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2015.11.04
STRV's工房さんのヘッドホンアンプ「HA16」製作
「HA10mini」で有名なSTRV's工房さんの新作ヘッドホンアンプ基板。
BISPAで委託販売されているものを注文し、組み上げました。

詳細はこちら。
--------------------
■BISPA(委託販売):HA16 PCB(Rev.1.0.)
https://bispa.co.jp/1639
■STRV's工房:HA16基板取説
https://dl.dropboxusercontent.com/u/1020337/STRVs_Studio/HA16/index.html
--------------------

当機HA16は
2回路入りオペアンプ「5532」シリーズのために最適化された
モノラル構成のヘッドホンアンプ基板で、
ステレオで聴くために2枚セットで頒布されています。

オペアンプの4回路中3回路をバッファに使う
「Triple the Current to a Load」という回路構成で、
いかにもパワフルそう。
HA10miniと違い半田付け難易度は低いものの、
安定した正負電源を別途用意する必要があるため
First DIY向けではありません。
今回は低予算で組み上げたかったので、
手持ちのデッドストックから部品流用しつつ、
電源部はLeijineで通販購入していたレールスプリッター基板
「DCfltr-spltr」を採用。

スイッチングACアダプタの24V単電源から
TLE2426を通して±10vの正負電源を作る電源基板で、
ポリスイッチによる過電流防止と
LM317+CRフィルタによるノイズ除去機能が含まれています。
HA-16の推奨電圧±12~15Vに少し届かないけれど、
「気に入ったら、あとで電源部だけ交換してもいいかな」と気楽に構えられるのが
電子工作の楽しい所。
DCfltr-spltrの詳細はこちら。
--------------------
■Leijine
http://leijine.com/
--------------------
注文時についてくるマニュアルには
丁寧な回路解説も記載されていて、
読み物としても楽しい。
デッドストックのプラケースに入れて、
お手軽な正負電源ユニットが完成。

3.5mmステレオミニケーブルでアンプ本体に接続するつもりだったけれど
ケーブル抜き差しの時に極性が反転するリスク対策を怠っていた事に気付き、
少し予算を追加して、DIN-3Pケーブルを接続する仕様に変更。



HA-16基板をテイシンTC-10に収納して、
小さなセパレートヘッドホンアンプ「HA-16」が完成。



ケースサイズに余裕が無さすぎて、
基板を少し削ったり、構成部品の配置に工夫が必要でした。

プリアウト端子を追加して、スピーカー環境でも使えるようにしています。


音楽を再生してみると
回路を見た時に想像したイメージに近い出音で
ローノイズかつ嫌味のないストレートなスッキリ系サウンドという第一印象。
高インピーダンスのヘッドホンでも音痩せしない余裕が感じられます。

BISPAで取り扱われているボリューム類はギャングエラーも少なく重宝しているのですが
今回は外れだったのか、半田付けで熱をかけすぎてしまったのか
当機の場合は小音量時のギャングエラーが多く、イヤホンで聴く場合はストレスになります。
HA10miniとサイズ比較。

甘栗パック並の小ささにご満悦。

BISPAで委託販売されているものを注文し、組み上げました。

詳細はこちら。
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■BISPA(委託販売):HA16 PCB(Rev.1.0.)
https://bispa.co.jp/1639
■STRV's工房:HA16基板取説
https://dl.dropboxusercontent.com/u/1020337/STRVs_Studio/HA16/index.html
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当機HA16は
2回路入りオペアンプ「5532」シリーズのために最適化された
モノラル構成のヘッドホンアンプ基板で、
ステレオで聴くために2枚セットで頒布されています。

オペアンプの4回路中3回路をバッファに使う
「Triple the Current to a Load」という回路構成で、
いかにもパワフルそう。
HA10miniと違い半田付け難易度は低いものの、
安定した正負電源を別途用意する必要があるため
First DIY向けではありません。
今回は低予算で組み上げたかったので、
手持ちのデッドストックから部品流用しつつ、
電源部はLeijineで通販購入していたレールスプリッター基板
「DCfltr-spltr」を採用。

