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2015.01.06

ぺるけさんの「トランス式USB-DAC」LCフィルタ回路に差し替え

この灰色の物体は、
ぺるけ式トランスUSB-DACのLCフィルタ回路に推奨されている、
特注の2.7mHインダクタ。

情熱の真空管・ぺるけさんに部品頒布していただいたものです。


僕が組み上げたトランスDACはフィルタ回路を着脱式にしてあるので…
peruke_trans_dac_012.jpg
頒布部品を元に、差し替え用のLCフィルタ基板を作りました。
(ついでに出来の悪いCRフィルタ基板を作りなおし)
peruke_trans_dac_016.jpg
※この写真ではLCフィルタ基板に470Ωの抵抗が使われていますが、
トランス毎に推奨されている抵抗値が別々に設定されていることに事に気付き、
TpAs-2Sに推奨されている820Ωの抵抗に変更しています。

そして交換。
peruke_trans_dac_017.jpg
大人しく控えめながら独特の空気感があるCRフィルタ版から一転、
LCフィルタ版は一聴してすぐにわかるほど元気が良く、制動感が増しています。

特に低音に弾力が加わったような力強さがあり、
第一印象ではLCフィルタ版のほうが僕の好みに合っています。

それでも、CRフィルタ版同様の独特の雰囲気がこちらにも多少残っているようでもあり、
これがいわゆる「パーマロイコアトランスの音」なのかな…?

DIY系のDACには「性能は良いが、聴感的な部分を考慮していない」という偏見があったものの
このトランスDACはずっと聴いていたいような音楽的な魅力が感じられ、
もっと早く製作にチャレンジすべきだった…と、違う意味で後悔しています。

回路公開及び、部品を頒布していただいたぺるけさんに改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました!

Posted at 00:31 | DIY関連 | COM(0) | TB(0) |
2014.12.18

ぺるけさんの「かんたん(ポータブル)ヘッドホンアンプ」を作りました

情熱の真空管・ぺるけさんが公開しているポータブルヘッドホンアンプ作例
「かんたんヘッドホンアンプ」を作りました。

詳細は公式、
ぺるけさんのホームページの該当記事をご確認ください。

■充電式かんたんヘッドホン・アンプ
http://www.op316.com/tubes/toy-box/hpamp.htm


当機の特徴は片ch三石のトランジスタを使用した
ポータブル向けのシンプルなディスクリートヘッドホンアンプという点で、
ぺるけさんの原典ではバッテリーの充電機能も付いています。

製作にあたり、
ブログ「ヘッドホンアンプ備忘録」JJさんの作例を
参考にさせていただきました。

JJさんの作例はこちら
■【リスペクト】改訂版:かんたんヘッドホンアンプ完成
http://settembre21x.blogspot.jp/2014/11/blog-post_12.html


※同時にJJさんの「NJM2115」ヘッドホンアンプ製作準備を進めていたものの
最終的に 「回路に問題が発覚し、制作非推奨」となったため、こちらは諦めました(ざんねん)


