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2014.03.18

【Graham Slee Solo Ultra-Linear Diamond Edition】レビュー

昨年6月頃にGraham Slee Project公式で注文し個人輸入したヘッドホンアンプ、
Solo Ultra-Linear Diamond Editionについて書きます。

Graham Slee Projectとはイギリスのオーディオガレージメーカーで、
デスクトップ向けの小型アンプ類を主に製作し販売しています。
元々はスタジオモニター向けのアンプ類を製作していた方が立ち上げたブランドとの事。

国内ではあまり馴染みのないメーカーですが、中国をはじめとした海外では一定の知名度と人気があり、
欧州のオーディオ系イベントでGRADOやSennheiserブースのヘッドホンデモ用にGraham Sleeのヘッドホンアンプが採用されている実績があります。
また、過去にはSolo(旧ver)の中華クローンアンプ「SMSL SAP-100、SAP-3」あたりが国内で販売され、話題になったことがあります。
(※僕も2台のSOLOクローンアンプを手に入れましたが、どちらも当機と比較できるレベルではありませんでした…念のため)
solo_ul_de_029.jpg
僕が手に入れたSolo Ultra-Linear Diamond Editionは、
Graham Slee Projectがリリースしてきたヘッドホンアンプ、Soloシリーズの最新版で、
現在のフラッグシップモデルとなります。


仕様上の特徴としては、

・デスクトップ向けの小型ヘッドホンアンプ(W: 107mm x H: 50mm x D: 185mm)
・リニア安定化電源ユニット「PSU-1」と組み合わせて使用する電源+アンプ本体のセパレート構成
・入力はRCA2系統+ミュートスイッチ付きで、前面パネルのトグルスイッチで切り替え(ON-OFF-ON)
・ヘッドホンのインピーダンスに合わせたゲインコントロール機能(Headphone sensitivity volume control)
・低インピーダンスのインイヤーモニターにも対応している低ノイズ仕様


といったような内容で、汎用性の高さと普段使いの気軽さを重視している印象。
solo_ul_de_028.jpg
当機「Solo Ultra-Linear Diamond Edition」の名前の由来について。

開発者が「真空管アンプの音は素晴らしいが高価なので、もし真空管の特性を半導体で再現する事ができれば、良い音を安価で提供することが出来る」という考えのもと開発が行われ、
「真空管の特性を半導体で模倣した回路」のようなものを開発することに成功、
この回路は1940年代に生み出された画期的な真空管の「ウルトラリニア接続」にちなみ
「Ultra-Linearテクノロジー」と名づけられたそうです。

そして、この真空管模倣回路を使ったヘッドホンアンプがリリースされ
Ultra-LinearのSOLOということで、「Solo Ultra-Linear」という名前になりました。

その後、さらにリファインが行われ、
高感度のインイヤーモニター等にも対応できるようにさらなる低ノイズ化が図られた後継機種が
「Solo Ultra-Linear Diamond Edition」で、これが僕の手元にある機種となります。


真空管を模倣した回路を採用しているという売り文句に興味を惹かれたという点と、
Graham Sleeのポータブルヘッドホンアンプである「Voyager」の音がとても好きなので、据え置きの音も聴いてみたかった、という二点が主な購入動機です。


当機に電源スイッチは無く、
通電直後にポップノイズが発生するという悪い点があります。(ミュート状態で電源を入れれば防げるのですが)

公式では常時通電で使うことを推奨しており、
一年間通して使用し続けた電気代は18ポンド程度だそうなので
僕も、夏場以外は電源点けっぱなしにしています。
solo_ul_de_030.jpg
駆動は比較的エコなAB級駆動で、本体、電源ユニット共に発熱もなく、
LEDの光もごくささやかなもので、精神衛生的にも優しい仕様と言えます。


購入当時、僕の電子工作欲が制御不可能な程高まっていたので、
思わず電解コンデンサとケーブル類の総交換をしてしまったのですが、
余計な事をしてしまったかもしれません。
solo_ul_de_012.jpg
購入後、Panasonicのオーディオ用コンデンサとルビコンの低ESRコンデンサに交換しています。
solo_ul_de_022.jpg


Solo Ultra-Linear Diamond Editionの音について。

当機は広い音場感と高い分解能を両立した美音系のヘッドホンアンプで、
聴き疲れの少なさを意識した、わずかな味付けが感じられます。


音のバランスについて、
ヘッドホンの個性を殺さないニュートラルさがあり、
聴感上の色付けは非常に少なく、偏りのないフラットな傾向ですが
前段のDACの影響を強く受け、組み合わせにより大きく印象が変わります。