スイッチングACアダプタの24V単電源から
TLE2426を通して±10vの正負電源を作る電源基板で、
ポリスイッチによる過電流防止と
LM317+CRフィルタによるノイズ除去機能が含まれています。
HA-16の推奨電圧±12~15Vに少し届かないけれど、
「気に入ったら、あとで電源部だけ交換してもいいかな」と気楽に構えられるのが
電子工作の楽しい所。
DCfltr-spltrの詳細はこちら。
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■Leijine
http://leijine.com/
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注文時についてくるマニュアルには
丁寧な回路解説も記載されていて、
読み物としても楽しい。
デッドストックのプラケースに入れて、
お手軽な正負電源ユニットが完成。

3.5mmステレオミニケーブルでアンプ本体に接続するつもりだったけれど
ケーブル抜き差しの時に極性が反転するリスク対策を怠っていた事に気付き、
少し予算を追加して、DIN-3Pケーブルを接続する仕様に変更。



HA-16基板をテイシンTC-10に収納して、
小さなセパレートヘッドホンアンプ「HA-16」が完成。



ケースサイズに余裕が無さすぎて、
基板を少し削ったり、構成部品の配置に工夫が必要でした。

プリアウト端子を追加して、スピーカー環境でも使えるようにしています。


音楽を再生してみると
回路を見た時に想像したイメージに近い出音で
ローノイズかつ嫌味のないストレートなスッキリ系サウンドという第一印象。
高インピーダンスのヘッドホンでも音痩せしない余裕が感じられます。

BISPAで取り扱われているボリューム類はギャングエラーも少なく重宝しているのですが
今回は外れだったのか、半田付けで熱をかけすぎてしまったのか
当機の場合は小音量時のギャングエラーが多く、イヤホンで聴く場合はストレスになります。
HA10miniとサイズ比較。

甘栗パック並の小ささにご満悦。

2015.10.25
SennheiserのDJモニター向けヘッドホンHD25-13IIを購入
ヘッドホンマニア御用達、HD25-1IIの亜種!

状態が良い中古品が格安で売られていたので
衝動買いしてしまいました。
HD25-13IIは
Sennheiserのプロモニター用ヘッドホンHD25シリーズのうちの一つ、
600Ωのハイインピーダンス仕様。
3mのOFCケーブルが付属していて、屋内使用を想定しているよう。

当機で音楽を聴いてみると
強い制動感と弾力を兼ね備えた低音の出方が特徴的で、
「陸上選手」「ボクサー」を連想させるような瞬発力の高さが感じられます。
他所で公開されている周波数特性にも現れていますが
低音を過剰に持ち上げているわけではなく、
むしろ100Hz以下の音域がダラ下がりになっているため重低音が物足りないのですが
このあたりの調整が鮮烈な低音表現に一役買っているようです。
小径耳乗せタイプの密閉型ヘッドホンだけに音場表現は期待できないものの、
十分に高い分解能と瞬発力のある音圧表現が良い仕事をしていて、
生演奏の楽器、特にドラムの音が歯切れ良く、聴いていて楽しい。
ロック向きヘッドホンとしてよく挙げられる理由が実感できます。
低音が強いヘッドホンの例としても度々取り上げられていますが、
低域の量感が大切なクラブミュージック(と思っている)音源では個性が発揮できない印象で、
あくまでロックなど、勢いがある生演奏ソース向けと感じました。
当機の特徴的な音の出方は
本来のモニター向け用途として
様々なロケーションで聴き分け能力と疲労感の軽減を両立させる調整を行った副産物ではないかと思います。
(側圧が強いので、長時間の装着が辛いけど…)

HD25といえば「HD25-1II」が有名ですが、
仕様と備品が若干異なるバリエーションがあり、
ちょっと検索しただけでも、以下4種が確認できます。
-------------------------------
HD25-1II:80Ω、1.5mストレートケーブル(L型プラグ)
HD25-II:80Ω、2mストレートケーブル(ストレートプラグ)
HD25-CII:80Ω、3mカールケーブル(ストレートプラグ)
HD25-13II:600Ω、3mストレートケーブル(ストレートプラグ)
-------------------------------
上位下位の区別はなく、
あくまで現場の需要に合わせた業務用ラインナップのよう。
民生向けにリファインされた
「HD25 aluminium」「HD25 amperior」という亜種も売られていて
歴史と実績があるヘッドホンのベストセラーであることに疑いはなく、
改めてSennheiserの技術力と音作りの巧さを感じさせられます。

