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2014.03.18

【Graham Slee Solo Ultra-Linear Diamond Edition】レビュー

昨年6月頃にGraham Slee Project公式で注文し個人輸入したヘッドホンアンプ、
Solo Ultra-Linear Diamond Editionについて書きます。

Graham Slee Projectとはイギリスのオーディオガレージメーカーで、
デスクトップ向けの小型アンプ類を主に製作し販売しています。
元々はスタジオモニター向けのアンプ類を製作していた方が立ち上げたブランドとの事。

国内ではあまり馴染みのないメーカーですが、中国をはじめとした海外では一定の知名度と人気があり、
欧州のオーディオ系イベントでGRADOやSennheiserブースのヘッドホンデモ用にGraham Sleeのヘッドホンアンプが採用されている実績があります。
また、過去にはSolo(旧ver)の中華クローンアンプ「SMSL SAP-100、SAP-3」あたりが国内で販売され、話題になったことがあります。
(※僕も2台のSOLOクローンアンプを手に入れましたが、どちらも当機と比較できるレベルではありませんでした…念のため)
solo_ul_de_029.jpg
僕が手に入れたSolo Ultra-Linear Diamond Editionは、
Graham Slee Projectがリリースしてきたヘッドホンアンプ、Soloシリーズの最新版で、
現在のフラッグシップモデルとなります。


仕様上の特徴としては、

・デスクトップ向けの小型ヘッドホンアンプ(W: 107mm x H: 50mm x D: 185mm)
・リニア安定化電源ユニット「PSU-1」と組み合わせて使用する電源+アンプ本体のセパレート構成
・入力はRCA2系統+ミュートスイッチ付きで、前面パネルのトグルスイッチで切り替え(ON-OFF-ON)
・ヘッドホンのインピーダンスに合わせたゲインコントロール機能(Headphone sensitivity volume control)
・低インピーダンスのインイヤーモニターにも対応している低ノイズ仕様


といったような内容で、汎用性の高さと普段使いの気軽さを重視している印象。
solo_ul_de_028.jpg
当機「Solo Ultra-Linear Diamond Edition」の名前の由来について。

開発者が「真空管アンプの音は素晴らしいが高価なので、もし真空管の特性を半導体で再現する事ができれば、良い音を安価で提供することが出来る」という考えのもと開発が行われ、
「真空管の特性を半導体で模倣した回路」のようなものを開発することに成功、
この回路は1940年代に生み出された画期的な真空管の「ウルトラリニア接続」にちなみ
「Ultra-Linearテクノロジー」と名づけられたそうです。

そして、この真空管模倣回路を使ったヘッドホンアンプがリリースされ
Ultra-LinearのSOLOということで、「Solo Ultra-Linear」という名前になりました。

その後、さらにリファインが行われ、
高感度のインイヤーモニター等にも対応できるようにさらなる低ノイズ化が図られた後継機種が
「Solo Ultra-Linear Diamond Edition」で、これが僕の手元にある機種となります。


真空管を模倣した回路を採用しているという売り文句に興味を惹かれたという点と、
Graham Sleeのポータブルヘッドホンアンプである「Voyager」の音がとても好きなので、据え置きの音も聴いてみたかった、という二点が主な購入動機です。


当機に電源スイッチは無く、
通電直後にポップノイズが発生するという悪い点があります。(ミュート状態で電源を入れれば防げるのですが)

公式では常時通電で使うことを推奨しており、
一年間通して使用し続けた電気代は18ポンド程度だそうなので
僕も、夏場以外は電源点けっぱなしにしています。
solo_ul_de_030.jpg
駆動は比較的エコなAB級駆動で、本体、電源ユニット共に発熱もなく、
LEDの光もごくささやかなもので、精神衛生的にも優しい仕様と言えます。


購入当時、僕の電子工作欲が制御不可能な程高まっていたので、
思わず電解コンデンサとケーブル類の総交換をしてしまったのですが、
余計な事をしてしまったかもしれません。
solo_ul_de_012.jpg
購入後、Panasonicのオーディオ用コンデンサとルビコンの低ESRコンデンサに交換しています。
solo_ul_de_022.jpg