ウォームな味付けのDACを用意すれば、欧州アンプらしい滑らかさと温かさを感じる印象ですが、
モニター的な味付けの少ないDACを用意すれば、尖った音は痛くない程度に抑えられつつ、透明感のあるさわやかな音となる印象。
長い間当機の音傾向が掴みづらく、なかなかレビューが書けなかった理由の一つです。


どんな環境にせよ、
「広い音場感」
「上品な音」
「高音も良く伸びるけど、ギリギリの所で刺さらない」
「音の押し出しが控えめ」

という個性が残り、聴き疲れの無さ、ストレスの無さを意識したチューニングがされている印象。

上記のような味付けから、どんな音源も粗をマスクして上品に聴かせてしまうという傾向があり、
僕の手持ちのヘッドホンに例えると、AKGのK702(K701)の音のイメージにそのまま当てはまる印象。

これはそのまま弱点とも取ることができ、
力強さや勢いが不足しており、荒々しく激しい表現が苦手と言えます。


ヘッドホンとのマッチングについては特に機種を選ばない印象で、
600ΩのヘッドホンDT880 E/600から16ΩのイヤホンSennheiser IE8まで、
機種を選ばずストレスなく使うことができます。
詳しい仕組みはわからないのですが、インピーダンスマッチングの機能が働いていて、
どんな機器でも9時前後の位置で丁度良い音量となるように設定されています。

ボリュームはアルプスの汎用品が使われていますが
選別されているらしく、最小位置近辺でもギャングエラーがありません。
高能率のイヤホンで聴いてみるとボリューム最小位置でもわずかに音が聴こえるので、補正抵抗が入っているのかもしれません。(ヘッドホン出力部のすぐそば、L+GND、R+GNDの間に抵抗が入っているのですが、これかな?)

イヤホンにも対応しているという公式の説明は伊達ではなく、
僕の手持ちで最もノイズを拾いやすいアルティメットイヤーズのTF10を接続し、ボリュームを思いっきり上げてもノイズが聴こえません。
今まで多くのヘッドホンアンプの音を聴いてきましたが、ノイズの少なさという点において並ぶものがありません。


購入当初、Solo Ultra-Linear Diamond Editionには唯一無二の個性的な濃い音を期待していたので
最初に音を聴いた時の普通っぽさ、特徴の薄さにはガッカリさせられました。

しかし、当機を一週間ほど使い続けた後、元々愛用していたヘッドホンアンプに戻してみたら
音の広がりが欠けており、団子状になって聴こえたり、
定位がうわずり気味で不明瞭だったりと、それまで気にならなかったことが気になるようになってしまいました。

人の耳は贅沢なもので、
音のグレードアップには気付きにくく、音のグレードダウンには敏感という性質があるというのは自覚してましたが、ここまでとは…。

現在、当機は僕のリファレンスヘッドホンアンプとなっています。
特に、とても広い音場表現、透明感がありつつも適度に刺激を排除した音傾向に由来する聴き疲れの無さと爽やかさが心地よく、お気に入りです。

僕が注文した当時のレートでは8万円弱の価格でしたが、
2014年3月現在、Graham Slee公式による値上げや、円安と英ポンド高の影響で10万円前後となってしまい
なかなか人に勧めづらい状況になってしまったのは残念です。
solo_ul_de_026.jpg
同価格帯、10万円前後の製品で当機より優れた性能を持つアンプは勿論あると思いますが、
「音の良い小型据え置きヘッドホンアンプ」というのは相当に限られていて、
僕のように「設置スペースに余裕がないけど音に妥協したくない…」という考えの方には一考の価値がある製品だと思います。
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2013.07.23

【Graham Slee Solo Ultra-Linear Diamond Edition】到着レポート


10日以上前となりますが、
注文していたGraham Slee Projectのヘッドホンアンプ、
Solo Ultra-Linear Diamond Editionが到着しました。

購入価格は、
VATを抜いてもらって本体515ポンド、送料45ポンド(高い!)=560ポンド程度となります。
さらに到着時に2000円弱の関税を取られたため、
日本円にして9万円弱のお買い物。(僕のオーディオ歴最高額大幅更新)