状態が良い中古品が格安で売られていたので
衝動買いしてしまいました。
HD25-13IIは
Sennheiserのプロモニター用ヘッドホンHD25シリーズのうちの一つ、
600Ωのハイインピーダンス仕様。
3mのOFCケーブルが付属していて、屋内使用を想定しているよう。

当機で音楽を聴いてみると
強い制動感と弾力を兼ね備えた低音の出方が特徴的で、
「陸上選手」「ボクサー」を連想させるような瞬発力の高さが感じられます。
他所で公開されている周波数特性にも現れていますが
低音を過剰に持ち上げているわけではなく、
むしろ100Hz以下の音域がダラ下がりになっているため重低音が物足りないのですが
このあたりの調整が鮮烈な低音表現に一役買っているようです。
小径耳乗せタイプの密閉型ヘッドホンだけに音場表現は期待できないものの、
十分に高い分解能と瞬発力のある音圧表現が良い仕事をしていて、
生演奏の楽器、特にドラムの音が歯切れ良く、聴いていて楽しい。
ロック向きヘッドホンとしてよく挙げられる理由が実感できます。
低音が強いヘッドホンの例としても度々取り上げられていますが、
低域の量感が大切なクラブミュージック(と思っている)音源では個性が発揮できない印象で、
あくまでロックなど、勢いがある生演奏ソース向けと感じました。
当機の特徴的な音の出方は
本来のモニター向け用途として
様々なロケーションで聴き分け能力と疲労感の軽減を両立させる調整を行った副産物ではないかと思います。
(側圧が強いので、長時間の装着が辛いけど…)

HD25といえば「HD25-1II」が有名ですが、
仕様と備品が若干異なるバリエーションがあり、
ちょっと検索しただけでも、以下4種が確認できます。
-------------------------------
HD25-1II:80Ω、1.5mストレートケーブル(L型プラグ)
HD25-II:80Ω、2mストレートケーブル(ストレートプラグ)
HD25-CII:80Ω、3mカールケーブル(ストレートプラグ)
HD25-13II:600Ω、3mストレートケーブル(ストレートプラグ)
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上位下位の区別はなく、
あくまで現場の需要に合わせた業務用ラインナップのよう。
民生向けにリファインされた
「HD25 aluminium」「HD25 amperior」という亜種も売られていて
歴史と実績があるヘッドホンのベストセラーであることに疑いはなく、
改めてSennheiserの技術力と音作りの巧さを感じさせられます。
2015.10.16
ぺるけさん設計の「トランジスタ式ミニワッターPart2」製作

サイト「情熱の真空管」ぺるけさん設計の
シンプルで小出力な半導体ディスクリート式のSEPP-OTLアンプ、
「トランジスタ式ミニワッターPart2」を作りました。
ぺるけさんの著書「真空管アンプの素」を読みながら組み上げた「6N6Pシングルアンプ」の音に感銘を受け、
トランジスタ式ミニワッターの音も聴いてみたくなったのが2013年春先の事。

部品の調達とケース加工をしたところでずっと放置していました。
あれから2年半過ぎて2015年秋、
ユニバーサル基板を使ったJJさんの作例に強く興味をそそられたので、
作例を参考にさせていただき、一から部品を集め直して製作に挑みました。
------------------------------------
■設計元:ぺるけさんのページはこちら
情熱の真空管:
トランジスタ式ミニワッターPart2
<オーソドックスでシンプル2段増幅>
http://www.op316.com/tubes/mw/mw-12v-p2.htm
------------------------------------
■ユニバーサル基板の作例:JJさんのページはこちら
ヘッドホンアンプ備忘録:
1Wディスクリートアンプ その2(ミニワッター)
http://settembre21x.blogspot.jp/2013/09/1w_18.html
------------------------------------
基本的な部品選択はJJさん作例に合わせています。
トランジスタ類はそれぞれ10本程度から選別して、hFE値が近いペアを使っています。
(コンデンサ容量のみオリジナル準拠)
レイアウトには少し余裕があるので、それほど苦労することなく実装できました。

通電するまえに、レイアウト&回路図を見ながら間違い探し。

案の定、ミスがありました。
赤線部分、2SA970の配線が不足していた。

「完璧に組み上げたと思った時こそミスがある」という定説。
ユニバーサル基板に部品実装した恩恵、
HEN110412に収まるコンパクトなデスクトップ向けパワーアンプが完成。

