2012.10.02

【AMB Labs Mini3 Portabe Headphone Amplifier】レビュー

製作レポートから大分間が開いてしまいました。
9月上旬に製作したAMB LABSのポータブルアンプキット、MINI3です。
amb_mini3_023.jpg
■MINI3製作レポート0:準備編■
■MINI3製作レポート1:失敗編■
■MINI3製作レポート2:挫折編■
■MINI3製作レポート3:リベンジ編■

上記の通り、最初のMINI3の製作に失敗してしまい
一時期、落ち込んでしまったのですが…。

その後いくつかのアンプキット製作と、SOIC半田付け経験を経て
半田ごてを扱う最低限の技術を得た後、再製作に挑戦し、
元々、アンプキットDIY経験を始めようと思い立った時の目標であった
念願のMINI3製作が無事に成功したので、
一つの大きな目標をクリアできた感じ。

そんなわけで、僕の所有満足感はとても高いです。




さておき、MINI3の紹介です。

ご覧の通り、クレジットカードサイズの小さなポータブルアンプです。
同じく僕が使用している、
小さなiPod nano4thとの組み合わせがぴったりで、いい感じ。
amb_mini3_036.jpg

MINI3で使用推奨されているハモンドのアルミケースは
MH AUDIOのHA-1やJust AudioのµHA-120など、
一部のガレージメーカーのポータブルアンプケースとしても採用されているようで、
前後面パネルのプラスチック部分がアクセントになっていることも含め、
質感とデザインが良い仕上がりです。
amb_mini3_031.jpg
(シルバーとブラックの二色展開で、前後面にアルミパネルがついているタイプと、ついていないタイプがあります。)

実用面では、僕が「ゲイン2倍」「Aカーブボリューム」を採用したことにより
非常に音量調整がしやすく、ギャングエラーや音量調整のしづらさとは無縁です。
電源投入時のポップノイズや、駆動中のホワイトノイズも無く、
ストレス無く音楽を楽しめます。

このMINI3は、半田付けするオペアンプの選択により、
OPA690IDとAD8397ARDZを使用した「high performance edition」
LMH6642MAとLMH6643MAを使用した「extended runtime edition」の
二種類の仕様を選ぶことが出来ます。
前者は駆動時間を犠牲することにより高音質を実現。
後者はは音質を少し犠牲にすることにより、長時間駆動を実現。
といった感じ…らしい。

やはりポータブルアンプのような「あってもなくてもいいもの」を使うからには
わかりやすく効果が実感できるほうがいい!という考えの人が圧倒的のようで、
僕も音質優先の「high performance edition」で製作しています。

よって、250mAhのニッケル水素電池を使用した
MINI3の駆動時間は、およそ6~8時間程度となります。
短めのランタイムにつき、こまめに充電する必要があります。

充電については、
背面にDCアダプタプラグを差し込んで放っておくだけで充電してくれます。

(ただし充電完了のお知らせはしてくれないのですが…)
amb_mini3_033.jpg
三端子レギュレーターのLM317Lを使用した電圧回路により、
16mAの出力で充電が進む仕組みです。

僕が使用しているニッケル水素電池の容量は250mAhなので
使いきった電池を満充電するために必要な時間は、
250÷16=15時間程度となります。

実際には電池が空になる前にmini3が動作しなくなると思うので、もう少し早いはずだけど…。

いかにも充電時間が長く感じられますが、
電池を痛める事無く、また多少の過充電でも不具合が発生しないように、
誰が製作しても安全に取り扱えるようにと、調整されているものと思われます。

ネジを回して電池を取り出すような面倒がないというのは想像以上に僕の中で大きく、
毎日帰ってきたら充電する、というサイクルを繰り返すことにより
ランタイムの短さは特に気にならない感じ。

気軽に扱える分、こまめに持ち出したくなります。


肝心の音質について。

イヤホンはIE8、ImageX10、10PRO、hf5あたりでローテーションで聴いてます。

低音寄りのちょっとドンシャリ…と言った印象で、
JDSのCmoyBBなど、CMOYアンプと同類の「元気が良く、分厚い音が出る」印象です。


しかし、聴きこんでみると、
確実にCMOYアンプより格上の音質であると実感できます。

特に、低音に大きな差が感じられ、
ゆるめでフワフワした印象のCMOYアンプの低音に対し、
弾力と制動感があり、腰を下ろしたような安定した低域が得られるMINI3…と言った印象。

ボーカルは若干弱いようで、若干遠い印象があります。
僕は主にテクノ・エレクトロニカを中心にインストミュージックばかりを聴くため、
このあたりは弱点と感じないのですが…。

高音も、CMOYアンプと比較すると若干明瞭ですが、
透明感のあるタイプの音質ではないので
地味に感じるかもしれません。

全体的に制動感のある音のイメージのためか、
音場の広がりはいまいちで、
やや脳内定位が気になる点は否めません。


まとめると、
味付け多めで、聴覚的に「楽しく、ノレる音」が出るように調整してある印象です。
美音系ではないです。

さすがにハイエンド帯のポータブルアンプと比較すると
粗が見えてくる所でしょうが、
DAP直挿しと比較し、音質向上が直感的にわかりやすいという点と、
自分でDIYをすることにより達成感が得られるという点、
気軽に使える小ささと充電のしやすさなどが嬉しく、
数多く存在するポータブルアンプDIYキットの中で、
トップクラスのベストセラーになっている理由が
実際に作ってみて、理解出来た感があります。


このMINI3は、制作費がそれほどかからない割に
ポータブルアンプに期待する項目

・小ささ
・質感の良さ
・使いやすさ
・音質

のバランスが高い水準で保たれていると感じます。


以上の事から、
MINI3のDIYは「お勧め」できるのですが、
初めて半田ごてを手にする方が製作しようと思い立った場合、
SOICの半田付け、電池スナップの調整、
逆接続に非常に弱く、最悪、火事の原因になるかもしれないタンタルコンデンサの使用、
DCアダプタ接続による充電回路の半田付け、など、
初めてのDIY対象としては危険そうなポイントが沢山あります。

僕のように泣きたくなければ、まずは他の簡単なアンプキットや
SOIC⇢DIP変換基板の半田付けなどを経験し、
最低限の下積みをしてから本制作に移る事をお勧めします。

また、このmini3には
600mAhのリチウムポリマーバッテリー2個を使用することによって
high performance editionで20時間以上のランタイムを得ることが出来、
充電時間も短くて済むようになるという
χ1 Battery Management Boardというオプションのプロジェクトがあります。

しかし、取り扱いがデリケートなリチウムポリマー電池を扱った回路の
素人工作は少々リスクが大きすぎる…と思います。
工作慣れしている人以外は手を出さないほうが良さそう。
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