決して安い買い物ではありませんでしたが、
少しずつ積み立てていたオーディオ資金と、不使用のオーディオ機器を処分した差額で工面することが出来ました。
ああ、ボーナスほしい…(もらったことがない)

当機に興味を持ったのはポータブルアンプのVoyagerの音がとても気に入っているからですが、
購入の決め手となったのは海外記事で見つけたUltra Linearレビュー記事に書かれていた開発者のコメントでした。
適当に要約を試みると、

■私は昔から真空管の音が好きで、ソリッドステートでこのような音を再現してみたいと思っていた。(ほとんどの人は不可能だと思うでしょうが)
■良い真空管アンプは高価ですが、半導体アンプならば安価で提供することが出来る。
■我々は2年の研究成果を経て、半導体だけで真空管の特性を模倣することに成功した。
■この技術革新を往年のウルトラリニア接続の技術から引用し、「Ultra Linear」と名付ける。


といったような、ちょっと大げさな事が書かれています。
(適当な要約なので違うところもあるかもしれません)

どこまで信頼できる情報かは置いておいて、
音創りの方向性、コンセプトがはっきりしているGraham Slee Projectに好印象を抱きました。
ガレージメーカーだからこそ、このようなニッチな追求ができるのでしょうね。


フラッグシップである当機には、
ヘッドホンアンプ本体に加えてPSU1という外部接続用の安定化リニア電源ユニットが付属しています。
solo_ul_de_004.jpg
シンプルな装いですが、ケース、印字共に質が良く、清潔感のあるデザインです。

本体サイズは「W: 107 x H: 50 x D: 185 (mm)」 とコンパクトで、
僕の狭い部屋に置くには丁度いいデスクトップアンプ。

また、このケースはイタリアのオーディオメーカーであるM2TECHがリリースしているhiFace Evoなどと同じタイプのケースで、EU圏で出回っているユニバーサルケースのようです。


電源を入れてみると、
黄緑色のLEDがささやかに光ります。
solo_ul_de_020.jpg
ポータブルアンプのVoyager同様の低い光量で、
ギンギラ眩しい中華系アンプとは対照的です。

背面は2箇所のライン入力、DCジャックのみ。
solo_ul_de_005.jpg
電源スイッチはないので、タップ側で管理する事になります。

裏面は安っぽいゴム足と、手書きのシリアルナンバー付きシールが貼られていました。
solo_ul_de_006.jpg

安定化リニア電源ユニットのPSU1です。
solo_ul_de_008.jpg
給電はメガネタイプの電源ケーブルを使います。

電源ユニットを通り、
3PのDINプラグから、2.5mmのDCプラグを介して24Vの安定した直流電圧をSolo本体に送り届ける仕組みです。
solo_ul_de_007.jpg
このユニットの電圧仕様は115Vですが、
東日本の100V50Hzにも対応しています。(Graham Slee公式より返答頂きました)
実際に測定してみましたが、安定した24Vの出力が得られているので一安心。

電源ユニット裏面のゴム足の裏にネジがあるのが見えるので、頑張れば内部を確認出来そうなのですが、
若干のリスクを感じたので止めました。


Soloの中身は、六角ネジを外したら簡単に見ることができました。
solo_ul_de_012.jpg
こんな貧相な中身ですが、米国圏では1000ドル以上の価格で売られている、
れっきとした高級ヘッドホンアンプです。

前機種の「Solo Ultra Linear」よりノイズを低減した改良が行われていることは知っていましたが、
想像以上に中身の見た目が違っていました。


コストダウンの影響と思いますが、
電解コンデンサは全てForeverというメーカーの汎用品が使われています。
solo_ul_de_011.jpg
(せめてオーディオ用コンデンサの一本くらいは混ぜてほしいものです。)

正面側を裏から。
solo_ul_de_017.jpg
ボリュームに錫メッキ線が半田付けされており、アースラインにつながっています。
いかにもガレージメーカーらしい手作り感。

背面側を裏から。
solo_ul_de_016.jpg
中央のネジ止め部分からアースが落としてあり、
ノイズ対策の最適解といわれる一点アースが当機の特徴の一つとなっています。

中央の黒い塊、
当機Solo Ultra Linear Diamond Editionの核部分。
ここにGraham Sleeの研究成果が詰まっています。
solo_ul_de_013.jpg
黒い樹脂で機密化されているため、内部は確認できません。
この写真では判別は難しいですが、
よく目を凝らしてみると、オペアンプ2個といくつかの抵抗器が透けて見えますが、他にも何かありそう。