以下、製作ダイジェスト。


ユニバーサル基板を使った回路実装は経験が浅く自信がありません。
特に、当機のようなミッチリ詰まった実装となると不安もひとしお。

そこで、失敗も想定に入れ、複数回チャレンジできる物量(選別済TR含む)を用意して望みましたが…
ありがたいことに一発で実装に成功しました。
peruke_phpa_000.jpg
わかりやすく丁寧な実装配線図を公開してくださる
JJさんに感謝しきり…。
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今回、ユニバーサル基板をカットする方法を理解しました。
(紙フェノール基板は意外と簡単に切れるんだなあ)
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メンテナンス性を重視し、
端子類はピンヘッダ接続の着脱式としています。
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実用にあたり
LEDのバイアス電圧を1.8V程度に調整する必要があり、
一番条件に近い1.78Vを示した手持ちのオレンジ色LEDを採用しました。
peruke_phpa_008.jpg
初段ドレイン抵抗(1.5kΩ)の両端電圧が2.9Vを示すよう半固定抵抗器で調整を行った後、
ケースに入れました。
お湯を注ぐ前のインスタントラーメンみたいな、
ミッチリした中身になってしまった。
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位置合わせや実装等、驚くほど完璧に決まって嬉しい。
peruke_phpa_011.jpg
このケースはタカチのバッテリー収納SP付きタイプ「GHA7-3-9DB」。
何かに使おうと思って衝動買いした死蔵品で、役に立って良かった。
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原典のぺるけさん作例では
非常にシンプルなバッテリー充電回路が付いているけれど、
見よう見まねで真似すると大変な目にあいそうなので、省略。
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背面から簡単にバッテリーを着脱できるので、運用でカバーします。
peruke_phpa_014.jpg
サイズ比較、
左からHA10mini、mini3、CmoyBB、かんたんヘッドホンアンプ(当機)
peruke_phpa_015.jpg
前面パネルに使える面積の都合上、どうしても幅に余裕がとれず、
手持ちで一番太いPAILICSとVIABLUEのステレオプラグを両方挿した時に実用に足る
ギリギリの所で位置調整をしています。
peruke_phpa_016.jpg


実際に通勤電車でカナルイヤホンと合わせて使用してみましたが
ローノイズかつ腰の座ったダイナミックな音で、
こんなに小さな実装基板から出ているとは思えないような凄みが感じられ、
素直に作って良かったと思えます。

難点は、
プラスチックケースを使用したため外部から来るノイズを拾うので
運用にちょっと気を使う必要があります。(スマートフォンと組み合わせるのは厳しい)

毎朝憂鬱なすし詰め通勤電車も、このアンプがあれば楽しみに…なって…くる…かも…。


僕のような素人が安全に楽しくDIYできるきっかけを用意してくださった
ぺるけさん、JJさんのご厚意に改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました!

Posted at 00:15 | DIY関連 | COM(2) | TB(0) |
2014.11.26

ぺるけさんの「トランス式USB DAC(CRフィルタ版)」を作りました

情熱の真空管・ぺるけさんが公開しているDAC作例
「AKI.DAC-U2704を使った トランス式USB DAC」を作りました。
peruke_trans_dac_006.jpg
詳細は公式、
ぺるけさんのホームページの該当記事をご確認ください。

■トランス式USB DAC
http://www.op316.com/tubes/lpcd/trans-dac.htm


以下、製作レポートです。


ぺるけさんのトランスDACの存在はずっと気になっていて、いつか作ってみたいと思っていたものの、
以下3つの懸念事項がありました。

1:配線図も無い回路を再現する自信がなかった
2:AKI-DACはUSB入力専用のDACで、他のDACと組み合わせられないのが不便
3:TAMRAのライントランスの価格の高さに加え、市場在庫も不安定、オークションも盛り上がっていて、品薄商法のような流れに辟易していた


これらの問題は以下のように解決したため、今こそ製作の頃合いと判断しました。

1(配線図のない回路実装)は、このくらいシンプルな回路であれば、僕でもなんとか理解できるし、再現できそうな自信がついた
2(機能拡張不可)は僕の理解不足でした。
AKI-DACはUSB入力専用のDACであることは間違いないものの、
アナログのライン出力の他に「S/PDIF出力端子」のスルーホールが用意されていて、
ここから適切な回路を加える事で、デジタル出力機能を追加することができるようです。
3(トランス品薄問題)は、2014年11月現在、概ね欲しい人に行き渡ったらしく供給も当時と比べ安定傾向、オークション等でそこそこ安く手に入れることも出来るようになりました。


製作にあたり、とことん僕に都合の良い仕様を設定しました。


「BTL入力のアンプを持っていないのでアンバランス(RCA)仕様」
「見栄えのよいUSB-B端子による入力」
「電源はUSBバスパワーと外部電源、いずれかを任意で選択可能」
「USB-DDC機能(同軸/光)追加」
「トランス前段のフィルタ回路の基板を着脱式とし、CRフィルタver、LCフィルタverを任意で切り替えられるようにする」