この手の超小型パワーアンプを完成品で手に入れようと思ったら
怪しい中華メーカーのデジタルアンプくらいしか候補がありませんから、
僕が欲しかった仕様のアンプを自分の手で作れる事が素直に嬉しい。


秋月B基板を使いましたが、HEN110412の内側と基板スペーサーが干渉してしまったので
ケース内側を少し削る必要がありました。




当機を経由してスピーカーから音出ししてみると
トランジスタ式ミニワッターシリーズ設計の原典という「充電式かんたんヘッドホンアンプ」によく似ていて、
低音が効いていて元気いっぱいローノイズ、僕好みのアナログっぽい音。
文句なく気に入りました。
出力段のバイアス用に使用しているダイオードが原典の「UF2010」とは異なるため
アイドリング電流が多めになっているせいか、トランジスタに触ってみると意外と熱い。(触れないほどではない)
秋月電子縛りで部品を揃えたというJJさんの作例ですが、
秋月でも売っているUF2010をあえて使わなかったのは「終段Trは熱くなってナンボ」とコメントされているJJさんのこだわりポイントなんだろうな…などと勝手に想像したりして、ニヤリとさせられます。(考えすぎ?)
早速、当機をメインアンプとして愛用していくことにします。
すてきな回路を公開して下さったぺるけさん、
親切かつ丁寧な作例を公開して下さったJJさん、ありがとうございました!
2015.09.08
クラブサウンド再生に特化したイヤホン Pioneer SE-CX9を購入
こんなの初めて!リアルすぎる重低音!
(取り回しは悪いけど…)

近年のイヤホン事情はさらに進化を続けていて、
ダイナミック型ドライバとBA型ドライバを組み合わせて
それぞれの得意分野を生かすことで高音質を狙う…という試みの
「ハイブリッド型イヤホン」というジャンルが台頭してきました。

当機SE-CX9も
構造の違う2つのドライバを組み合わせたハイブリッドタイプのイヤホンですが、
上記のような構成とは若干異なります。
音楽を再生するBA型ドライバと
「物理的に振動を発生させて重低音が出ているように感じさせる」という、
BASS EXCITERというユニットを組み合わせた、
他で見られない構造。
分解能に優れたBA型ユニットで音楽を再生し、
不足した音圧をBASS EXCITERで大盛りにすることで、高品位な重低音サウンドを再現!
といったコンセプトのようです。
同様のコンセプトで発売されている下位機種「SE-CX8」と「SE-CL751」があり、
こちらはダイナミック型ドライバ+BASS EXCITERという組み合わせになっています。

音楽再生時にイヤーピースに触れてみると、
わずかにブルブルとした音圧が伝わってきて、物理的に振動していることが感じられます。
耳に装着して音楽を聴いてみると、
サブウーファーで再生された低音の音圧を叩きつけられているかのような、
体に響くリアルな重低音を体感することができ、
「SUPERIOR CLUB SOUND」というキーワードが伊達ではない事がわかります。
低音の指向性の低さは理解していたけれど、
物理的な振動がここまで「重低音らしさ」を感じさせるものなのか…という驚きがありました。
特にSE-CX9で聴くテクノのライブCDは鳥肌もので、
これだけでも「買ってよかった!」という気持ちに。
強烈な重低音再生が売りの当機ですが、
他の帯域を潰さないBA型ドライバの分解能が生きていて、実売価格に見合った性能の高さを感じさせます。
僕の手持ちヘッドホンに例えると「Ultrasone PRO900」のイヤホン版といったような雰囲気で、気に入りました。
当機に酷似したD型+BA型のハイブリッド型ドラムモニター向けイヤホン
「M-Audio IE-20XB」を所有していたことがありますが、
低音の量感が支配的すぎて、趣味の音楽鑑賞という立ち位置で判断すると、
決して高音質とは言い辛い印象があったので、
近年のイヤホンの進化具合には驚かされます。
(そもそも、比較対象に挙げたIE-20XBは通常の音楽鑑賞を想定して作られていないのでお門違いだけど…)

SE-CX9購入にあたり
たいして違いがなければ下位機種「SE-CX8」「SE-CL751」を購入しようと目論んで
念入りに視聴しましたが、
いずれも値段なりの音質差がある印象。
特にSE-CL751の良心的価格や仕様は魅力的だったのですが、
肝心の音質に不満が残りそうな印象だったので、迷った時は最上位というセオリーに従った結果。
そんなわけでクラブミュージック好きの低音マニアの方にはお勧めできそうなSE-CX9ですが、
実用面の使い辛さが目立ちます。
一般的なカナル型イヤホンと比較し本体サイズが非常に大きく、
ケーブルも相応に頑丈に作られていて分厚くコシがあり、重みがあります。

