2015.11.22
Audio Alchemy「Dac-in-the-box」レストア
約20年前のコンパクトなDAC、「Dac-in-the-box」。
オークションで安く手に入れることができました。(中古品)
米国のオーディオメーカーAudio Alchemyは
安価ながら音の良い製品を作るという事で
一定の評価を得ていたらしい。
2015年現在もCD規格(16bit/44.1kHz)は主流なので、
USB-DDCを通せば僕の環境で使うことができます。
実用にあたって、
容量抜けが進んでいると思われるDAC本体の電解コンデンサを全交換、
リフローで熱をかけすぎてしまった影響と思われる型崩れのフィルムコンデンサを交換、
ついでにRCAの出入力端子を交換して、リフレッシュ。
基板の一部に傷が付いてるのは、ケースから取り出すために手を尽くした結果。
ケース内径に対して基板が大きすぎたようで、内部で基板がたわんでいるほどでした。
(どうやって基板を入れたんだろう…?)
電源は±12VのDC出力を持つACアダプタ。
3.5mmステレオミニプラグで接続するという珍しい仕様。
DAC本体に保護ダイオードが入っているものの、
電源プラグを少し引っ張っただけで極性が反転する仕様にリスクを感じます。
(この仕様が原因で故障が頻発したとか)
ネット上で回路図とレストア例が公開されていた
別売りのグレードアップ用電源「Power Station ONE」を参考に電源ユニットを自作。
シンプルな整流回路で、安定化はDAC本体のレギュレーターで行っているようです。
少し欲張って、コンデンサ容量を増量しています。
接続ケーブルはHA16と同様、切り売りのVCTF線を加工して製作。
スイッチも追加して、使いやすさUP。
アンプを経由してスピーカー環境で音出ししてみると
古い製品は性能が低い…というイメージが一発で払拭される第一印象の良さ。
腰の座った低域、熱気を感じる大人のサウンド、僕好みです。
今まで聴いてきたDACの中では、Musical FidelityのV-DACに近いイメージ。
HEGEL HD10やCHORD QUTE HDあたりと比較してしまうと物足りない所があるのも事実ですが、
とても古いローエンドクラスの製品がこんなに心地よく鳴ってくれるのか…というカルチャーショック、嬉しい驚きがありました。
分解能は決して高いとは言えないし、
歪み率などの特性も現代の機器より劣っているのだと思いますが
直感的に「いい音だな」と思えるようなツボをしっかり抑えた音作り、
物量や新しさだけでは型にはめられない
プロのオーディオメーカーの仕事というものを再確認させられました。
オークションで安く手に入れることができました。(中古品)
米国のオーディオメーカーAudio Alchemyは
安価ながら音の良い製品を作るという事で
一定の評価を得ていたらしい。
2015年現在もCD規格(16bit/44.1kHz)は主流なので、
USB-DDCを通せば僕の環境で使うことができます。
実用にあたって、
容量抜けが進んでいると思われるDAC本体の電解コンデンサを全交換、
リフローで熱をかけすぎてしまった影響と思われる型崩れのフィルムコンデンサを交換、
ついでにRCAの出入力端子を交換して、リフレッシュ。
基板の一部に傷が付いてるのは、ケースから取り出すために手を尽くした結果。
ケース内径に対して基板が大きすぎたようで、内部で基板がたわんでいるほどでした。
(どうやって基板を入れたんだろう…?)