という、わがまま放題、てんこ盛りです。
こういうのを考え、実装や配置、部品選定を想像したりするのはとても楽しい。


まずは、製作にあたり心臓部となるライントランスを、オークションで入手しました。
111108_002.jpg
日本光電製、TPAS-2Sです。
TAMRAのものと仕様、サイズ、品名が一致しており
同一品のようです。

このライントランスを足がかりに、AKI-DACなどの基板部品実装。
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実装した基板をケースに入れて完成!(かなり端折りました)
全部込みで、18000円ほどの費用がかかりました。
peruke_trans_dac_006.jpg
作業はケース加工で1日、部品実装、各種配線で1日、
計二日間の作業。
peruke_trans_dac_007.jpg
二日目で完成を急いだあまり
配線の取り回しが若干雑になってしまった反省点…。
peruke_trans_dac_008.jpg



中身の解説。
PCに接続されたUSBケーブルからデータ信号と5V電源を受け取る
イトウ電子部品で購入した「USB2.0 対応フィルター基板」を経由し、
後段のAKI-DACに続きます。
peruke_trans_dac_009.jpg
基板には5Vの電源を取り出せるスルーホールがあり、ここから後述のDDC基板の電源供給の配線と、
外部電源入力用の配線を引き出しています。
青色のジャンパーピンを抜くことでUSBから供給された電源ラインが切り離されるので、
外部電源入力専用の仕様に変更することができます。

この基板は完成品で、
最初からフェライトビーズインダクタやフィルムコンデンサ等の部品が実装されていました。
peruke_trans_dac_002.jpg
C1、C3は未実装になっていたので、部品箱をあさり、
隣り合ったフィルムコンデンサと同一の製品「ECPU 16V 1μF」を追加実装しています。

USB基板を経て、AKI-DACに続きます。
peruke_trans_dac_010.jpg
ブロックターミナルを実装する部分の穴がスカスカすぎて、ずれてしまった…
(ぺるけさんの作例を元に、リード線を2本差し込んでぐらつかないようにしています)
peruke_trans_dac_011.jpg
当機に採用したケース「HEN110412」は高さに余裕があるので、
ちょっと欲張って、C14の電解コンデンサの容量を1000μFから1800μFに増量。

AKI-DACから出力されたアナログ信号は、
中央のフィルタ基板を通り、
左右のライントランスと12KΩの抵抗を経て、RCA端子に向かいます。
peruke_trans_dac_012.jpg
まずは、僕が聴いてみたかった旧「CRフィルタ」バージョン回路だけを製作。
単純な回路ですが、案の定配線を間違えてしまって、やり直したので汚くなってしまった…。
peruke_trans_dac_013.jpg
ジャンパーピンによる着脱式とし、交換も容易です。
(この実装基板は作り直したい…)

次に、共立エレショップで通販購入したDDC基板「DHI-B」が続きます。
peruke_trans_dac_014.jpg
AKI-DACのS/PDIF端子から配線することで、デジタル出力(同軸/光)できるようになりました。(うれしい!)


ケースに入れて完成!やったぜ。
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LEDを前と後、両方に配置し、
前面の黄緑色LEDはPCがDACを認識した時に点灯、
背面はとにかく5Vの電源が来たら点灯、という仕様としています。
peruke_trans_dac_004.jpg
アナログ出力、デジタル出力共に動作問題なく、大きなトラブルもなく無事に製作に成功したので
本当に良かった…。
peruke_trans_dac_005.jpg


当機トランスDACのライン出力を経て音楽を聴いた第一印象ですが、
文句なく僕好みの良い音です。

60時間ほど聴いた印象は以下。

低音がしっかり出ていて、他の帯域も潰れずに聴こえますが、
製作者の皆さんが言うように、一見地味な音傾向で、
「あと一歩、アグレッシブに来てほしい」という所でギリギリ踏みとどまってしまうような、控えめな音印象です。