基板裏面。
solo_ul_de_018.jpg
Solo SRGⅡと同じ基板が使われています。

やはり裏面にも部品が隠れていました。
solo_ul_de_019.jpg
ポータブルアンプのVoyager同様、オペアンプ近辺に積層セラミックコンデンサが取り付けられています。


実際に音を聴いてみた第一印象ですが、
僕が今まで聴いてきた数十台のヘッドホンアンプの中でも
文句なくトップクラスの音質で、
特に音場の広さ、分離の良さが際立っています。

音質傾向は想像していたよりはハッキリとしたタイプですが、
高音の痛さは巧みに抑えられており、聴き疲れの無さを意識した音作りがされているようです。

そして、当機はぺるけさん設計の
FET差動ヘッドホンアンプとかなり似た傾向と感じます。

FET差動ヘッドホンアンプの音を聴いた時に、見た目からは想像できない高品位な音に
「音は設計で決まるんだな」と、言葉でなく心で理解したものですが、
当機Solo Ultra Linear Diamond Editionにも同様の説得力が感じられます。

まだまだ少ししか使用できていないので、
もう少し聴きこんでみたら、改めてファーストインプレの記事でも書いてみます。



ここからは雑記ですが、
当機の到着と同時期に僕の部屋のエアコンが壊れてしまうという不幸があり、
ヘッドホンで音楽を聴ける状況ではなく、
予定していたブログの更新が大幅に遅れてしまいました。

先日、エアコンを買い換えて、
取付工事をしてもらったおかげで、快適に音楽鑑賞が出来るようになりました。

エアコンが壊れている事がわかっていたら、エアコン買い替えの出費を優先していたので
若干の後悔があったのは事実ですが…。

ともあれ、
夢に出るほど欲しかった憧れのヘッドホンアンプなので、
実際に手に入れることが出来たのは素直にうれしいです。

できれば当機をヘッドホンアンプスパイラルの終着点にしたいと思っていますが…どうなるかな。

当機は幸いにして半田付けのやり直しがしやすい片面プリント基板なので、
地味な汎用コンデンサを全て取っ払って、高品位のコンデンサに交換したり、
電源ケーブルなどを交換してグレードアップをはかって楽しんでいきたいと思います。

2012.10.30

【ぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプ (DC12V)】レビュー

先日僕が製作した、
ぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプ DC12V版です。

製作してから大分鳴らし、聴きこんだので
そろそろ音の感想について書いてみます。

※ぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプとは、
ぺるけさんがホームページで公開しているアンプDIYプロジェクトのうちの一つです。
音響サービス会社に勤める音のプロの評価を経て、
モニターとして正式採用したという実績があるそうで、
音質も折り紙つき…らしい。
詳しくはこちら

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■ケース加工のレポートはこちら
次回製作予定の据え置きヘッドホンアンプを選定
■製作レポートはこちら
【ぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプ (DC12V)】製作レポート
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このぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプの大きな特徴は
オペアンプを使用せずに回路設計されている、
いわゆるディスクリートアンプという点です。

ディスクリートで良い音を出すためには
複雑な回路構成と、多くの部品が必要である…というのが
僕の中での「ディスクリート」のイメージだったのですが、
このぺるけ式FET差動アンプに関しては
かなり部品数が少なく、
僕のような電子工作歴が短い者でも製作できるほどです。

それもそのはず、
ぺるけさんは、僕達のようなDIY初心者でも作れるように
限界まで部品数を減らして設計されたらしく、
非常に洗練された回路…ということらしい。

回路の事はやっぱり僕にはよくわからないので、
詳しい方にお任せするとして…



部品のほとんどはぺるけさんの頒布品を
お譲りいただいたものです。
コンデンサは「容量増強ver」を選択しています。
peruke_017.jpg

抵抗は、タイヨームのFTR33Sを使用しました。
peruke_019.jpg


リスニング環境は
PC⇢Musiland Monitor 01 USD⇢V-DAC⇢ぺるけ式⇢ヘッドホン。
ヘッドホンは所持品のうち、
HD650、K702、MDR-Z1000、MDR-XB1000、PRO900あたりを使っています。
200時間ほどは鳴らしたと思います。
peruke_022.jpg
(HD650と一緒に撮影)



まず使い勝手について。

心配していた電源ON/OFF時のポップノイズは
全くありませんでした。う、嬉しい!