電源は±12VのDC出力を持つACアダプタ。
3.5mmステレオミニプラグで接続するという珍しい仕様。
DAC本体に保護ダイオードが入っているものの、
電源プラグを少し引っ張っただけで極性が反転する仕様にリスクを感じます。
(この仕様が原因で故障が頻発したとか)
ネット上で回路図とレストア例が公開されていた
別売りのグレードアップ用電源「Power Station ONE」を参考に電源ユニットを自作。
シンプルな整流回路で、安定化はDAC本体のレギュレーターで行っているようです。
少し欲張って、コンデンサ容量を増量しています。
接続ケーブルはHA16と同様、切り売りのVCTF線を加工して製作。
スイッチも追加して、使いやすさUP。
アンプを経由してスピーカー環境で音出ししてみると
古い製品は性能が低い…というイメージが一発で払拭される第一印象の良さ。
腰の座った低域、熱気を感じる大人のサウンド、僕好みです。
今まで聴いてきたDACの中では、Musical FidelityのV-DACに近いイメージ。
HEGEL HD10やCHORD QUTE HDあたりと比較してしまうと物足りない所があるのも事実ですが、
とても古いローエンドクラスの製品がこんなに心地よく鳴ってくれるのか…というカルチャーショック、嬉しい驚きがありました。
分解能は決して高いとは言えないし、
歪み率などの特性も現代の機器より劣っているのだと思いますが
直感的に「いい音だな」と思えるようなツボをしっかり抑えた音作り、
物量や新しさだけでは型にはめられない
プロのオーディオメーカーの仕事というものを再確認させられました。
スポンサーサイト
2015.05.30
Chord Qute HD用電源製作
毎度おなじみAMB Labsで個人輸入した電源基板
「SIGMA11」の3台目を製作しました。
今回はChordのパルスアレイDAC
「Qute HD」の強化電源として使いたいので、12V2Aの仕様。
Qute HDに付属しているスイッチングACアダプタの仕様は
12V0.6A DC出力の単電源なので、
表題のSIGMA11に限らず、
同様の条件を満たすDC電源があれば、そのまま置き換え可能です。
※この手の需要を見込んだ様々なガレージメーカーが、
ACアダプタと交換できるアナログ電源ユニットを販売しています。
僕がSIGMA11を気に入ってるところは
MOS-FETを使った電源回路の特徴らしい「ソフトスタート機能」。
電源投入時に極端な渦電流が流れないようになっているので、
安全装置が誤動作するリスクやポップノイズの軽減が期待でき、
トラブルが起こりづらそうな安心感があります。
(電源投入時にLEDが「ジワッ」と光るのも格好良い)
地味にSIGMA11の部品表一覧がアップデートされており、
従来比でキャパシタ容量が1.35倍程度に増えていました。
数時間の動作チェックを行い
安定した電圧が得られることが確認できたので、
早速QUTE HDと組み合わせて、音出しをしてみました。
電源を交換した直後、
「QUTE HDが覚醒した」と思えるような激変が!
…などという都合の良いことは起こらず、
「なんとなく良くなったような…?」程度の感覚。
おそらくブラインドテストをやっても当てられないと思います。
QUTE HD本体に電源レギュレーターやインダクタが入っていることから予想できましたが、
スイッチング電源で十分に性能が出せる回路構成になっているのだと思います。
実用面では電源スイッチの追加で使い勝手が良くなり、
従来比でグレードアップしているであろうという確信もあり、
作って良かった!という満足感は得られました。
「オーディオは電源が大事」と言われますが
お金をかければかけるほど良いという単純なお話ではなく、
ちょっとやそっとでは性能が劣化しない回路設計が大事、
という見方もあることを、あらためて意識させられます。
「SIGMA11」の3台目を製作しました。
今回はChordのパルスアレイDAC
「Qute HD」の強化電源として使いたいので、12V2Aの仕様。
Qute HDに付属しているスイッチングACアダプタの仕様は
12V0.6A DC出力の単電源なので、
表題のSIGMA11に限らず、
同様の条件を満たすDC電源があれば、そのまま置き換え可能です。
※この手の需要を見込んだ様々なガレージメーカーが、
ACアダプタと交換できるアナログ電源ユニットを販売しています。
僕がSIGMA11を気に入ってるところは
MOS-FETを使った電源回路の特徴らしい「ソフトスタート機能」。
電源投入時に極端な渦電流が流れないようになっているので、
安全装置が誤動作するリスクやポップノイズの軽減が期待でき、
トラブルが起こりづらそうな安心感があります。
(電源投入時にLEDが「ジワッ」と光るのも格好良い)
地味にSIGMA11の部品表一覧がアップデートされており、
従来比でキャパシタ容量が1.35倍程度に増えていました。
数時間の動作チェックを行い
安定した電圧が得られることが確認できたので、
早速QUTE HDと組み合わせて、音出しをしてみました。
電源を交換した直後、
「QUTE HDが覚醒した」と思えるような激変が!