(テスト用などに使っている100均カナルイヤホンとの比較)
深めに装着する仕様なので
遮音性が高くしっかりフィットするのですが、
頑丈で太すぎるケーブルが大きなタッチノイズを発生させ、動きながら音楽を聴くには向いていません。
また、僕はスマートフォン等で音楽を聴くことがないので、リモコンマイク機能も無用の長物。

当機はコンセプト通り、クラブミュージック向けに特化したようなイヤホンなので、
汎用性に劣り、また音傾向が演出過多で前段(アンプ等)の色を塗りつぶしてしまう印象。
「低音の締まりが云々」など、
真面目な高音質再生を狙うオーディオマニアにとっては悪夢のような音でしょう。
SE-CX9は決してイロモノではなく、
クラブミュージックにおける「リアルさ」を真面目に突き詰めた一つの成果だと感じられました。
ニッチ狙いすぎるコンセプトや
イロモノじみた外観が敬遠されているためか注目されていない当機ですが、
重低音が好きな方には他に替えが効かないレベルの音を出すイヤホンだと思うので、
騙されたと思って、興味があれば一度試聴してみてほしい製品です。
(取り回しは悪いけど…)

近年のイヤホン事情はさらに進化を続けていて、
ダイナミック型ドライバとBA型ドライバを組み合わせて
それぞれの得意分野を生かすことで高音質を狙う…という試みの
「ハイブリッド型イヤホン」というジャンルが台頭してきました。

当機SE-CX9も
構造の違う2つのドライバを組み合わせたハイブリッドタイプのイヤホンですが、
上記のような構成とは若干異なります。
音楽を再生するBA型ドライバと
「物理的に振動を発生させて重低音が出ているように感じさせる」という、
BASS EXCITERというユニットを組み合わせた、
他で見られない構造。
分解能に優れたBA型ユニットで音楽を再生し、
不足した音圧をBASS EXCITERで大盛りにすることで、高品位な重低音サウンドを再現!
といったコンセプトのようです。
同様のコンセプトで発売されている下位機種「SE-CX8」と「SE-CL751」があり、
こちらはダイナミック型ドライバ+BASS EXCITERという組み合わせになっています。

音楽再生時にイヤーピースに触れてみると、
わずかにブルブルとした音圧が伝わってきて、物理的に振動していることが感じられます。
耳に装着して音楽を聴いてみると、
サブウーファーで再生された低音の音圧を叩きつけられているかのような、
体に響くリアルな重低音を体感することができ、
「SUPERIOR CLUB SOUND」というキーワードが伊達ではない事がわかります。
低音の指向性の低さは理解していたけれど、
物理的な振動がここまで「重低音らしさ」を感じさせるものなのか…という驚きがありました。
特にSE-CX9で聴くテクノのライブCDは鳥肌もので、
これだけでも「買ってよかった!」という気持ちに。
強烈な重低音再生が売りの当機ですが、
他の帯域を潰さないBA型ドライバの分解能が生きていて、実売価格に見合った性能の高さを感じさせます。
僕の手持ちヘッドホンに例えると「Ultrasone PRO900」のイヤホン版といったような雰囲気で、気に入りました。
当機に酷似したD型+BA型のハイブリッド型ドラムモニター向けイヤホン
「M-Audio IE-20XB」を所有していたことがありますが、
低音の量感が支配的すぎて、趣味の音楽鑑賞という立ち位置で判断すると、
決して高音質とは言い辛い印象があったので、
近年のイヤホンの進化具合には驚かされます。
(そもそも、比較対象に挙げたIE-20XBは通常の音楽鑑賞を想定して作られていないのでお門違いだけど…)

SE-CX9購入にあたり
たいして違いがなければ下位機種「SE-CX8」「SE-CL751」を購入しようと目論んで
念入りに視聴しましたが、
いずれも値段なりの音質差がある印象。
特にSE-CL751の良心的価格や仕様は魅力的だったのですが、
肝心の音質に不満が残りそうな印象だったので、迷った時は最上位というセオリーに従った結果。
そんなわけでクラブミュージック好きの低音マニアの方にはお勧めできそうなSE-CX9ですが、
実用面の使い辛さが目立ちます。
一般的なカナル型イヤホンと比較し本体サイズが非常に大きく、
ケーブルも相応に頑丈に作られていて分厚くコシがあり、重みがあります。

