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2013.02.11

【Meier Audio Porta CordaⅢ USB】二台目製作 ~恐怖のオフセットの巻~

去年に組み上げたJDS LabsのCmoyミント缶ポータブルアンプ、
cMoyBB v2.03Rは非常にシンプルな回路のCmoyアンプですが、
見た目のシンプルさからは想像できないほどの良い音が聴ける点、
過剰になり過ぎない程度に低音を持ち上げてくれるバスブースト機能と
電池を交換せずに、ACアダプタのプラグを差し込むだけで電池の充電が可能な気軽さがうれしく、
チープなミント缶のビジュアルもなかなかツボで、
それなりに出番が多く、気に入って使ってます。
JDS-Cmoybb_008.jpg
当機はオペアンプ一個で駆動しているポータブルアンプなので、
このオペアンプを変更することである程度の音質変化が期待でき
定期的にオペアンプローリングをしたくなるのですが、
このCmoyBBは音声出力側のミニジャックに3.5mmステレオミニプラグを差し込まないと通電しない仕組みとなっており、
オペアンプ差し替えのたびにミント缶から基板を取り出し、
基板裏の出力部にテスターを当ててオフセット測定するのが手間と感じていました。

しかし、先日、突如アイデアがひらめき、
このように両端オスのステレオプラグがついたケーブルを用意すれば、
いちいちアンプのケースを開けずともオフセットの測定ができるということに気付いてしまいました。
130211_001.jpg
何故今までこれに気付かなかったんだろう…。

ともあれ、全てのアンプのオフセットが簡単に測定できるようになって、
自作したアンプのオフセット定期チェックが気軽に出来るようになりました。

これを機に、僕が組み上げた全てのヘッドホンアンプの出力部を再測定してみたところ、
なんと、PortacordaⅢ USBから12mVのオフセットが出ている事が判明しました。
portacorda_027.jpg
何故気付かなかったんだ…

一般的にヘッドホンアンプのオフセット許容値は5mvまで、と言われていますが
許容値を大幅に超える直流漏れが発生している事に気付かず、何ヶ月も使用していたという事実に恐怖。


よく今までイヤホンが壊れなかったな…と思いましたが、
詳しい方に聞いて見た所、
実際はこの程度のオフセットならば、
まだヘッドホン・イヤホンを壊すほどではないらしく、それほど深刻な問題ではなさそう…ということがわかりました。
(いつもありがとうございます)

ちなみに、僕が所有していたBCLクローンヘッドホンアンプ、
LovelyCubePlemiumも10mv程度のオフセットが発生していたので、ギリギリ安全圏なのかな…?とは思いますが。

オフセットの発生には色々な要因がありますが、
今回の件に関しては
使用しているオペアンプの「入力オフセット値」が大きく関わっているようです。

僕がPortacordaⅢ USBに実装したオペアンプは「LM6171BIM」。
portacorda_035.jpg
このオペアンプのデータシートに書かれている入力オフセット値は「6~8mv」となっており、
他の一般的なオーディオ用オペアンプと比較しても非常に高い値となっている事がわかりました。
(例えば、秋月電子などで売られているOPA2134PAは2mv程度です)

この値が低いオペアンプほど、オフセットも小さく抑えられ、安全に使える…らしい。
(オペアンプの動作条件や発振の問題もあるので、一括りにはできませんが)

このオペアンプについて再確認してみたところ、
同じLM6171のSOICパッケージでも「LM6171AIM」「LM6171BIM」の二種類があり、それぞれ入力オフセットの値が「3~5mv」「6~8mv」となっていました。
AIMのほうが選別品なのかな?