…などという都合の良いことは起こらず、
「なんとなく良くなったような…?」程度の感覚。
おそらくブラインドテストをやっても当てられないと思います。
QUTE HD本体に電源レギュレーターやインダクタが入っていることから予想できましたが、
スイッチング電源で十分に性能が出せる回路構成になっているのだと思います。
実用面では電源スイッチの追加で使い勝手が良くなり、
従来比でグレードアップしているであろうという確信もあり、
作って良かった!という満足感は得られました。
「オーディオは電源が大事」と言われますが
お金をかければかけるほど良いという単純なお話ではなく、
ちょっとやそっとでは性能が劣化しない回路設計が大事、
という見方もあることを、あらためて意識させられます。
2015.04.29
ChordのパルスアレイDAC Qute HDを購入
英国のオーディオメーカー Chordの小型USB-DAC、
Qute HD(中古品)を手に入れました。
当機の特徴は
FPGAを使った独自設計の「パルスアレイDAC」を採用しているという点で、
出来合いのDAC-ICを使わずにデジタル周りの処理を行う
デジタル版のディスクリート回路…に相当する技術らしい。
FPGAのプログラムにあたり専門の知識と技術力は必須ですが、
多くのユーザーに受け入れられる「良い音」を目指す民生用オーディオ機器の設計となると、
音作りの経験やセンスに基づいた、数値だけに囚われない感性も重要と思われます。
当機Qute HDは、
同社のハイエンド機に使われている技術を
小型化&簡素化することで価格を抑えた戦略的商品という立ち位置で話題をよび、
国内外で高い評価を得ているようです。
DSDのネイティブ再生に対応しているのが売りの一つですが、
僕は該当の音源を持っていないので…(宝の持ち腐れ)
中身を拝見。
実売価格に見合わない、かなり簡素な実装に見えます。
心臓部のFPGA。
デジタル周りの処理の大部分を賄っているそうです。
電源デカップリングに使われていた唯一のリードパッケージ電解コンデンサ、PanasonicのMシリーズ(標準品)。
電源レギュレーターLM317がケースにマウントされていて、
ケースが放熱機の役目を兼ねているようです。
アルミケースに触ってみると、体感で「気温+15℃」くらいの発熱があるので、夏場はアツアツになりそう。
電源は、いかにも頼りない、フツーの小型スイッチングACアダプター。
音出しにあたって、「ぺるけ式トランスUSB-DAC」のデジタルアウトを経由し、
光デジタル入力端子に接続し、スピーカー環境で試してみました。
※サンプルレート16bit/44kHzの音源再生時の赤い光
一聴して高出力で、ウォーム系で温かみのある第一印象だけど鮮明でもあり、
「低音から高音まで前に出てくるのにうるさくない」
「音場が広く定位も把握しやすい」という
今までに聴いた事がないような音。
僕が今まで使ってきたDACの中でも特にインパクトが強く、
価格とスペックだけの評価ではない、
聴感的にも優れたDACであることが理解できます。
手持ちのHEGEL HD10と比較すると音場表現の違いが大きく、
定位が近く、生々しいライブ感があり、低音から高音まで鮮明なQUTE HDに対し、
俯瞰的な表現で奥行きがあり、低音寄りで落ち着いた印象のHD10、といった印象。
わりと自己主張が強めなのに聴き疲れしないのが凄い所で、
僕の好みに合っています。
当機は2012年にリリースされた製品ですが
すでに2世代前の旧機種だったりします。
日本国内の販売価格はQute HDが13万円程度に対し
最新機種2Quteが22万円程度と幅がありますが、
いずれも欧州圏で990~995ポンドの固定価格で取り扱われていることから、
発売当時の「英ポンド/日本円」レートが国内価格に反映されていると思われ、
日本国内販売においては
「最も円高の時期に発売されたQute HDが一番お得」と考えることもできます。