そして、素人工作で心配だった
駆動中に聴こえるホワイトノイズについてですが、
ノイズを拾いやすいMDR-Z1000を接続し
無音状態でボリュームを最大まで回すと
ようやくかすかに何かが聴こえてくる…という程度で
今まで僕が聴いてきた市販品のヘッドホンアンプではありえない、
驚異的な静けさです。
この状態で音楽を再生したら僕の耳が死にます。
(僕が組み上げたLeijine A496 type1と同じくらいのノイズの少なさ)

ヘッドホンのドライブ能力も申し分ありません。
(半固定抵抗器で利得調整可能)


電源は公式推奨の、
秋月電子で600円で売っている
12V1AのスイッチングACアダプタを使用しているのですが、
これほど静かならばトランス電源にこだわる必要も無いなあ…などと感じました。


肝心の、ぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプ(12V)の音について。
僕のリファレンスHPAはHD-1L(だった)なので、その辺りを加味して読んでください。


最初に聴いた第一印象は、
いわゆる「Tube Likeな音だな」という印象でした。

一聴して音の刺激が抑えられており、
音の圧力も「これ以上強くなると聴き疲れするな」というギリギリのラインを超えない程度に
抑えられています。

いつまででも聴いていたい、リラックスした音質です。

モニターアンプとして採用された実績があるだけに
音のバランスが良く、
「高音が強い」「低音が強い」などと偏りを感じさせません。

強いて言うなら、高音の刺激がかなり抑えられているので
第一印象は「中低音寄り?」と感じました。

僕は本格的な真空管アンプの音を聴いた事がないのですが、
僕の中で想像している真空管アンプの音
「ウォームで温かい音」「生々しい音」「全体感の強い鳴り方」が
そのまま、このぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプに当てはまった印象。

ウォームな音、というと
なんとなく「ドロドロした分解能の低い音」「鈍重」「篭った音」などと
想像されるかもしれません。

このぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプに関してはそんなことはなく、
薄い膜が張られたぬるま湯のような優しい出音を基調として
高い分解能、抜群の定位の良さを両立しており、
低価格帯の市販ヘッドホンアンプでは決して出せないであろう
高次元の音が味わえます。

特にボーカルの声の生々しさと定位の良さは特筆すべき点で、
ボーカル位置はグッと低めに口元から聴こえてくる印象。

音場の広がりに関しては特別広くはなく、
平均的、といった印象。
この辺りは上流の影響が大きいのか、
またはこのぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプ(12v)の上位にあたる
100V版、またはバランス型アンプでは違った印象になりそうな予感がします。



このぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプの音は
今の僕の好みと完全に一致しており、
「やっと理想のヘッドホンアンプが見つかった!」というのが僕の正直な感想。

この後、
僕の狭い部屋に設置スペースが確保出来なかったこともあり、
僕が組み上げた「ぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプ」「Leijine A496」以外の
ヘッドホンアンプのうち、一部を残して処分しました。

やはり、自分で組み上げたアンプには特別な愛着が湧くし、
「良い音に聴こえる思い込み」もたっぷり得られます。
オーディオは自己満足の世界ですから、こういう満足の仕方があったんだなあ…と
改めて目から鱗が落ちる思いです。

2012.08.22

【Leijine A496plus type1 Headphone Amplifier】ファーストインプレ&ポータブルアンプ基板到着の話

まうまうが先日製作した、
LeijineのA496plus type1ヘッドホンアンプです。



まうまうの製作レポートはこちら
【Leijine A496plus type1 Headphone Amplifier】製作レポート

このヘッドホンアンプ基板の仕様については、
Leijine公式ページにてご確認ください。

A496plus type1のキットは24VのACアダプタを電源とするため、
トランス電源タイプのA496plus type2と比較し気軽に作れる点が魅力。
実際、据え置きアンプ初制作の僕にも問題なく作れました(うれしい)

ACアダプタは、秋月電子で購入した24V1.9AのACアダプタを使用しています。


あれから早速ヘッドホン・イヤホンで音楽を聴いてみました。
Leijine_A496_038.jpg
(ビジュアルだけは気に入っているヘッドホン、HD668B。)


…と、音質の前に、使い心地から。

まず、当機A496plus type1は
電源ON時には遅延リレーが働く事で、
また電源OFF時には回路の工夫により
ポップノイズが回避されるように設計されています。

実際にヘッドホンを挿したまま電源ON/OFFを繰り返しましたが
ポップ音は全く感じられません。これは嬉しい…!