よく聴いてみると全体感があるウォーム調の音傾向ながら、
妙に実体感と生々しさも感じられる妙味があり、
聴き始めたら止まらない、あとを引く心地良い音で、この二週間ほど、やや寝不足気味です。

いかにもナローレンジで神経質な音が出そうなPCM2704を使ったDAC基板の音とは到底思えず、
ほんのひとさじの工夫で見違える、
職人技の片鱗に触れる事が出来たような気がします。

僕の経験では「第一印象が好みではないオーディオ機器は何百時間鳴らしても良くならない」のですが、
当機に関しては最初の音出しテストのつもりで音楽再生をしたはずが、思わずそのまま二時間ほど聴きこんでしまったほどで、
オーディオ機器の肝というのは物量や部品のグレードや最新のICなどよりも、
回路なんだな、という確信を強めた次第です。


もう少し聴きこんでみたら、他のDACとの比較を挙げたりしてみたい。(無粋かな?)

僕のような素人にもわかりやすく、
楽しく音も良い回路を公開して下さるぺるけさんに改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました!

Posted at 01:31 | DIY関連 | COM(1) | TB(0) |
2014.09.19

AMB LabのディスクリートHPA CK2Ⅲ(Cavalli-Kan Kumisa III)を組み上げました

春頃に購入したAMB Labの無帰還ディスクリートヘッドホンアンプ基板、
AMB Lab CK2Ⅲ (Cavalli-Kan Kumisa III)を組み上げました。
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以下、製作レポートになります。



2014年3月頃に基板を購入し、一時期製作を凍結させていたCK2Ⅲ。

まずはディスクリート回路を構成するためのトランジスタ類を必要数よりも多めに購入し、
hFE値が近いものを揃える選別作業を行いました。
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本来、入力部のFET以外は選別不要のようですが、
オシロスコープのような測定機器を持っていない素人の工作なので、
「あの時ちゃんと選別していれば、まともに動作したかも…」という後悔の可能性を潰しておきたかった。


本製作にあたり、3日かけてじっくりと着手しました。

1日目、購入したケースの加工。
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手の皮を擦りむいてしまって、痛い思いをしました。
アンプ本体と電源トランスを別筐体に分けることにして、
電源トランス本体から発生するノイズ隔離と省スペース化を目論みます。

電源ユニットから出力された交流電圧をアンプ本体に送り届けるため、4線のDINケーブルを自作。
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AWG22の撚り線を四つ編みにして、編組シールドとナイロンチューブを被せています。
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国内では4ピンのDINジャックが売られていないようなので、5ピンのもので代用しました。
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二日目、電源ユニットの製作。
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ここで変換された15V×2の交流電圧がアンプ本体に送られ、
15Vの三端子レギュレーターに送られ±15Vの正負電源となります。

ここで考えるべきは電源トランスの出力電圧。

AMB公式が推奨している電源トランスはAC15V7VA仕様の「TE62033」で、データシートによると無負荷時の電圧は20.9Vです。
このトランスの指定は、
米国の電圧仕様「120V 60Hz」で使う場合の推奨品と思われるため、
日本の100V電圧で動作させた時の出力電圧の変化を無視してはいけないと判断しました。

この115V品のトランスを日本の100Vで動作させると、
およそ0.87倍の出力になるそうですから、無負荷時の電圧が20.9×0.87=18.1V程度に目減りする計算。

マルツパーツで販売されている三端子レギュレーター7815の商品説明によると、
「ラインレギュレーションの規定条件VIN=17.5V~で判断し、リップルなどで入力電圧が落ち込んでも17.5Vを下回らないように」と書かれています。
前向きに解釈すると18.1Vでもぎりぎり使えそうな印象ですが、
実際に負荷をかけた時にはもっと電圧が下がるはずなので、
少し出力に余裕を見たほうが良さそう。

そこで、上記よりも1ランク電圧が高い、18V10VA仕様のトランス「Telema 70044K」を買いました。
こちらは無付加時の電圧が21.7Vですから、21.7×0.87=18.8Vとなる見込み。
(実際の通電テスト測定時にもほぼ計算通りの結果となりました)

次に、アンプ本体の半田付けを行い、二日目終了。
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三日目、アンプ本体の配線を行いました。
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この後、配線ミスが見つかったので修正し、
各種チェックと出力電力設定の調整を終え、無事に音が出て安全に使用できることを確認し、
CK2Ⅲ 完成!