Qute HDは片手で持てるほど小さなDACですが、
価格に見合った立派な音質と性能を持っている事がわかり、
コンパクトで高音質…な環境を目指している僕にとっても魅力的な製品と言えます。
当機の音が気に入ったので、
性能の底上げと使いやすさの向上を目指し、電源に手を加える事にしました。
次回に続く。
2014.07.22
ラトックシステムのオーディオ用ACアダプタ「RAL-AC05-03」を導入
ラトックシステムのオーディオ用スイッチングACアダプタRAL-AC05-03(5v DC出力 3A)を買いました。
例によって、今回も中古品です。
見た目は簡素なただのスイッチングアダプタですが、オーディオ向けに設計されており低ノイズで高品位な直流電源が得られるとの事。
大層なアナログ電源ユニットは大きくて場所を取りますが、スイッチング式のアダプタならば場所を取らず、発熱も少なく使いやすさバツグン。
汎用性の高いACアダプタなので、色々な機器に使えそうです。
なんだかんだで出番が少なかったAMB LABのγ2 DAC。
せっかく自作した機器なので出番を増やしてやろうと、専用電源として使うことにします。
γ2 DACにはUSB-DDC(16bit 44.1kHz~48kHz対応)の機能も付いているので、
環境を見直しメインUSB-DDC&サブDACとして使います。
まずは、γ2の電解コンデンサを交換。
思うことあって、
昨年秋に増量したカップリングコンデンサをまた交換して、やっぱり元の容量(470μF→22μF)に戻しました。
今回は、ELNAのオーディオ用電解コンデンサ、RFOを採用。
RAL-AC05-03のDCプラグサイズを確認してみたら国内機器向けの1.4mmサイズで、
1.3mm対応のγ2 DACには入らないことがわかりました。
そこで、DCプラグを切り落として、
1.3mmタイプのものに交換。
センター側の芯線が太すぎたので不要な銅線をむしったら、見た目が汚くなってしまった。
(※芯線を減らす事で最大電流許容量が減り、安全に取り出せる最大出力が少なくなります。ACアダプタ等でこのような調整を行う場合、接続機器の消費電流を必ず確認した上で作業を行ってください。)
これで使えるようになった。
γ2のコンパクトさが際立っています。
ちなみにこのγ2 DACの電源設定は「USB&DCセルフパワー兼用、両方感知したらDCセルフパワーを優先」という仕様で、いずれか専用に変更することもできます。
現在、PC→γ2(DDC)→HEGEL HD10(DAC)→M3(HPA&プリ)→ミニワッター(メイン)→PIEGA TS3(スピーカー)
という環境で聴いています。
上記の通り、γ2のDDC機能はサンプリングレート16bit 44.1kHz~48kHzまでしか対応していないのですが、
僕はハイレゾ音源を持っていないので、これで十分そう。
(γ2 もHD10もDAC内部でアップサンプリングしてからアナログ出力するという仕様なので、上流の影響が少ないのかも)
例によって、今回も中古品です。
見た目は簡素なただのスイッチングアダプタですが、オーディオ向けに設計されており低ノイズで高品位な直流電源が得られるとの事。
大層なアナログ電源ユニットは大きくて場所を取りますが、スイッチング式のアダプタならば場所を取らず、発熱も少なく使いやすさバツグン。
汎用性の高いACアダプタなので、色々な機器に使えそうです。
なんだかんだで出番が少なかったAMB LABのγ2 DAC。
せっかく自作した機器なので出番を増やしてやろうと、専用電源として使うことにします。
γ2 DACにはUSB-DDC(16bit 44.1kHz~48kHz対応)の機能も付いているので、
環境を見直しメインUSB-DDC&サブDACとして使います。
まずは、γ2の電解コンデンサを交換。
思うことあって、