He&Biさんによる当機の旧verのレビューでは
ポップノイズの件について触れていましたが、
今回製作したA496plus type1ではしっかり対策済みである事を確認できました。


また、ゲイン設定については
説明書通りの抵抗定数で製作した場合、
2倍の利得設定となるため、
低インピーダンスのイヤホンの音量調整も楽々できます。


それではいよいよ、音質につきまして。


オペアンプはマニュアルに従い、
DCサーボ部にOPA2134、音質を色濃く反映するという増幅部に
LME49720NAを採用しています。
Leijine_A496_027.jpg
Leijine_A496_028.jpg

試聴環境はPC⇢Musiland Monitor 01 USD⇢Muse TDA1543 NOS DAC⇢Leijine A496plus type1。
100時間ほど鳴らしています。



一聴して、癖のない音です。
クリアで少し固めの音で、余分な付帯音や味付けは感じられません。

音場の広がりは特別に広いとは思いませんが必要十分にて忠実、
分離が抜群、定位もしっかりしており
今まで他のヘッドホンアンプで差し替え聴いてきた
オペアンプLME49720NA、LM4562の音印象と同系統の音質イメージとなります。

他所でも評価されているように、
ただ音を増幅してヘッドホンに送るためだけの機械、といった感じで
特筆すべき個性や面白みが感じられないといった印象がありますが、
その分、上流のDACや下流のヘッドホンの音質変化を楽しめるアンプであるとも言えます。

現に、最初は「低音が強め」と感じたのですが、
これはMuse TDA1543 NOS DACの味付けが色濃く反映されている結果のようで、
この後、DACをウォーム音質なV-DACに変更したら
音印象が「やや柔らかめフラット」といった印象に変わりました。

また、ノイズが皆無です。
イヤホンやMDR-Z1000を接続しても
全くノイズが聴こえません。
(さすがにボリュームを最大まで回すと小さなホワイトノイズは入りますが)
僕が据え置きヘッドホンアンプ自作の際に最も心配していたのがノイズ混入なのですが
この静けさには本当に驚きました。
Leijineさんの設計技術の賜物と思います。


ドライブ能力について、
利得2倍という低めの設定にちょっと不安があったのですが、
LME49600の実力発揮といった所か、
インピーダンスの低いイヤホン、IE8から
インピーダンスの高いヘッドホン、K702まで
しっかり厚みのある音を聴かせてくれます。

ボリューム調整が非常にスムーズで、
イヤホンでは大体8~9時方向、
僕の手持ちで一番鳴らしづらいK702では10~11時方向あたりでちょうどいい音量。

ボリュームを奮発しアルプスのRK27にしたおかげか、
ギャングエラーもありません。

現段階で、
A496plus type1の製作にかかった費用から想定する
音質期待値を上回る、良いヘッドホンアンプであると、素直に思えます。

さらに、上記の音印象は
増幅部のオペアンプ「LME49720NA」の影響が大きいとのことで、
オペアンプ変更により様々な味付けや、
僕の好みの追求をすることが出来るわけで
今から楽しみすぎる…!

このような素晴らしい基板を頒布してくださった
Leijineさんに改めて感謝申し上げます。
作って良かった!





と、話は変わりまして。
僕がA496plus type1の製作にかかっている前後に
同じく6月末に予約していた、
Leijineさんの新作ポータブルアンプ基板が到着していました。
Leijine_PortableAmp_001.jpg
現段階で、正式に発売中です。


僕が注文したポータブルアンプ基板は二種類。

一つめは、
同社が取り扱っている
A47ヘッドホンアンプ回路の基板、「コンパクトヘッドフォンアンプ基板 」を
ポータブルアンプ用にリファインしたという
47Aptbl
Leijine_PortableAmp_002.jpg
オペアンプやコンデンサ類など
製作者の好きな物が使えるようにと、
設定度の自由度が高いというのが特徴の一つ。
ゲイン、バスブーストなどの設定も可能です。


二つめは、
スピーカー用アンプ向きのパワーIC、LM386を
ポータブルヘッドホンアンプ用として使えるように調整したという回路が実装されている
A386ptbl
Leijine_PortableAmp_003.jpg
こちらもゲイン、バスブーストなどの設定が可能。


