてケースの外に端子を伸ばしたほうが良かったかも。

製作時に困ったのが、
基板からデジタル同軸出力端子に接続するための、75Ωの内部配線材を持っていなかった事。
考えた末、手持ちの太い同軸ケーブルの芯線だけを抜き出し、
熱収縮チューブで処理して強引に細い線材を作り上げという力技。
雑な仕上げになってしまいましたが、なんとか上手く行って良かった…。

ヘッドホンアンプとして使用する場合、
カップリングコンデンサの容量を47μF以上に増やす必要があるとの事ですが、
当機によく似たAKI-DACの解説ページを掲載している「情熱の真空管」ぺるけさんの記事を読んだ印象では、
47μFはヘッドホンアンプとしてはやや物足りないみたいです。
そこで僕は欲張って、ニチコンKAの220μFを無理やし横倒しにして実装。(思えばこれが原因でキツキツに)
S_Gdac_014.jpg

手軽に使えるUSBヘッドホンアンプ(同軸デジタル出力付)となった
当機Skeleton HeadphoneDAC。
S_Gdac_016.jpg
さすがに大型ヘッドホンの駆動は厳しいようですが、
イヤホンや、小型のポータブルヘッドホン程度なら十分鳴らせるそうです。
公式ではKOSSのKSC75が接続例に上がっていたので、早速組み合わせ。
久々にKSC75の音を聴きましたが、相変わらず価格に見合わないハイテンションで抜けの良い音に惚れ惚れ。
まだ全然聴きこんでいないのですが、こんな小さな機器で音楽が聴ける小気味よさはたまりません。

この「PCM2704/5で直接ヘッドホンを鳴らす」という当機Skeleton HeadphoneDACのコンセプトは、
昔、ヘッドホンリスナー界隈の一部で話題になった「DenDAC」と同じみたいです。


次にGrubDACを組み上げ。
S_Gdac_005.jpg
こちらは多機能でシンプルなSkeletonDACと比較し、
ライン出力専用の、純粋なUSB-DACとなります。
DACチップはPCM2706、WM8524などが使われており、実装部品も若干コストが上がり、
組み上げるために30ドル程度の制作費が必要となります。

公式に掲載されている測定結果などで確認する限り、
DACとしてはSkeletonDACよりも高性能で、上位機種という扱いとなります。
S_Gdac_006.jpg
USB-DACとして組み上げるにあたり、
USBケーブルとRCA出力端子を基板に直接配線してしまう「ケーブルDAC」というオプションが推奨されていて面白そうだったので、僕もチャレンジしてみました。

公式で推奨されているUSBケーブルのシリーズは、片側が直接基板に半田付け出来るように配線が末端処理されていて、とても便利。
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Grub CableDAC完成!
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あくまで気軽に低コストで組み上げたかったので、
ヨドバシカメラで売っていたビクターの500円RCAケーブルを切って、ライン出力側に組み込んでいます。
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改めて廉価なRCAケーブルを買ってみて見直したのが、価格に見合わぬ堅実な造り。
たかが500円のラインケーブルと侮る無かれ、線材は柔らかく取り回し抜群。内部はしっかりシールドされていて、芯線にはOFC線が使われており、RCA端子は金メッキされていて、ジャックへの食い込みも無理なく吸い付くように自然。
デザインさえ気にならなければ中途半端なものを使うより、廉価帯のほうが優れているのではないか、と目からウロコ。

PC→GrubDAC→AMB M3→ミニワッター→スピーカー、と接続して音楽を聴いてみましたが、
こんな小型コンパクトなDACでも驚くほどまともな音が出て、嬉しい驚き。
もう、これでいいんじゃないかな…なんて思ったりもして…。
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M3からヘッドホンのK702でじっくり聴いてみると、廉価帯DACにありがちな高音の神経質さ、デジタルっぽさが残っていて、さすがにハイエンドなオーディオ製品と比較できるものではありませんが、
ケーブルとDACが一体化した「CableDAC」という仕様はとてもスマートで魅力的です。
S_Gdac_020.jpg