昨年秋に増量したカップリングコンデンサをまた交換して、やっぱり元の容量(470μF→22μF)に戻しました。
今回は、ELNAのオーディオ用電解コンデンサ、RFOを採用。
RAL-AC05-03のDCプラグサイズを確認してみたら国内機器向けの1.4mmサイズで、
1.3mm対応のγ2 DACには入らないことがわかりました。
そこで、DCプラグを切り落として、
1.3mmタイプのものに交換。
センター側の芯線が太すぎたので不要な銅線をむしったら、見た目が汚くなってしまった。
(※芯線を減らす事で最大電流許容量が減り、安全に取り出せる最大出力が少なくなります。ACアダプタ等でこのような調整を行う場合、接続機器の消費電流を必ず確認した上で作業を行ってください。)
これで使えるようになった。
γ2のコンパクトさが際立っています。
ちなみにこのγ2 DACの電源設定は「USB&DCセルフパワー兼用、両方感知したらDCセルフパワーを優先」という仕様で、いずれか専用に変更することもできます。
現在、PC→γ2(DDC)→HEGEL HD10(DAC)→M3(HPA&プリ)→ミニワッター(メイン)→PIEGA TS3(スピーカー)
という環境で聴いています。
上記の通り、γ2のDDC機能はサンプリングレート16bit 44.1kHz~48kHzまでしか対応していないのですが、
僕はハイレゾ音源を持っていないので、これで十分そう。
(γ2 もHD10もDAC内部でアップサンプリングしてからアナログ出力するという仕様なので、上流の影響が少ないのかも)
2014.01.29
HEGELのD/Aコンバーター HD10を導入
北欧ノルウェーのオーディオメーカーHEGELのD/Aコンバーター、
HD10(中古品)を手に入れました。
代理店を通した日本国内メーカー希望価格は16万円ですが、海外では定価1200ドルくらいで取り扱われていたようです。
当機は現行ラインナップであるHD11の前機種に当たる古い生産終了製品ということもあり、
中古価格もこなれてきて、僕の手に届くようになりました。
国内でレビュー検索をすると
オーディオ屋さんのオススメ本命機種の当て馬にされている印象の記事が何件か見つかったり、
イマイチ注目されていない謎のメーカーという感じ。
本体の作りはしっかりしており頑丈そうですが、非常に無難かつ地味なデザインで、
特に言う事はありません。
それまで僕は
非常に音場が広くアナログ的な音が気に入っていたPS AudioのDigital LinkⅢをメインのDACとして愛用していたのですが、
狭い僕の部屋のPCオーディオ環境で使用するには奥行きが広すぎて置きづらかったので、
一回り小さな当機HD10と入れ替える形での導入。
(DLⅢは奥行き36cm、HD10は奥行き26cm)
当機HD10を購入するきっかけとなったのは
同じくHEGELのバスパワー専用USB-DACであるHD2…のクローンと思われる
上海問屋DN-84766の音がとても気に入ったためで、
これなら間違いないという確信がありました。
HEGELの製品は現地で組み立てられているらしく、ノルウェー製。
デジタル入力は光同軸1、光同軸2、光デジタル、USB、4種いずれかを前面パネルのボタンで切り替えて選択する仕様で、
基本的には光同軸が推奨されています。
アナログ出力はRCA、XLRの二種類で、同時出力可能。
裏面のゴム足はちょっと珍しい三点支持。
一次電圧切替のスライドスイッチもついてます。
中身ご開帳。
電源部はノイズフィルター付きインレット、トロイダルトランス、大容量のコンデンサなどが採用されており
真面目に作られている印象。
HD10の機能面について
背面に電源スイッチがあり、
フロントパネル中央の押しボタンで4種のデジタル入力「1:デジタル同軸1」「2:デジタル同軸2」「3:光デジタル」「4:USB」を切り替える事ができるというだけで、非常にシンプルです。
不満点は以下3つ。