この達成感は何事にも代えがたい快感…!無事に動作してよかった!


昨年製作したM3はプリアウト端子を持つ「ヘッドホン兼ラインアンプ」でしたが、
当機はCK2Ⅲはさらに三種の入力切替とミュート機能を追加し、正真正銘プリアンプとして使えるようにしています。

電源ユニット内部。
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アンプ本体内部。
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色気を出してオーディオ用電解コンデンサ(東信UTSJ)などを使ってしまったのですが、
発熱が大きい電源レギュレータのすぐそばに85℃1000時間保証の電解コンデンサを配置するのはどう考えてもやばい…。
悲観的に見積もって、2年程度でコンデンサが逝ってしまうおそれがあるため、
近日105℃の長寿命低ESR品に交換します。
kumisa_013.jpg
当機はステレオジャックにプラグを接続していない時のみ背面のプリアウト端子に信号が送られる仕組みで、
ヘッドホン接続時にはプリアウト側の信号が切り離されます。
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例によって、ヘッドホン接続時にはプリアウト側の信号がオープンになりノイズ発生の原因になるそうなので
ぺるけさんのFET差動ヘッドホンアンプの作例を参考に、
プリアウト側に470Ωの抵抗を半田付けし、ヘッドホン接続時、プリアウト信号部が接地されるようにしてあります。
ロータリースイッチはアルプスのSRRNシリーズを採用。
4回路3接点のものが欲しかったのですがローレット式シャフトのものしか流通がないようで、
消去法で3回路4接点のものを使い、
「1:入力1」「2:ミュート」「3:入力2」「4:入力3(ステレオミニ)」と切り替えられるようにしてあります。
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我ながらそれなりに綺麗に作れた…と思ったのですが、
電源ユニットのパネルに白い汚れのようなものが…。
養生に使った塗装用の弱粘着テープが古かった(?)ためか、跡がついてしまいました。
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除去しようと手を尽くしましたが、ヤスリで削っても落ちないので諦めました。
パネル単体で10枚セット千円くらいで売っているので、気が向いたら交換しよう…。(ケース加工が面倒で億劫)
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電源部との接続イメージ。
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当機CK2Ⅲの使い勝手について。

CK2Ⅲは安定性に欠けると言われる「NO-NFB」のアンプですが、
オフセットを抑えこむDCサーボの機能が追加されており、安全に使うことができます。
(基板中央のOPA2134がサーボIC)

電源ON/OFF時のポップノイズは無く、気分良く使えます。(ごく小さな音は出ます)

残留ノイズについて。
ボリュームを上げた時に増幅されるノイズは非常に少ないのですが、
電源を入れ数十分が経過し、アンプが温まってきて本調子になってきた頃、
能率の高いカナルイヤホンを接続すると若干のハムノイズが聞こえてきます。
電源のほうに要因がありそうな雰囲気だったので
昇圧トランスをかませたり電源ケーブルを交換してみましたが、
改善されないので、別の要因があるみたいです。

少し調べてみた所、当機のような無帰還(正確には局所帰還のようです)アンプは
トランスから来るノイズを増幅してしまう傾向があるらしく、負帰還アンプと比較し低雑音に仕上げるのが難しいらしい。
もしかしたら配線の見直しなどで改善できるような気がしますが、ヘッドホンでは聞こえない程度のものなので
現状このままです。