SkeletonDAC、GrubDAC、グレードとしてはいずれもエントリー向けのUSB-DACと言えますが、
気軽に製作チャレンジできるコストの安さ、大げさにならず超小型のケースに収められる仕様など、
現存するDACキットの中でも、電子工作欲を掻き立てる魅力あふれる製品と言えます。
高価なDACを使用している方も、耳リセット用に是非!…なんて言ってみたり。

最後に、Beezar.comで購入した基板のうち本命の真空管ハイブリッドヘッドホンアンプである
「Millett hybrid Minimax」の製作は、
涼しくなってヘッドホンを常用できる季節になったら組み上げようかな、と思ってます。
(未制作のアンプ基板がまた増えてしまった)
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Posted at 01:34 | DIY関連 | COM(0) | TB(0) |
2013.11.19

AMB Lab Mini3 2台目(Double mini3風Mod)を製作しました

AMB LabのDIYポータブルヘッドホンアンプ、mini3の二台目を製作しました。
amb_mini3_2_014.jpg


■一台目の製作レポートはこちら
【AMB Labs Mini3 Portabe Headphone Amplifier】製作レポート
http://mauhead00.blog.fc2.com/blog-entry-55.html


mini3の音と仕様はとても気に入っているのですが、
まだまだ電子工作に不慣れな時期の製作だったため、若干の作りの甘さが気になっていました。

そして、当機には深いトラウマがあり、計4台のチャレンジ中、3台壊してしまったという辛い事実があります。
(上記レポートに掲載されているものは、奇跡的に成功した1台です。)

今の自分が納得できる出来のmini3を使いたい!という気持ち、
不良在庫部品を供養してやりたいという気持ち、
そして過去の失敗を乗り越え、心に残っていたしこりを取り除きたいという気持ちで、
再度AMB LABに注文を行いました。



実作業は数時間程度の半田付けで、滞りなく終了。
過去の失敗経験があるので、緊張しました。
amb_mini3_2_001.jpg
(これで2勝3敗か…)

普通に作るよりはちょっと面白いことをしてみたかったので、
ALO AudioのDouble Mini3の内部写真を参考にして
基板実装に無理のない範囲でコンデンサ周りのModifyを行いました。

ノーマルverとの違いは、
・0.1μFの積層セラミックコンデンサを入れる4箇所に10μFの電解コンデンサを並列に追加
・100μFの低ESR電解コンデンサを180μFに増量
・470μFの低ESR電解コンデンサの容量を680μFに増量し、並列にフィルムコンデンサを追加
といった感じで、ノーマルverと比べコンデンサ総容量を約50%増量しています。

amb_mini3_2_002.jpg
抵抗はDaleのRN50を採用し、ゲイン設定は3倍。
電解コンデンサはパナソニックFC、SUNCON ME-WG、ELNA シルミックⅡを使用。
実装サイズや部品在庫の都合でバラバラな銘柄になりました。
amb_mini3_2_003.jpg
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裏面。
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シルミックⅡを実装した電解コンデンサの裏には温度係数X7Rの積層セラミックコンデンサ0.1μFを並列に、
SUNCON ME-WGの裏にはパナソニックのECPU 1μFを並列に入れています。


実は、これらの部品のほとんどが、他のアンプなどを製作した際に発生した不良在庫から再利用したもので、
うまい具合に活躍する機会が得られて良かった。

1台目と比較。
amb_mini3_2_006.jpg
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かなり迷いましたが、mini3用のフロント&リアパネルを一緒に注文してみました。
amb_mini3_2_008.jpg
これで40ドルか…(プリント剥がれの恐れがないレーザー刻印なので高価なのかな?)

mini3用パネルの使用にあたって、注意点があります。
amb_mini3_2_009.jpg
ハモンドのケースに付属しているネジを使うと、このように隙間ができてしまうため、
経が広い皿ネジがないと格好悪くなります。
自作PC系のお店で売っているインチネジや、ホームセンターで売っている3.5mm対応サイズのネジが代替になります。