Solo Ultra-Linear Diamond Editionの音について。

当機は広い音場感と高い分解能を両立した美音系のヘッドホンアンプで、
聴き疲れの少なさを意識した、わずかな味付けが感じられます。


音のバランスについて、
ヘッドホンの個性を殺さないニュートラルさがあり、
聴感上の色付けは非常に少なく、偏りのないフラットな傾向ですが
前段のDACの影響を強く受け、組み合わせにより大きく印象が変わります。

ウォームな味付けのDACを用意すれば、欧州アンプらしい滑らかさと温かさを感じる印象ですが、
モニター的な味付けの少ないDACを用意すれば、尖った音は痛くない程度に抑えられつつ、透明感のあるさわやかな音となる印象。
長い間当機の音傾向が掴みづらく、なかなかレビューが書けなかった理由の一つです。


どんな環境にせよ、
「広い音場感」
「上品な音」
「高音も良く伸びるけど、ギリギリの所で刺さらない」
「音の押し出しが控えめ」

という個性が残り、聴き疲れの無さ、ストレスの無さを意識したチューニングがされている印象。

上記のような味付けから、どんな音源も粗をマスクして上品に聴かせてしまうという傾向があり、
僕の手持ちのヘッドホンに例えると、AKGのK702(K701)の音のイメージにそのまま当てはまる印象。

これはそのまま弱点とも取ることができ、
力強さや勢いが不足しており、荒々しく激しい表現が苦手と言えます。


ヘッドホンとのマッチングについては特に機種を選ばない印象で、
600ΩのヘッドホンDT880 E/600から16ΩのイヤホンSennheiser IE8まで、
機種を選ばずストレスなく使うことができます。
詳しい仕組みはわからないのですが、インピーダンスマッチングの機能が働いていて、
どんな機器でも9時前後の位置で丁度良い音量となるように設定されています。

ボリュームはアルプスの汎用品が使われていますが
選別されているらしく、最小位置近辺でもギャングエラーがありません。
高能率のイヤホンで聴いてみるとボリューム最小位置でもわずかに音が聴こえるので、補正抵抗が入っているのかもしれません。(ヘッドホン出力部のすぐそば、L+GND、R+GNDの間に抵抗が入っているのですが、これかな?)

イヤホンにも対応しているという公式の説明は伊達ではなく、
僕の手持ちで最もノイズを拾いやすいアルティメットイヤーズのTF10を接続し、ボリュームを思いっきり上げてもノイズが聴こえません。
今まで多くのヘッドホンアンプの音を聴いてきましたが、ノイズの少なさという点において並ぶものがありません。


購入当初、Solo Ultra-Linear Diamond Editionには唯一無二の個性的な濃い音を期待していたので
最初に音を聴いた時の普通っぽさ、特徴の薄さにはガッカリさせられました。

しかし、当機を一週間ほど使い続けた後、元々愛用していたヘッドホンアンプに戻してみたら
音の広がりが欠けており、団子状になって聴こえたり、
定位がうわずり気味で不明瞭だったりと、それまで気にならなかったことが気になるようになってしまいました。

人の耳は贅沢なもので、
音のグレードアップには気付きにくく、音のグレードダウンには敏感という性質があるというのは自覚してましたが、ここまでとは…。

現在、当機は僕のリファレンスヘッドホンアンプとなっています。
特に、とても広い音場表現、透明感がありつつも適度に刺激を排除した音傾向に由来する聴き疲れの無さと爽やかさが心地よく、お気に入りです。

僕が注文した当時のレートでは8万円弱の価格でしたが、
2014年3月現在、Graham Slee公式による値上げや、円安と英ポンド高の影響で10万円前後となってしまい
なかなか人に勧めづらい状況になってしまったのは残念です。
solo_ul_de_026.jpg
同価格帯、10万円前後の製品で当機より優れた性能を持つアンプは勿論あると思いますが、
「音の良い小型据え置きヘッドホンアンプ」というのは相当に限られていて、
僕のように「設置スペースに余裕がないけど音に妥協したくない…」という考えの方には一考の価値がある製品だと思います。
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