さっそく、当機CK2Ⅲの音を聴いてみました。
リスニングにはヘッドホンのゼンハイザーHD650、ベイヤーDT880 E/600を使いました。

音質について、
まず第一に音の情報量の多さが際立っており、良くも悪くも細かい所まで聞き取れる制動感があります。
定位がビシッと決まる素性の良さに加え、
600ΩのDT880をドライブしても全く音痩せしない、余裕のある性能を持っていることがわかります。

当機のような無帰還アンプの音を「すっぴん」と例えられているのを見かけた事がありますが、
なるほどこういう意味かな、と実感しました。

僕が今まで聴いてきたディスクリートHPAはいずれもウォーム寄り、低音が柔らかい音傾向という印象でしたが、
CK2Ⅲはニュートラルに近いイメージ。

僕が聴いてきた中で、当機に近い音のイメージのアンプを挙げるなら、
Lehmann AudioのBCL…のクローンアンプであるLovelyCubeの音に近い第一印象。
検索してみたら、このLovelyCubeも無帰還のバッファ回路を持つヘッドホンアンプらしく、
ハムノイズが出るという点も合わせて納得。
(LovelyCubeは、ヘッドホンでも聞こえる大きなハムが出ましたが…)

同じAMB LABのDIYヘッドホンアンプで、オペアンプの増幅部を持つM3が濃厚な音傾向なので、
キャラクターの違いが割とはっきりしているような印象を持ちました。

製作にあたり、
電圧レギュレーターのそばの配置に適さないコンデンサを使ってしまったり、
その他いくつか課題が残ってしまったものの、
概ね想定通りに作ることが出来、久々に電子工作の醍醐味というものを味わえた気がします。

電解コンデンサを保守性の高いものに交換して慣らしが進んだ頃、
M3との比較でもしてみようかなと思います。

Posted at 00:48 | DIY関連 | COM(0) | TB(0) |
2014.08.18

DIYForumsのSkeletonDAC&GrubDAC製作ほか

お盆休みに2つのDACキット製作と、
既存のポータブルヘッドホンアンプの部品交換を行いました。


まず、僕が海外通販で購入したものを紹介。
海外のオーディオDIY系掲示板「DIYForums」で企画され、回路が公開されているアンプ、DAC類の基板などを取り扱っているBeezar.comで購入したものです。
minimax_001.jpg
左の青く大きな基板は、真空管ハイブリッドヘッドホンアンプ基板 Millett Hybrid Minimax。専用ケースも販売されています。
右側はハモンドの小さなケースに収まる超コンパクトなDAC基板、
SkeletonDACとGrubDAC。

詳しくは公式にて。
■DIYForums : http://www.diyforums.org/
■Beezar.com : http://beezar.com/



これら製作にあたり、MOUSERで部品を大量購入。
minimax_000.jpg

購入したDAC基板実装の前に、かねてからやりたかった交換作業から。

まずは小型ディスクリートヘッドホンアンプ、HA10miniのデカップリングコンデンサを交換。
ha10mini_016.jpg
6.3V 1500μFから2.5V3900μFに容量大幅アップ。
ついでにEneloopproも買って、気兼ねなく充電して使えるようになりました。(人生初エネループ)

色々なポータブルヘッドホンアンプを使ってきましたが、
このHA10miniはサイズに対する音の期待値を想像以上に上回っており、とても気に入っています。


次は、過去に製作失敗し、ジャンク箱に入っていたAMBLAB mini3の修理を行いました。
ICなど主要部品類を交換することで見事に復活。
この失敗がずっと苦い思い出として残っていたので、わだかまっていた心のしこりがとれた気分。
amb_mini3_6_001.jpg
三台の仕様。
・上段左:ALO Audio Double Mini3風MODバージョン
・上段右:オペアンプをLMH6642とLMH6643に変更した extended runtime バージョン
・下段:積層セラミックコンデンサの使用を排除したプチMODバージョン

amb_mini3_4_004.jpg

思えば、僕が製作失敗したのは、以下のような手順で作業を進めたのが原因でした。
---------------------------------------------
1:9V電池を接続したまま、電池受けを半田付け(ケース収納時に電池が干渉しないための調整)
2:基板裏にはみ出たリード線などをカットするため、ニッパーを這わせる(ここでビビッと火花が出て、回路のショートが発生)
3:ショートした影響でIC(AD8397等)が破壊され、再起不能。
---------------------------------------------
1の時点では問題無いのですが、
その後、放電せぬまま作業を進めたのがIC破壊の原因となりました。
mini3の製作を考えている方は、僕と同じ思いをしないためにも、
1から2の間に必ず放電を行ってください。(電池を外し、電源スイッチを入れてしばし放置)