というわけで、
AMB Lab mini3(ALO風Modバージョン)完成!
amb_mini3_2_010.jpg
今回はアイスブルーのLEDを採用してみましたが、想像以上に格好よくて気に入りました。
amb_mini3_2_011.jpg
mini3のパーツリストに記載されているLED用抵抗は5.6kΩという指定ですが、
これは低輝度の赤色LEDなどを使う場合の抵抗値なので、
僕が使ったアイスブルーLEDのような、数千mcdの高輝度LEDを使用する場合はもっと高い抵抗値にしないと明るすぎてヤバイです。
僕は20kΩの抵抗を入れましたが、もう少し暗くても良かったかなあ。
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充電中のLEDは暗めのオレンジ色にしました。
amb_mini3_2_013.jpg

当機の視聴中に気付いたのですが、
僕が使ったアルプスの可変抵抗器、RK097のギャングエラーが思いのほか酷く、
とても能率の高いイヤホンを使う場合、小音量でのリスニングに影響が出てしまう事がわかりました。

そこで、「汐凪技研」さんのこちらの記事と、「情熱の真空管」ぺるけさんの掲示板で話題が出ていた極小音量時ギャングエラー補正方法を参考にして、入力とGNDの間に抵抗を追加しました。
汐凪技研さんの記事によると、可変抵抗器の仕様の、0.5%程度の抵抗をはさむと良いとのこと。
mini3に実装されている可変抵抗器は10kΩなので、50Ωくらいの抵抗を挟むとちょうど良いようです。
そこで手持ちの抵抗を漁り、もっとも条件に近い75Ω抵抗を追加しました。
(トライ&エラーで他にも色々試しましたが、これが今のところ一番違和感のない印象)
amb_mini3_2_015.jpg
実感できる改善効果があり、
追加前よりギャングエラー位置が小音量の場所に追いやられて、
不安無く音楽が聴けるようになりました。

デメリットとして、抵抗を追加するとボリュームを絞った時でもかすかに音が聴こえてしまうという点がありますが、
幸いにして当機mini3に使われているRK097はスイッチ付きのボリュームなので、聴感的な違和感は少ないです。
これは他の市販品でも応用出来そうなので、良いことを知った感じ。

汐凪技研さん、ぺるけさん、ありがとうございます…。

二代目mini3(ALO風Mod)のファーストインプレッションとしては、
ノーマル版と比較し、さらにキャラクターが濃く、分厚い音となったようです。
低音も高音もしっかり主張してくるので改悪というイメージはなく、とても楽しく音楽を聴ける印象。
amb_mini3_2_016.jpg
やはりデカップリングコンデンサの増量は低音に効いてくるんだなあ…という実感。

それにしても、自分で組み上げたアンプから音が出た時の感動は
何台製作しようとも色褪せることが無く、とても嬉しいもので、
電子工作って面白いな!と素直に思います。


聴きこんでみたら感想書いてみたいと思います。

Posted at 01:45 | DIY関連 | COM(0) | TB(0) |
2013.02.24

mini3製作失敗と、3月の予定について

余分に買っておいたAMB Labsのポータブルアンプ、mini3の基板を余らせていたので、
せっかくなので週末に部品の半田付けを行いました。

作業そのものは順調だったのですが、
半田付けが全て終了したあと、
電池スナップ裏側の出っ張りをニッパーで切り取ろうとした所で「バチッ!」と火花が飛び、
その時のダメージが原因と思われますが、オペアンプが壊れてしまい、またもや製作失敗となってしまいました。

ああ、またやってしまった…(失敗2台目)

原因を探ってみた所、電池スナップの半田付けと、その後の処理に問題があったようです。

9Vの電池スナップを確実に半田付けするため、
上記のように、あらかじめ放電しておいた9Vニッケル水素電池を取り付けた状態で半田付けを行ったのですが、
放電しきったつもりでも若干電気は流れていたらしく、
半田付けを行ったあとに触れたニッパーにより短絡が発生し、
その時のショックでオペアンプが壊れてしまったらしい…という流れ。