(テスト用などに使っている100均カナルイヤホンとの比較)
深めに装着する仕様なので
遮音性が高くしっかりフィットするのですが、
頑丈で太すぎるケーブルが大きなタッチノイズを発生させ、動きながら音楽を聴くには向いていません。
また、僕はスマートフォン等で音楽を聴くことがないので、リモコンマイク機能も無用の長物。

当機はコンセプト通り、クラブミュージック向けに特化したようなイヤホンなので、
汎用性に劣り、また音傾向が演出過多で前段(アンプ等)の色を塗りつぶしてしまう印象。
「低音の締まりが云々」など、
真面目な高音質再生を狙うオーディオマニアにとっては悪夢のような音でしょう。
SE-CX9は決してイロモノではなく、
クラブミュージックにおける「リアルさ」を真面目に突き詰めた一つの成果だと感じられました。
ニッチ狙いすぎるコンセプトや
イロモノじみた外観が敬遠されているためか注目されていない当機ですが、
重低音が好きな方には他に替えが効かないレベルの音を出すイヤホンだと思うので、
騙されたと思って、興味があれば一度試聴してみてほしい製品です。
2015.08.07
うめAUDIO(仮称)さんの「PHPA-KIT02」を製作
BISPAで委託販売されている、うめAUDIO(仮称)さんのポータブルヘッドホンアンプ基板、
「PHPA-KIT02」を組み上げました。

当基板は2012年からBISPAで委託販売されているようですが
部品表が無く、専用ケースも用意されていなかったせいか、
あまり注目されていない印象。

2015年春、
BISPAで加工済みの専用ケースが販売されるようになったので、
基板とケースを注文し、別途部品を揃えて組み上げてみました。

当機の特徴は
低電圧ながら特性に優れる単四電池2本×2の正負電源と
オペアンプ反転増幅+トランジスタバッファという
基本的なヘッドホンアンプの構成で、
お手軽かつ再現性が高く、様々なトランジスタが使えるというカスタム性もあって、
工作慣れしている方にとっても遊びしろのありそうな仕様となっています。

増幅部オペアンプは手持ちのストックOPA2209を使って、
BISPAの部品セットの説明文を参考に、定電流の役割を持つと思われる抵抗を
1mAのCRDに置き換えています。

電源部などの仕様は異なりますが、
「ヘッドホンアンプ備忘録」JJさんの
「LME49720に最適化したポータブルHPA」と出力段の構成がよく似ています。
その他特徴として、入力部のカップリングコンデンサ(ハイパスフィルタも兼ねてる?)と、
ゲイン切り替え機能が実装されていることを確認できます。








未実装スペース(C2/C12)がとても気になったので
どのような働きをしているか調べた所、
ブログ「nabeの雑記帳」さんにドンピシャな解説がありました。
■nabeの雑記帳:アナログ回路とアナログフィルタの超入門
http://nabe.blog.abk.nu/analog-filter#k434p9.2
製作者の任意でLPFを設定できる仕様になっているらしい。
当機の場合は「負帰還型アクティブLPF」というらしく、
ありがたいことにフィルタ計算ツールを公開しているサイトがありました。
■OKAWA Electric Design:OP-AMPの伝達関数計算ツール
http://sim.okawa-denshi.jp/opampkeisan.htm
未実装部分に100PFのコンデンサを追加すると、
前述の「nabeの雑記帳」さんの記事の表と酷似した効果が得られる事を確認。
ただし、デフォルトでは設定を推奨していないので、音質に影響があるのかもしれません。
据え置き仕様で製作する時に、任意で設定する部分ではないかと想像。
実際にポータブル環境で音を聴いてみると、
いわゆるモニター用ヘッドホンのような、
ストレートかつバランスのとれた中庸な音。

