2013.06.24

【Meier-Audio Corda STEPDANCE】レビュー

先日、中古で手に入れた憧れのポータブルヘッドホンアンプ、
Meier-AudioのCorda STEPDANCEです。
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他のアンプと聴き比べつつ音の感想がまとまってきたので、レビューを書いてみます。
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Meier-Audio Corda STEPDANCE
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■販売:完成品
■サイズ:中型
■バッテリー:9V電池×1
■機能:外部電源駆動、ゲインスイッチ、昇圧モード
■駆動時間:18~20時間(ローカレントモード、500mAhリチウムイオン電池使用の場合)
■音質傾向:シャープ・フラット、分解能が高い


当機はポータブルアンプの限界に挑戦した!と言わんばかりの特筆すべき機能が沢山盛り込まれています。
・音質劣化の原因となるボリュームを使わず、31ステップのデジタルアッテネーターを採用
・シングルエンド接続ながらバランス接続と同等の音質改善が得られるという「Active Blanced Gound」回路採用
・7500μF前後のキャパシタ容量
・電圧を二倍に昇圧して駆動するハイカレントモード搭載
などなど。

音質について
昇圧、外部電源の有無にかかわらず、当機の音質傾向はフラットでモニター的ですが、
非常に高い分解能と贅肉が削ぎ落とされたかのような付帯音の無さが特徴で、
デジタルアッテネーターと「Active Blanced Gound」回路による音質改善効果なのだろうな、というのが想像つきます。

特に分解能の高さは僕の手持ちのポータブルアンプの中でも頭ひとつ抜けている印象で、
いわゆる「点音源」の音場表現となります。

結果的に「モニター的」「デジタルっぽい」イメージが付加され、「艶っぽさ」「生々しさ」というものが皆無なので、
人によって好き嫌いが分かれる音傾向と思います。

テクノを筆頭としたデジタル音源とは非常に相性が良く、シャキシャキと小気味よいノリの良さが他に替えがたい魅力です。
反面、生演奏やボーカルの音源を聴くには素っ気なさ、余韻の無さ、点音源が悪影響となり、聴いていて楽しくない、リラックス出来ない、という印象もあります。

据え置き向けのヘッドホンを鳴らせなくもないですが、当機に限らずポータブルアンプの常として、
あくまで「イヤホン・ポータブルヘッドホン」を鳴らすために作られたアンプなので、据え置き用のアンプと比較すると見劣りするのは仕方ない所。

音量調整について
イヤホンで聴く場合、ローゲイン設定でもかなり音量が大きめで、
使用イヤホンによっては、ボリューム最低位置付近で丁度良い音量…という事があります。

デジタルアッテネーターの利点として、ギャングエラーが無いという特徴が挙げられますので、
ボリューム最低域でも問題なく使用できるのは良いです。

しかし、据え置きのDACのDAC-OUTから入力信号を受け取り、イヤホンで聴く場合、iPodなどよりも音量が大きくなりますから、
ボリューム最低位置でもうるさい…という事があるため、据え置き環境でも使いたい場合は、ソース側で音量調整をしてやる必要があり、このあたりはなんとかしてほしい所。


昇圧モード・駆動時間について
ポータブルで最高の音質を手に入れたい場合はハイカレントモードでの駆動が推奨されるのですが、
消費電流があまりに多すぎて、実用性に欠けます。
(ローカレントモードは25mA、ハイカレントモードは50mA)
例えば、200mAhのニッケル水素電池&ハイカレントモードで運用した場合、3~4時間でバッテリーが切れる計算となります。
さらに、当機には充電機能がありません。

よって、僕は実用性を重視してローカレントモードでの駆動で運用しています。

ローカレントモードで駆動した場合でも、ニッケル水素電池を使用した場合は10時間も持たない大食いアンプであることは変わらないので、
リチウムイオン電池の出番です。

このSoshineのリチウムイオン電池はかなりサイズが大きく、僕の手持ちの他のポータブルアンプでは運用が難しいため使っていなかったのですが、STEPDANCEには無理せず収める事が出来ました。
後継機の2STEPDANCEの電池収納スペースは当機より狭めのようなので、こういう地味な利点はありがたい。
この電池は500mAhの容量があるので、18~20時間程度の駆動が可能です。

外部電源駆動について
6V~15Vの安定化DC出力による外部電源駆動が可能です。
DC端子は1.3mmのため、日本国内で流通しているACアダプタを使用して駆動する場合は、DC端子を2.1mm→1.3mmに変換してやる必要があります。(秋月電子などで変換プラグが売られています)

STEPDANCEに外部電源を使用する場合、電池が入っていても外部電源の入力が優先され、
必ずハイカレントモード(2倍昇圧)で駆動する仕組みです。

15vのACアダプタを使用した場合、据え置きヘッドホンアンプ並の「15V正負電源」による駆動が実現可能。
自宅用のイヤホン向けアンプとして、高いポテンシャルを有しています。

ただし、STEPDANCEに使用されている電解コンデンサの耐圧は16Vなので、安全性を考慮すると、12VのACアダプタを使用するのがベストと思います。


まとめ
STEPDANCEは意外と個性が強く、好き嫌いが分かれそうなアンプですが、
唯一無二とも言えそうな魅力を持っていることも事実で、とても気に入りました。

ダイナミック型イヤホンと組み合わせるとバランスが良くなり、ノリの良さも際立って素晴らしいのですが、
あえて繊細な音傾向のBA型イヤホンを組み合わせて、シャキシャキした音を楽しむのも良し。

個人的にはもう少しサイズが大きくても良いので、充電機能を付けてくれたら…と思うのですが、
Meier-Audioが過去にリリースしてきたポータブルヘッドホンアンプは一貫して「9v電池一本による駆動」「充電機能なし」という仕様となっているので、
開発者の徹底したこだわりがあるのでしょうね。
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