一台目の製作失敗も、これが原因だったのかもしれません。

通電している事を意識して取り扱わねば危険ということを理解しました…。
(この場合、半田付けが終わったあとで電池を取り外して電源スイッチを入れ放置することで、
放電をしっかり行う必要があったみたい。

悔しいので再製作したい気持ちはありますが、他に優先すべきものがあるので、ちょっと保留予定。






話は変わって、今後の予定について。

次回はいよいよスピーカー向けのアンプの製作にチャレンジしてみようと思います。

僕の部屋は狭く、設置スペースが限られるため、フルサイズのプリメインアンプを置く事ができず
現在はONKYOのハーフサイズプリメインデジタルアンプ、A-905FX2を使って、
スピーカーのFOSTEX GX100に接続してPCオーディオを楽しんでいます。
Onkyo-A-905FX2_024.jpg
(中身ぎっしり)

現状に特に不満はない…と言いたい所なのですが
デジタルアンプ特有の硬質な音がどうも好きになれず、
そのため極小サイズの中華系デジタルアンプにも食指が伸びない状況でした。
(Toppingのデジタルアンプを買ったことがありますが、こちらも好きな音ではありませんでした)

電子工作の候補はかねてより色々考えていたのですが、
上記の理由からデジタルアンプのキットは作る気がせず、
かと言って大仰で本格的な巨大アンプは作れる気がしないし、サイズの制約もある…

そこで僕が製作を考えたのは、
僕が去年製作して、今でも一番気に入って愛用しているディスクリートヘッドホンアンプ、
ぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプの設計者である、ぺるけさんが提唱している
真空管アンプDIYプロジェクト「ミニワッター」です。

ちゃんとした真空管アンプの音を聴いたことがなく、興味をそそられたという点と
僕のような初心者でも作れるように制作手順が細かく記載されている点、
今使ってるプリメインアンプの音量ボリュームを9時より先に回したことがない(そんなにパワーはいらない)ので、1W未満の小出力アンプでも十分だろう…と思った点、
FET差動ヘッドホンアンプ同様、多くのフォロワーが製作しており評価も高い…
という点などが決め手になりました。


製作に向け、ぺるけさん著書である「真空管アンプの素」を購入しました。
初心者でも理解しやすい内容となっており、僕のような素人には最適な一冊…らしい。
miniwatter_001.jpg
これを読んで、アンプ回路の理解も少しずつ深めていきたいなあ。

この著書では、1W未満出力の小出力ながら
音質に定評があるミニ真空管パワーアンプ「ミニワッター」についての情報と、
僕のような素人でも作れる「2段直結シングル・アンプ」の実装配線図などが記載されており、
非常に好奇心を刺激される内容です。


3月は、この著書に掲載されている最もシンプルな「6N6P 2段直結シングル・アンプ」を製作すべく、
少しずつ準備を進めています。

製作に関して、一番の難所はヘッドホンアンプなどよりも複雑で立体的なケース加工が要求されるという点ですが、
幸いにして、ぺるけさんが製作に使用した「ミニワッター用加工済み汎用シャーシ」を現在進行形で頒布されているため、
このご厚意に甘えさせていただく予定です。

この汎用シャーシのケースサイズも「ミニサイズ」と呼ぶにふさわしいコンパクトさで、
僕のような狭い部屋でも置けるというのがうれしい。


まずは製作に向け部品集めから始めます。

ああ、楽しみだなあ…!