次に、いよいよメインイベントのDAC組み上げを行いました。
最難関のDACチップを先に半田付けし、
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その他部品を半田付けして、さっと基板実装完了!
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取っ付きづらそうなチップ部品ですが、比較的扱いやすい2012サイズと3216サイズの実装に限られるため
見た目ほどは難しくなく、小型かつ(比較的)安価で製作できるため
DACのFirst DIYや、チップ部品半田付けの練習に最適と言えます。
もっと早くこのDACの存在を知っていれば…という気持ち。


まずはSkeletonDACを組み上げました。
S_Gdac_003.jpg
S_Gdac_004.jpg
当機のコンセプトは「PCM2704の機能を低コスト、省スペースで活かす」といった印象で、
DACチップPCM2704に内臓された「D/A変換」「ヘッドホンアンプ」「デジタル出力」を取り出すために必要最低限の回路が組まれています。
これらの機能をユーザーが選択し、
・USB-DAC
・USB-DDC
・USBヘッドホンアンプ

いずれか、または複数選択の仕様の機器にカスタマイズすることができる…という仕様の柔軟性が魅力。

さらに特筆すべきはコストパフォーマンスの高さで、
基板単体が2ドル、その他部品、ケース込みで20ドル程度で揃ってしまう気軽さが魅力。
DIYForumsで企画された製品は、いずれも「安全で、コストに優れた電子工作」を意識し企画されているようで、
このコンセプトには強い共感を覚えます。

ちなみに、当機は秋月電子で販売しているDACキット「AKI-DAC」に回路構成がよく似ており、
グレードも同等と言えます。

2枚購入したうちの1枚目は、USBヘッドホンアンプ兼、USB-DDCの複合機として組み上げる事にしました。


ケースに収めた所。
当機は、Hammondの1551HTBUという小さなケースにぴったり入るように作られています。
(ただし、基板を固定する#2サイズのインチネジは付属していないので、別途ホームセンターなどで買い足す必要があります)
S_Gdac_010.jpg
この青色のケースは半透明のため、実装基板をケースに入れた状態でUSB端子の穴あけ位置決めが出来たり、
こんな細かい所でも電子工作ユーザーに配慮した仕様が考えられているのだなあ、と関心。
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サイズ比較。
ミント菓子のケースよりも小さい!
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内部。
ステレオミニ端子と同軸出力端子、2つを同時に収めることに非常に苦労しました。
限界ギリギリ、無理やり詰め込む事に成功。
S_Gdac_013.jpg
欲張らず1つの機能に絞るか、またはケーブルを伸ばしてケースの外に端子を伸ばしたほうが良かったかも。

製作時に困ったのが、
基板からデジタル同軸出力端子に接続するための、75Ωの内部配線材を持っていなかった事。
考えた末、手持ちの太い同軸ケーブルの芯線だけを抜き出し、
熱収縮チューブで処理して強引に細い線材を作り上げという力技。
雑な仕上げになってしまいましたが、なんとか上手く行って良かった…。

ヘッドホンアンプとして使用する場合、
カップリングコンデンサの容量を47μF以上に増やす必要があるとの事ですが、
当機によく似たAKI-DACの解説ページを掲載している「情熱の真空管」ぺるけさんの記事を読んだ印象では、
47μFはヘッドホンアンプとしてはやや物足りないみたいです。
そこで僕は欲張って、ニチコンKAの220μFを無理やし横倒しにして実装。(思えばこれが原因でキツキツに)
S_Gdac_014.jpg

