2013.11.26

beyerdynamicのDT880E/600を買いました

2年ぶりに新しいヘッドホンを入手しました。
ベイヤーダイナミックの半開放型ヘッドホン、DT880E/600です。


購入後10日程度という、新品に近い中古品が安く売られていたので、
これ幸いと飛びつきました。(ありがとうございます!)
僕が狙っていた機種ドンピシャだったので、とてもうれしい。

半開放型ヘッドホンである当機DT880は、
密閉型DT770、開放型DT990を含めた「ベイヤー三兄弟」と言われる
レガシードライバーが採用されたヘッドホンの中の1台であり、
かつてのフラッグシップでした。
dt880_e600_002.jpg
現在は、T1をはじめとした新開発のテスラドライバー採用機のラインナップが増え、第一線を引いた格好になります。

「三兄弟」には用途に合わせたバリエーションがあるので、若干ややこしい。
ポータブルオーディオ向けの32Ω低インピーダンス仕様「E/32」シリーズ、
ホームオーディオ向けでスタンダードな250Ω仕様「Edition2005」シリーズ、
ハイエンドオーディオ向けで高インピーダンス仕様「E/600」シリーズ、
側圧強め、ヘッドパッド交換可能、デザイン簡素、カールコード採用でプロモニター向け「PRO」シリーズがあります。

僕の手元には愛すべきヘッドホンアンプが複数台あるので、
現在の環境であればハイインピーダンスヘッドホンも鳴らせるだろう、ということで導入した「E/600」シリーズ。
dt880_e600_003.jpg

音については、店頭で視聴した時の印象よりもずっと良く、
ソフトフォーカスを意識した全体感のある鳴り方を基本キャラクターとして、
刺さるほどではないけれども細くてきらびやかな高音が良いアクセントになっていて
明るさと柔らかさと刺激的な要素をうまくミックスし、飽きずに長時間リラックスして聴ける
絶妙な音作りで、じんわりと良さを実感できるヘッドホンだと感じました。

分解能、音場表現も十分なものを持っており、3D的な立体表現を感じられます。

音質と同じくらい重要な装着感についても申し分なく、
適度な側圧、耳障りのよいイヤパッド、何時間装着していても疲れない心地よさ。
(首を強く振るとずれる程度の側圧の弱さで、しっかりホールドして欲しい方はPROシリーズの側圧がベストとの事)


2013年の今こそ5万円超えのヘッドホンはありふれたものになってしまいましたが、
一昔前はゼンハイザーのHD650、AKGのK701、ベイヤーDT880が
「高級ヘッドホン御三家」として認識されていたようです。
音作りはHD650を基礎として、どれも似たところがあるらしい。

気付いたら僕の手元にもHD650、K702、DT880が揃っていたので、
それぞれの音の印象を書いてみます。
完全に僕の主観です。


■HD650
圧倒的なウォームトーンでやや低音寄り。はじめて購入した高級ヘッドホンが当機ですが、
廉価帯ヘッドホンとは全く違う音作りに面食らいました。
スピーカーリスニングを意識したような音作りで、これが万人に受け入れられているというのも理解できます。
緩くて主張が強めの低音が影響し、3機種の中では最も暗めで、湿度が高く、熱が伝わってくるかのような独特の雰囲気が感じられます。
国内レビューではベイヤーのヘッドホンがそのような特徴を持っていると言われていたりもしますが、
僕の印象では、HD650にこそ相応しいイメージ。
HD650は広大な音場表現を持っていることで有名ですが、
半端な環境だと詰まった音になり、音場が狭く感じられ、非常に残念な音になります。(何度処分しようと思ったことか…)
上流(DAC、ヘッドホンアンプ等)の影響が大きく、環境を整えていく毎に効果が実感できるという、アンプスパイラルの元凶。
最終的には3機種の中では頭ひとつ抜けてくる印象ですが、実力を実感するには一定以上の投資が必要となります。
側圧は結構強めで、こなれてくるまで時間かかります。(物理エージング)
気に入ってます。

■K702
痛い音を出さない、滑らかできれいなフラットバランスで、ボーカルの美しさに定評あり。
開放型ゆえ厚みのある表現は苦手で、低音が少し弱めに感じられる印象もあります。(後継機種では改善されているようです)
3機種の中では最も音の分離が良く、音場が広く感じられるヘッドホンで、
意外と環境にも寛容だったりもして、とりあえずヘッドホンアンプを介せば良い音が得られると思います。(ただし音量は若干取りづらい)
他の機種と比較すると、くっきりと配置された点音源、左右には広いけれども奥行きがそこまで深くない、ネガティブに捉えると少し平面的という印象もある音場表現など、いわゆる「ヘッドホンらしい」鳴り方をするので、好みの差はあると思います。
おとなしめの電子音楽に絶妙なマッチングをみせたりして、汎用性が高い印象。(エレクトロニカ、アンビエントなど)
側圧は緩めで装着感は悪くありませんが、ヘッドパッドのコブが気になる人が一定数いる模様。
軽さと引き換えのプラスチッキーな意匠が気になる人もいるかも。
気に入ってます。

■DT880
ウォームトーンで滑らかな基本キャラクターに、細くて刺激のある高音が加わり、結果的には少し高音寄りに聴こえます。
半開放型の利点を活かした低音の厚みと抜けの良さが感じられ、3機種の中では最も明るい音調で、
退屈にならない程度の刺激と個性がある万能型ヘッドホンといった印象で、ベイヤーの音作りのセンスの良さが感じられます。
音場表現はHD650に似たタイプで、3D的な立体感があるものの広さという点では上記2機種には一歩譲るといった印象。
高音寄りの上流環境と組み合わせると高音がきつくなりそうなので、環境にはそれなりに気を使う必要がありそう。
装着感は最高で、心地良いです。
ヘッドバンドの長さ調整の伸びしろが少なめで、僕の頭ではヘッドバンドを最大に伸ばすと丁度いい感じ。
装着できない人もいるかも。(要試着)
気に入りました。


以上、「御三家」は似た傾向の音とは言われているものの
メーカーごとの個性が強く反映されており、
どれも魅力的で、そこまで音がかぶっているとは思いません。
共通事項としては、いずれも出力の弱いDAP直挿しではまともに鳴ってくれないので、
ヘッドホンアンプの導入は必須と言えます。


DT880の上位ラインナップである、最新のテスラドライバー採用機、T1、T90、T70などを視聴してみましたが
どれも非常に分解能が高く、クリアで高性能と感じました。
でも、今のところ特に欲しくはならないというか…価格帯1万円台くらいの、一昔前の機種のほうが気になる昨今。
(お高いですしね…)
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