Posted at 20:13 | 雑記 | COM(0) | TB(0) |
2012.10.02

【AMB Labs Mini3 Portabe Headphone Amplifier】レビュー

製作レポートから大分間が開いてしまいました。
9月上旬に製作したAMB LABSのポータブルアンプキット、MINI3です。
amb_mini3_023.jpg
■MINI3製作レポート0:準備編■
■MINI3製作レポート1:失敗編■
■MINI3製作レポート2:挫折編■
■MINI3製作レポート3:リベンジ編■

上記の通り、最初のMINI3の製作に失敗してしまい
一時期、落ち込んでしまったのですが…。

その後いくつかのアンプキット製作と、SOIC半田付け経験を経て
半田ごてを扱う最低限の技術を得た後、再製作に挑戦し、
元々、アンプキットDIY経験を始めようと思い立った時の目標であった
念願のMINI3製作が無事に成功したので、
一つの大きな目標をクリアできた感じ。

そんなわけで、僕の所有満足感はとても高いです。




さておき、MINI3の紹介です。

ご覧の通り、クレジットカードサイズの小さなポータブルアンプです。
同じく僕が使用している、
小さなiPod nano4thとの組み合わせがぴったりで、いい感じ。
amb_mini3_036.jpg

MINI3で使用推奨されているハモンドのアルミケースは
MH AUDIOのHA-1やJust AudioのµHA-120など、
一部のガレージメーカーのポータブルアンプケースとしても採用されているようで、
前後面パネルのプラスチック部分がアクセントになっていることも含め、
質感とデザインが良い仕上がりです。
amb_mini3_031.jpg
(シルバーとブラックの二色展開で、前後面にアルミパネルがついているタイプと、ついていないタイプがあります。)

実用面では、僕が「ゲイン2倍」「Aカーブボリューム」を採用したことにより
非常に音量調整がしやすく、ギャングエラーや音量調整のしづらさとは無縁です。
電源投入時のポップノイズや、駆動中のホワイトノイズも無く、
ストレス無く音楽を楽しめます。

このMINI3は、半田付けするオペアンプの選択により、
OPA690IDとAD8397ARDZを使用した「high performance edition」
LMH6642MAとLMH6643MAを使用した「extended runtime edition」の
二種類の仕様を選ぶことが出来ます。
前者は駆動時間を犠牲することにより高音質を実現。
後者はは音質を少し犠牲にすることにより、長時間駆動を実現。
といった感じ…らしい。

やはりポータブルアンプのような「あってもなくてもいいもの」を使うからには
わかりやすく効果が実感できるほうがいい!という考えの人が圧倒的のようで、
僕も音質優先の「high performance edition」で製作しています。

よって、250mAhのニッケル水素電池を使用した
MINI3の駆動時間は、およそ6~8時間程度となります。
短めのランタイムにつき、こまめに充電する必要があります。

充電については、
背面にDCアダプタプラグを差し込んで放っておくだけで充電してくれます。

(ただし充電完了のお知らせはしてくれないのですが…)
amb_mini3_033.jpg
三端子レギュレーターのLM317Lを使用した電圧回路により、
16mAの出力で充電が進む仕組みです。

僕が使用しているニッケル水素電池の容量は250mAhなので
使いきった電池を満充電するために必要な時間は、
250÷16=15時間程度となります。

実際には電池が空になる前にmini3が動作しなくなると思うので、もう少し早いはずだけど…。

いかにも充電時間が長く感じられますが、
電池を痛める事無く、また多少の過充電でも不具合が発生しないように、
誰が製作しても安全に取り扱えるようにと、調整されているものと思われます。

ネジを回して電池を取り出すような面倒がないというのは想像以上に僕の中で大きく、
毎日帰ってきたら充電する、というサイクルを繰り返すことにより
ランタイムの短さは特に気にならない感じ。

気軽に扱える分、こまめに持ち出したくなります。


肝心の音質について。

イヤホンはIE8、ImageX10、10PRO、hf5あたりでローテーションで聴いてます。

低音寄りのちょっとドンシャリ…と言った印象で、
JDSのCmoyBBなど、CMOYアンプと同類の「元気が良く、分厚い音が出る」印象です。


しかし、聴きこんでみると、
確実にCMOYアンプより格上の音質であると実感できます。

特に、低音に大きな差が感じられ、
ゆるめでフワフワした印象のCMOYアンプの低音に対し、
弾力と制動感があり、腰を下ろしたような安定した低域が得られるMINI3…と言った印象。