1:電源スイッチが背面にあり操作しづらい(タップ側に手元スイッチを追加して電源管理してます)
2:電源を入れ直すとデジタル入力が「1:デジタル同軸1」に戻ってしまうので、
他の端子を接続しているときはいちいちボタンを押して再選択しなければいけない(1:デジタル同軸1を接続して問題回避しています)
※1と2合わせて、電源入れっぱなしの運用を想定しているのだと思います。
3:フロントパネルのLEDの光が結構明るく、もう少し暗くしてほしい(電気真っ暗にすると気になります)
HD10の音について
現在の接続方法は、スピーカーで聴くときは
「PC→Ral-2496UT1→HD10→AMB M3→ミニワッター→TS3」
ヘッドホンで聴くときは
「PC→Ral-2496UT1→HD10→AMB M3→ヘッドホン」
「PC→Ral-2496UT1→HD10→Graham Slee SOLO ULDE→ヘッドホン」
といった感じ。
HD10の第一印象は、いわゆる聴き疲れのないウォームサウンドというイメージで
湿度を感じるような柔らかさ、聴感的な心地よさが感じられます。
分解能はほどほどで、全体感を重視した音傾向といった印象。
やわらかめの低音を軸とした少しピラミッド寄りの音バランスで、
鮮やかというより「地味」と言わざるを得ませんが、
聴き疲れしない程度のさじ加減で押し出しの強さ、芯の強さがあり、
音場が広く、深い奥行き表現があり飽きさせません。
音楽ジャンルを選ばず何でも楽しく聴けると思いますが、
元気の良いロックやテクノなどと意外と親和性が高い…といった印象もあります。
それまで僕が愛用していたPS AUDIOのDLⅢと比較すると以下のような印象を受けました。
■音のバランス
DLⅢがちょっと高音寄りのかまぼこ…といった印象に対してHD10はやや低音より。
■音の質感
DLⅢが柔らかく広がるのに対し、HD10は芯が入った押出しの強さを感じます。
分解能はどちらもほどほどで、針を通すような高精度を重視したタイプではありません。
■音場表現
DLⅢは圧倒的な左右の広さを誇りますが、HD10と聴き比べると定位感が少し犠牲になっている印象もあります。
HD10は広さはDLⅢに劣りますが、奥行きを感じます。
双方の共通事項として、
・アナログ部で積極的な味付けをしている
・ウォームでソフトフォーカス寄りの音
・分解能よりも音場感重視
といった印象があり、
上記のような音傾向が好みであれば、どちらを買っても後悔しないと思います。
最後に、
気に入って使っていたDLⅢからの乗り換えということで若干の不安はありましたが、
HD10は想像以上に僕好みで、丁寧なプロの仕事というものを改めて実感させられました。
機能面で全く不満がないわけではありませんが、良い製品に出会えて嬉しいです。
■おまけ:PS AUDIO DLⅢの中身
HD10(中古品)を手に入れました。
代理店を通した日本国内メーカー希望価格は16万円ですが、海外では定価1200ドルくらいで取り扱われていたようです。
当機は現行ラインナップであるHD11の前機種に当たる古い生産終了製品ということもあり、
中古価格もこなれてきて、僕の手に届くようになりました。
国内でレビュー検索をすると
オーディオ屋さんのオススメ本命機種の当て馬にされている印象の記事が何件か見つかったり、
イマイチ注目されていない謎のメーカーという感じ。
本体の作りはしっかりしており頑丈そうですが、非常に無難かつ地味なデザインで、
特に言う事はありません。
それまで僕は
非常に音場が広くアナログ的な音が気に入っていたPS AudioのDigital LinkⅢをメインのDACとして愛用していたのですが、
狭い僕の部屋のPCオーディオ環境で使用するには奥行きが広すぎて置きづらかったので、
一回り小さな当機HD10と入れ替える形での導入。
(DLⅢは奥行き36cm、HD10は奥行き26cm)
当機HD10を購入するきっかけとなったのは