手軽に使えるUSBヘッドホンアンプ(同軸デジタル出力付)となった
当機Skeleton HeadphoneDAC。
S_Gdac_016.jpg
さすがに大型ヘッドホンの駆動は厳しいようですが、
イヤホンや、小型のポータブルヘッドホン程度なら十分鳴らせるそうです。
公式ではKOSSのKSC75が接続例に上がっていたので、早速組み合わせ。
久々にKSC75の音を聴きましたが、相変わらず価格に見合わないハイテンションで抜けの良い音に惚れ惚れ。
まだ全然聴きこんでいないのですが、こんな小さな機器で音楽が聴ける小気味よさはたまりません。

この「PCM2704/5で直接ヘッドホンを鳴らす」という当機Skeleton HeadphoneDACのコンセプトは、
昔、ヘッドホンリスナー界隈の一部で話題になった「DenDAC」と同じみたいです。


次にGrubDACを組み上げ。
S_Gdac_005.jpg
こちらは多機能でシンプルなSkeletonDACと比較し、
ライン出力専用の、純粋なUSB-DACとなります。
DACチップはPCM2706、WM8524などが使われており、実装部品も若干コストが上がり、
組み上げるために30ドル程度の制作費が必要となります。

公式に掲載されている測定結果などで確認する限り、
DACとしてはSkeletonDACよりも高性能で、上位機種という扱いとなります。
S_Gdac_006.jpg
USB-DACとして組み上げるにあたり、
USBケーブルとRCA出力端子を基板に直接配線してしまう「ケーブルDAC」というオプションが推奨されていて面白そうだったので、僕もチャレンジしてみました。

公式で推奨されているUSBケーブルのシリーズは、片側が直接基板に半田付け出来るように配線が末端処理されていて、とても便利。
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Grub CableDAC完成!
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あくまで気軽に低コストで組み上げたかったので、
ヨドバシカメラで売っていたビクターの500円RCAケーブルを切って、ライン出力側に組み込んでいます。
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改めて廉価なRCAケーブルを買ってみて見直したのが、価格に見合わぬ堅実な造り。
たかが500円のラインケーブルと侮る無かれ、線材は柔らかく取り回し抜群。内部はしっかりシールドされていて、芯線にはOFC線が使われており、RCA端子は金メッキされていて、ジャックへの食い込みも無理なく吸い付くように自然。
デザインさえ気にならなければ中途半端なものを使うより、廉価帯のほうが優れているのではないか、と目からウロコ。

PC→GrubDAC→AMB M3→ミニワッター→スピーカー、と接続して音楽を聴いてみましたが、
こんな小型コンパクトなDACでも驚くほどまともな音が出て、嬉しい驚き。
もう、これでいいんじゃないかな…なんて思ったりもして…。
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M3からヘッドホンのK702でじっくり聴いてみると、廉価帯DACにありがちな高音の神経質さ、デジタルっぽさが残っていて、さすがにハイエンドなオーディオ製品と比較できるものではありませんが、
ケーブルとDACが一体化した「CableDAC」という仕様はとてもスマートで魅力的です。
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SkeletonDAC、GrubDAC、グレードとしてはいずれもエントリー向けのUSB-DACと言えますが、
気軽に製作チャレンジできるコストの安さ、大げさにならず超小型のケースに収められる仕様など、
現存するDACキットの中でも、電子工作欲を掻き立てる魅力あふれる製品と言えます。
高価なDACを使用している方も、耳リセット用に是非!…なんて言ってみたり。

最後に、Beezar.comで購入した基板のうち本命の真空管ハイブリッドヘッドホンアンプである
「Millett hybrid Minimax」の製作は、
涼しくなってヘッドホンを常用できる季節になったら組み上げようかな、と思ってます。
(未制作のアンプ基板がまた増えてしまった)

Posted at 01:34 | DIY関連 | COM(0) | TB(0) |