ボーカルは若干弱いようで、若干遠い印象があります。
僕は主にテクノ・エレクトロニカを中心にインストミュージックばかりを聴くため、
このあたりは弱点と感じないのですが…。

高音も、CMOYアンプと比較すると若干明瞭ですが、
透明感のあるタイプの音質ではないので
地味に感じるかもしれません。

全体的に制動感のある音のイメージのためか、
音場の広がりはいまいちで、
やや脳内定位が気になる点は否めません。


まとめると、
味付け多めで、聴覚的に「楽しく、ノレる音」が出るように調整してある印象です。
美音系ではないです。

さすがにハイエンド帯のポータブルアンプと比較すると
粗が見えてくる所でしょうが、
DAP直挿しと比較し、音質向上が直感的にわかりやすいという点と、
自分でDIYをすることにより達成感が得られるという点、
気軽に使える小ささと充電のしやすさなどが嬉しく、
数多く存在するポータブルアンプDIYキットの中で、
トップクラスのベストセラーになっている理由が
実際に作ってみて、理解出来た感があります。


このMINI3は、制作費がそれほどかからない割に
ポータブルアンプに期待する項目

・小ささ
・質感の良さ
・使いやすさ
・音質

のバランスが高い水準で保たれていると感じます。


以上の事から、
MINI3のDIYは「お勧め」できるのですが、
初めて半田ごてを手にする方が製作しようと思い立った場合、
SOICの半田付け、電池スナップの調整、
逆接続に非常に弱く、最悪、火事の原因になるかもしれないタンタルコンデンサの使用、
DCアダプタ接続による充電回路の半田付け、など、
初めてのDIY対象としては危険そうなポイントが沢山あります。

僕のように泣きたくなければ、まずは他の簡単なアンプキットや
SOIC⇢DIP変換基板の半田付けなどを経験し、
最低限の下積みをしてから本制作に移る事をお勧めします。

また、このmini3には
600mAhのリチウムポリマーバッテリー2個を使用することによって
high performance editionで20時間以上のランタイムを得ることが出来、
充電時間も短くて済むようになるという
χ1 Battery Management Boardというオプションのプロジェクトがあります。

しかし、取り扱いがデリケートなリチウムポリマー電池を扱った回路の
素人工作は少々リスクが大きすぎる…と思います。
工作慣れしている人以外は手を出さないほうが良さそう。


2012.09.11

【AMB Labs Mini3 Portabe Headphone Amplifier】製作レポート

amb_mini3_017.jpg
以前、努力の甲斐もなく製作に失敗してしまい、
若干トラウマが残りつつあった
ポータブルアンプキット、AMB Labs Mini3です。


その後、
いくつかのアンプキット製作と、
20枚弱のSOIC半田付け経験を経て、
このアンプキットと正面から向き合える自信がついたので、
いよいよ休日に組み立てることにしました。

先日、一枚目の基板にSOICの半田付けを終えていましたが、
二枚目のほうも半田付けしてしまおう。


製作過程をすっとばして、一気に完成!
この二ヶ月ほどで、さらに半田付けに慣れてきた感じ。
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この後、以下のような問題が起こり肝を冷やしましたが、なんとかなりました…。

■DCジャックにアダプタを挿しても充電用LEDが光らない ⇢ 半田流し込み量が少なすぎてDCジャック端子が導通不良をおこしていた
■電源を入れたら突然ツェナーダイオードが火花を吹いて壊れた ⇢ ツェナーダイオード交換
■充電用LEDの光が弱すぎる… ⇢ LED交換