同じくHEGELのバスパワー専用USB-DACであるHD2…のクローンと思われる
上海問屋DN-84766の音がとても気に入ったためで、
これなら間違いないという確信がありました。
HEGELの製品は現地で組み立てられているらしく、ノルウェー製。
デジタル入力は光同軸1、光同軸2、光デジタル、USB、4種いずれかを前面パネルのボタンで切り替えて選択する仕様で、
基本的には光同軸が推奨されています。
アナログ出力はRCA、XLRの二種類で、同時出力可能。
裏面のゴム足はちょっと珍しい三点支持。
一次電圧切替のスライドスイッチもついてます。
中身ご開帳。
電源部はノイズフィルター付きインレット、トロイダルトランス、大容量のコンデンサなどが採用されており
真面目に作られている印象。
HD10の機能面について
背面に電源スイッチがあり、
フロントパネル中央の押しボタンで4種のデジタル入力「1:デジタル同軸1」「2:デジタル同軸2」「3:光デジタル」「4:USB」を切り替える事ができるというだけで、非常にシンプルです。
不満点は以下3つ。
1:電源スイッチが背面にあり操作しづらい(タップ側に手元スイッチを追加して電源管理してます)
2:電源を入れ直すとデジタル入力が「1:デジタル同軸1」に戻ってしまうので、
他の端子を接続しているときはいちいちボタンを押して再選択しなければいけない(1:デジタル同軸1を接続して問題回避しています)
※1と2合わせて、電源入れっぱなしの運用を想定しているのだと思います。
3:フロントパネルのLEDの光が結構明るく、もう少し暗くしてほしい(電気真っ暗にすると気になります)
HD10の音について
現在の接続方法は、スピーカーで聴くときは
「PC→Ral-2496UT1→HD10→AMB M3→ミニワッター→TS3」
ヘッドホンで聴くときは
「PC→Ral-2496UT1→HD10→AMB M3→ヘッドホン」
「PC→Ral-2496UT1→HD10→Graham Slee SOLO ULDE→ヘッドホン」
といった感じ。
HD10の第一印象は、いわゆる聴き疲れのないウォームサウンドというイメージで
湿度を感じるような柔らかさ、聴感的な心地よさが感じられます。
分解能はほどほどで、全体感を重視した音傾向といった印象。
やわらかめの低音を軸とした少しピラミッド寄りの音バランスで、
鮮やかというより「地味」と言わざるを得ませんが、
聴き疲れしない程度のさじ加減で押し出しの強さ、芯の強さがあり、
音場が広く、深い奥行き表現があり飽きさせません。
音楽ジャンルを選ばず何でも楽しく聴けると思いますが、
元気の良いロックやテクノなどと意外と親和性が高い…といった印象もあります。
それまで僕が愛用していたPS AUDIOのDLⅢと比較すると以下のような印象を受けました。
■音のバランス
DLⅢがちょっと高音寄りのかまぼこ…といった印象に対してHD10はやや低音より。
■音の質感
DLⅢが柔らかく広がるのに対し、HD10は芯が入った押出しの強さを感じます。
分解能はどちらもほどほどで、針を通すような高精度を重視したタイプではありません。
■音場表現
DLⅢは圧倒的な左右の広さを誇りますが、HD10と聴き比べると定位感が少し犠牲になっている印象もあります。
HD10は広さはDLⅢに劣りますが、奥行きを感じます。
双方の共通事項として、
・アナログ部で積極的な味付けをしている
・ウォームでソフトフォーカス寄りの音
・分解能よりも音場感重視
といった印象があり、
上記のような音傾向が好みであれば、どちらを買っても後悔しないと思います。
最後に、
気に入って使っていたDLⅢからの乗り換えということで若干の不安はありましたが、
HD10は想像以上に僕好みで、丁寧なプロの仕事というものを改めて実感させられました。
機能面で全く不満がないわけではありませんが、良い製品に出会えて嬉しいです。
■おまけ:PS AUDIO DLⅢの中身