比較的低電圧で駆動しているためか、厚みは控えめで、
聴き疲れしづらそう。
バッテリーランタイムは余裕で50時間以上駆動できるし、
極めてローノイズなのは良いのですが、
分解能がそれほど高いわけでも、厚みが感じられるでもなく、
なんとなく鳴らしてる…みたいな印象となってしまい、
音質面の魅力が感じられない…というのが現時点の僕の感想で、
あくまで実験、終段TRの評価基板的な立ち位置のアンプなのかも知れません。
さらに、当機は携帯機器が発する電磁波ノイズをよく拾ってしまい、
電車内で使っているとピーピーと耳障りなのが困りもの。
もしかしたら…と期待して、
未実装スペースになっていたアクティブフィルタ設定部(と思われる)C2/C12に
100pfのコンデンサを入れてみましたが、
期待していたようなノイズカット効果はありませんでした。
当機は、僕がポータブルアンプを使うシチュエーションにはマッチしなかったこともあって
メインで使うには至らないのですが、
インターネット検索を経て、少しずつ回路の理解を深めるきっかけが得られたのが楽しい体験となりました。
「PHPA-KIT02」を組み上げました。

当基板は2012年からBISPAで委託販売されているようですが
部品表が無く、専用ケースも用意されていなかったせいか、
あまり注目されていない印象。

2015年春、
BISPAで加工済みの専用ケースが販売されるようになったので、
基板とケースを注文し、別途部品を揃えて組み上げてみました。

当機の特徴は
低電圧ながら特性に優れる単四電池2本×2の正負電源と
オペアンプ反転増幅+トランジスタバッファという
基本的なヘッドホンアンプの構成で、
お手軽かつ再現性が高く、様々なトランジスタが使えるというカスタム性もあって、
工作慣れしている方にとっても遊びしろのありそうな仕様となっています。

増幅部オペアンプは手持ちのストックOPA2209を使って、
BISPAの部品セットの説明文を参考に、定電流の役割を持つと思われる抵抗を
1mAのCRDに置き換えています。

電源部などの仕様は異なりますが、
「ヘッドホンアンプ備忘録」JJさんの
「LME49720に最適化したポータブルHPA」と出力段の構成がよく似ています。
その他特徴として、入力部のカップリングコンデンサ(ハイパスフィルタも兼ねてる?)と、
ゲイン切り替え機能が実装されていることを確認できます。








未実装スペース(C2/C12)がとても気になったので
どのような働きをしているか調べた所、
ブログ「nabeの雑記帳」さんにドンピシャな解説がありました。
■nabeの雑記帳:アナログ回路とアナログフィルタの超入門
http://nabe.blog.abk.nu/analog-filter#k434p9.2
製作者の任意でLPFを設定できる仕様になっているらしい。
当機の場合は「負帰還型アクティブLPF」というらしく、
ありがたいことにフィルタ計算ツールを公開しているサイトがありました。
■OKAWA Electric Design:OP-AMPの伝達関数計算ツール
http://sim.okawa-denshi.jp/opampkeisan.htm
未実装部分に100PFのコンデンサを追加すると、
前述の「nabeの雑記帳」さんの記事の表と酷似した効果が得られる事を確認。
ただし、デフォルトでは設定を推奨していないので、音質に影響があるのかもしれません。
据え置き仕様で製作する時に、任意で設定する部分ではないかと想像。
実際にポータブル環境で音を聴いてみると、
いわゆるモニター用ヘッドホンのような、
ストレートかつバランスのとれた中庸な音。

比較的低電圧で駆動しているためか、厚みは控えめで、
聴き疲れしづらそう。
バッテリーランタイムは余裕で50時間以上駆動できるし、
極めてローノイズなのは良いのですが、
分解能がそれほど高いわけでも、厚みが感じられるでもなく、
なんとなく鳴らしてる…みたいな印象となってしまい、
音質面の魅力が感じられない…というのが現時点の僕の感想で、
あくまで実験、終段TRの評価基板的な立ち位置のアンプなのかも知れません。
さらに、当機は携帯機器が発する電磁波ノイズをよく拾ってしまい、
電車内で使っているとピーピーと耳障りなのが困りもの。
もしかしたら…と期待して、
未実装スペースになっていたアクティブフィルタ設定部(と思われる)C2/C12に
100pfのコンデンサを入れてみましたが、
期待していたようなノイズカット効果はありませんでした。
当機は、僕がポータブルアンプを使うシチュエーションにはマッチしなかったこともあって
メインで使うには至らないのですが、
インターネット検索を経て、少しずつ回路の理解を深めるきっかけが得られたのが楽しい体験となりました。