このポータブルアンプの製作について、

Leijine公式にも記載されているように
秋月電子のポータブルアンプケースを使用することを想定して
作られているため、
特別なケース加工の必要がありません。

また基板だけの頒布となるため、
製作に必要な部品類は自分で買い揃えなければいけないのですが
国内の電子部品ショップだけで揃うパーツを使用することを想定して設計されているため
比較的気軽に自分が使いたいパーツを選択することが出来、
自分好みのアンプを作り上げていくという楽しみが得られると思います。

A496plus type1のマニュアルと同様、
上記ポータブルアンプ基板についても

・各パーツがそれぞれどのような働きをしているのか
・製作上の注意点
・各種設定方法

などが取扱説明書に記載されているため、親切かつ安心です。

表面実装部品などの細かいパーツも含まれていない事もあり、
初めてポータブルアンプを自作してみたい!という方にも
お勧めできそうな内容となっています。

1台作るのに7~8千円前後かかってしまう計算になるため、
気軽に…とはいきませんが。(ケースと基板が特に高い)



まずは、早ければ今週末にA386ptblの製作から
進めて行こうかと思います。
楽しみです!

2012.04.09

【NA6 Headphone amplifier】怪しいクローンアンプを見つけた

NA6”というヘッドホンアンプが我が家にやってきました。
勿論、廉価帯の中華アンプです。

NA6_b01

冴えない、地味な外見です。
高級感も無く、いかにも廉価帯にありがちな感じ。
NA6_b02

ライン入力のみ、シンプルな外見。
NA6_b03
電源は100-240V、DC24VのスイッチングアダプタによるDC入力です。
右から二番目に出っ張りがありますが、ケース内部でアースリードと繋がっています。

で、なんとこのアンプ、電源スイッチがありません。
通電したら駆動しっぱなし…。

なんてバブリーな仕様でしょうか。
僕は使わない時には電源を切りたいので、手元スイッチを使います。


ここまでいいところがまるでありませんが、
このアンプにはとある秘密が…。

なんとこのアンプ、Glaham Slee Solo SRGⅡのクローンアンプなのです。
過去に紹介したSMSL SAP-100は過去バージョンのクローンらしいですが
こちらは最新バージョンのものらしい、つい興味が出て…あああ。


早速中身を拝見…しようとしたのですが
ケースが上下はめ込み式になっており、背面側から引き出さねばならないようです。

で、背面パネルのネジを外して早速…と思ったら、何かが引っかかる。
どうやらRCAジャックにつながる内部配線が短くて、容易にケースが開けられないようになっています。

しかし僕はこれが見たくて買ったんだ…!と勢いに任せてケースを外してみた所…

(プチッ)

断線しました。や、やっちまった…

ひどい…ろくに聴いてないのに!(自己責任)


やってしまったものはしょうがないので、ともかく中身。
NA6_b04

本家Solo SRGⅡの中身と比較して、
ほぼ同じといっていいレベルで似ています。抵抗の色などに違いが見られますが。

使われているコンデンサの種類、容量も確認できる限り、クローン元と同一のようです。
NA6_b06

背面。こちらもそっくり。
NA6_b07

でも、気になる事が2つ。
1つはこのコンデンサ。
NA6_b08
一番大きいこのコンデンサだけ、なんだか薄汚い…。
中古のコンデンサかな…。

2つめは、付属のスイッチングアダプタが通電開始から数分間
内部でパチパチを異音を立てます。怖い!(少し経つとおさまる)

またRCAジャックにつながる配線がこんなに短く
僕のように中身を見ようとすると問答無用で断線する仕組みになっています。
好奇心がアンプを殺す…!
NA6_b05

音はあまり聴けていないのですが…
SAP-100と同様の特徴はやはりありました。

・ゲインが高い
・高能率のイヤホンなどで聴くと微小なヒスノイズ(ホワイトノイズ)が出る
・ボリューム最低域でギャングエラーあり

ノイズに関してはオペアンプ交換済のSAP-100よりは少ないですが
それでもイヤホンで聴きたい人にはオススメできないレベルです。
またゲインも相当に高く、
HD650で聴く場合、8時の位置にボリュームを回しただけで十分な音量が取れます。

これが本家Glaham Slee Soloにも共通する特長かどうかはわかりませんが…


次回は当機の修理など。

到着即アンプを壊してしまったまうまう。
ろくにハンダ付けした事がないまうまうは
まともに修理ができるのか!?


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