ツェナーダイオードが壊れた原因が不明すぎる…。(極性は合ってた)
目の前で壊れたのを確認できたのは不幸中の幸いでしたが。
交換後は問題なく動作しています。

この後、各種テストをし、問題なく使用できることを確認しました。
良かった良かった…。



製作に使用したパーツ類は
基本的にリストに忠実なものを選んでいますが
いくつか変更点やこだわってみた部分があります。


抵抗類は、音声に関わる(とおもわれる)部分のみ
オーディオ用抵抗、タクマンREYを使用しています。
音量調整しやすくするため、ゲインは2倍に設定。
amb_mini3_024.jpg
すごく不恰好になってしまった。
抵抗をブリッジしたことで不要に伸びたリード線に電流を流すことになるので、
音質的に有利になったかと言われると微妙かもしれませんが。


Amb公式で買えるDCジャックは2.5mm対応品ですが、
日本で買えるACアダプタのジャックの規格は殆どが2.1mmサイズとなっているため、
使い勝手を向上させるために、マル信無線の2.1mmジャックを採用しています。
amb_mini3_025.jpg
また、公式では
DCジャックのそばに実装する25v10μFのコンデンサについて、
タンタルコンデンサを推奨しているのですが、
タンタルは逆電圧に対する耐性が皆無で、安全性に問題があるようです。
(最悪火事の原因に…)

よって、まうまうはタンタルより高性能で、
安全性の高いOS-CONを代わりに採用しています。
(隣のパーツと干渉するため、OS-CONをちょっと浮かせてやる必要があります)


低インピーダンス品指定の電解コンデンサは、
ルビコンMCZとパナソニックFCを採用。
amb_mini3_026.jpg
amb_mini3_027.jpg
おそらく積層セラミックコンデンサと
この低インピーダンス電解コンデンサで
高周波ノイズと低周波ノイズを除去しているのかな?と思います。

よって、電解コンデンサをオーディオ用に変更したり、
積層セラミックをフィルムコンに変更したりという安易なパーツ変更は
音質改善としては
逆効果になりそうな予感。(今の所、想像の域を出ませんが)

また、AMB公式で注文できる可変抵抗器、RK097は
音量調整しづらいBカーブ品のため、
ボリュームは
秋月電子で買えるRK097 10kΩ Aカーブ品を強く推奨します。



裏面です。
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このままケースに組み込むとケースと干渉し
ショートしてしまう可能性があるので、
裏側にビニールテープを貼り、絶縁しておきます。
amb_mini3_029.jpg


今回は電池も引っかからず、ちゃんと綺麗に収まります。
少しでも余分に厚みがある9V電池は入らないので、注意。
僕の手持ち電池の中だと、
今のところ秋月電子で販売している9Vニッケル水素電池250mAhだけが唯一使える感じ。
amb_mini3_030.jpg
電池スナップの半田付けの微調整はとても重要で、
AMB公式で推奨している通り、
電池を装着した状態で、電池用スナップ部の半田付けをするとうまくいきます。
(この場合、通電してる状態で半田付けをすることになるので、ショートしないように注意が必要)
半田付けのやり直しが困難な場所なので、気をつけてください。


そしていよいよ、
本体をケースに収納して、
パネルをネジ止めし、ツマミを取り付けたら…
完成!かっこいいぜ!
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ケースとツマミは今回の製作にあたり、新調しました。

プラスチックのパネルと、プラスチックのツマミで
DIY風味を演出。

アルミパネルとおしゃれなツマミを備えたmini3も捨てがたいのですが、
こういう泥臭い見た目のほうが僕好みだったりして…。

LEDは光量控えめの優しい蛍光グリーンの色合いで、
落ち着いた大人の渋さを感じさせます。(自画自賛)



背面の穴に2.1mm 15VのDCアダプタを差し込む事で
電池の充電ができます。
amb_mini3_033.jpg
以前製作したJDS LABS cMoyBB V2.03R同様、
過充電の保護回路などはないので
結果的に電池の劣化は早まりそうですが、
どちらも電池を使い潰す気で酷使してやりたいと思います。

音については後日改めて…。
amb_mini3_034.jpg
このアンプには色々と苦労させられましたが、
無事に完成して本当によかった…!

Posted at 01:55 | DIY関連 | COM(0) | TB(0) |