よって、まずは憎きLM6171BIMを取り外すこととします。

まずはオペアンプの足を残して本体部をカッターで切り取り、
portacorda_036.jpg

ハンダ吸い取り線を当ててやると残った足もくっついてきて、
SOICの再実装が可能になりました。
portacorda_037.jpg

この後、オペアンプをLM6171AIMに変更してみたところ、
オフセットの値が「12mv」から、「8mv」に減りました。
しかし、大体データシート通りの変化ではあるものの、現状では使う気になれません。
僕の実装に問題があるか、仕様なのか…はわかりませんが。

ともあれ、安全圏といわれる5mv以内に抑えたい…。


そこでまうまう、博打に出ました。
部品は揃っていたので、2台目のPORTACORDAⅢ USBを製作。
portacorda_033.jpg
本当の2台目はPCM2704の実装に失敗してしまったため、
実質3台目の製作となります。
(キットを再注文しました。送料込みで2000円少々で2台分買えるので、ありがたい)
portacorda_034.jpg
少しずつ、SSOPのIC半田付けのコツがつかめてきたように思えます。

portacorda_039.jpg
Meier-Audioではオペアンプ「LM6171」を実装するように推奨しているのですが、
上記のように、大きめのオフセットが発生してしまいます。

そこで、スペックがLM6171に類似しており、入力オフセット値が少なく、またMeier-Audioのアンプの現行機種にも多く採用されているリリースの比較的新しいオペアンプ、
OPA209AIDを実装してみました。

OPA209AIDの入力オフセット値は150μV、つまり0.15mvという低さなので
このポータブルアンプのオフセット値がオペアンプ由来であるならば、
これで問題を解決できるはず。
portacorda_038.jpg

そして、この状態でチェックをしてみたところ、オフセット0mv、発振音も聴こえず、
肝心の音質も上々!(と思える)と、最高の結果が得られました。
や、やったぞ!



左が1号機、右が2号機です。
portacorda_041.jpg
1号機との音の違いを確かめたい所ですが、
LM6171を実装した1号機は、もう使いたくない…

1号機製作の際、ほとんどの予備パーツを用意していたので
フィルムコンデンサ属を買い足す程度で再製作が可能でした。(安く作れて良かった)
portacorda_040.jpg
前回との違いは、0.068ufのPPコンをVISHAY/BCのMKP416、0.22ufの積層フィルムをPanasonicのECQV、
スチロールコンデンサをXICONのアキャシャルリード品を使い、
3.5mmミニジャックを、マル信無線からSwitchCraft製に変更し、
LEDを紫から赤色に変更。
portacorda_042.jpg
というわけで、このPortacordaⅢ USBの製作を考えている方は
オペアンプの変更を視野に入れたほうが良い…と思います。

ともあれ自分の手で、安全に使えるPortaCordaⅢ USBの再製作に成功したことで
当機にますます愛着が湧きました。
この手探り感がたまらん…!


また今回の製作ついでに、一緒に買っておいたOPA209の2回路品、OPA2209と
OPA2134の後継機種らしい?FET入力オペアンプのOPA1642のSOICをDIP変換しました。
130211_002.jpg
OPA1642は消費電流1.8mv、OPA2209は消費電流2.5mvという低消費。
どちらも±2.25vからの動作電圧を保証していることから、
ポータブルアンプに使用するオペアンプに最適と言えます。

しかし、OPA1642をCmoyアンプに載せると発振してしまうようで、
当てが外れてしまいました。(CmoyBBに使う予定でした)

反面、OPA2209は今のところ、どのアンプに使用しても安定動作してくれて、非常に優秀と感じます。
バイポーラ入力タイプなのでCmoyアンプには使えないと思うのですが、
オフセットが0mvで聴感的にも問題ない…というのは安全と捉えていいのだろうか。
こちらは、今のところLeijineのA47ポータブルアンプ、47Aptblのボルテージフォロワとして使用しています。


今回の件で、オペアンプに求めるべき性能やデータシートの正しい見方について、
理解が深まった感があります。

そして、やはり電子回路の基礎について学ばねば進歩がないな…とも感じています。
まだまだ面白い事がいっぱい学べそうで、オーディオの海は広いなあ…。
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