FC2ブログ
2015.06.20

JVCケンウッドのイヤホン HA-FXZ100を買いました

JVCケンウッドのダイナミック型カナルイヤホン、
HA-FXZ100を買いました。


当機は3基のダイナミック型ドライバが搭載された豪華な構成で、
コンセプトモデルを連想させるような、独自性を追求した仕様。

同社のヒット製品、
ダイナミック型ドライバを並列に搭載した「HA-FXT90」を発展させたもので、
第3のドライバから100Hz以下の低音だけを抽出する「ストリームダクト」を追加することで
「マルチウェイ構成のスピーカー」の技術をイヤホンに応用しているそう。

ある意味、やりすぎとも思えるこだわりが感じられ、
効率を度外視して音を追及する、マニアのための意気込みが感じられます。

また、採用素材のグレードを上げた上位機「HA-FXZ200」もリリースされていて、
当機とは音のバランスも若干異なるようです。

ha-fxz100_002.jpg

音を聴いてみると、
期待通りに臨場感を重視した低音強めのサウンドで、
特に空気感のようなものがリアルに感じられるのが心地良く、
当機の強みを実感できます。

重低音の強さをアピールしたイヤホン群の中ではバランス寄りの調整で、
能率の低さも相まって、ポータブルアンプと相性が良いのも嬉しいところ。

実売価格比を考慮すると分解能と音場表現に若干の弱みを感じますが、
並列にダイナミックドライバを入れたイヤホン特有の傾向と思われ、
好意的に解釈すると、
イヤホンならではのピーキーさを和らげて、
スピーカー環境で慣れた耳に違和感の無い音を目指しているようにも感じられます。

実用面では、
本体がやや大型で耳に収まりの悪い印象もあるけれど
太くて取り回し抜群のケーブルが非常に良い塩梅で、
ストレスを溜める事なく愛用できそう。

ha-fxz100_001.jpg

当機に興味を持ったきっかけは、
以下のインタビュー記事。
-----------------
■とんでもないアイデアで音を変えた――“カナル型は苦手”の潮晴男氏も納得したJVC「FXZシリーズ」
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1211/20/news001.html

-----------------
ヘッドホンやイヤホンには様々な音響技術が使われているけれど、
末端消費者の僕は完成品の音を聴くことしか出来ないので、
技術的背景や開発者の苦労を実感しづらいものです。

上記のインタビュー記事では、
お仕着せの営業トークだけに終わらず、
HA-FXZシリーズ独自技術の開発経緯が技術者視点で語られていて、
マニアな男心をくすぐられました。

JVCのイヤホンと言えば
ウッドハウジングを採用したHA-FXシリーズが思い浮かびますが、
当機FXZシリーズを含めて
ピュアオーディオを嗜んだ年配層を積極的に取り込もうとしている印象があって、
ポータブルオーディオ戦国時代を生き抜く国内メーカーの中でも、
玄人好みの存在感が感じられます。

2015.05.30

Chord Qute HD用電源製作

毎度おなじみAMB Labsで個人輸入した電源基板
「SIGMA11」の3台目を製作しました。
amb_sigma11_3_001.jpg

今回はChordのパルスアレイDAC
「Qute HD」の強化電源として使いたいので、12V2Aの仕様。
qutehd_001.jpg
Qute HDに付属しているスイッチングACアダプタの仕様は
12V0.6A DC出力の単電源なので、
表題のSIGMA11に限らず、
同様の条件を満たすDC電源があれば、そのまま置き換え可能です。
qutehd_012.jpg
※この手の需要を見込んだ様々なガレージメーカーが、
ACアダプタと交換できるアナログ電源ユニットを販売しています。

僕がSIGMA11を気に入ってるところは
MOS-FETを使った電源回路の特徴らしい「ソフトスタート機能」。
amb_sigma11_3_003.jpg
電源投入時に極端な渦電流が流れないようになっているので、
安全装置が誤動作するリスクやポップノイズの軽減が期待でき、
トラブルが起こりづらそうな安心感があります。
(電源投入時にLEDが「ジワッ」と光るのも格好良い)
amb_sigma11_3_002.jpg
地味にSIGMA11の部品表一覧がアップデートされており、
従来比でキャパシタ容量が1.35倍程度に増えていました。
amb_sigma11_3_004.jpg
数時間の動作チェックを行い
安定した電圧が得られることが確認できたので、
早速QUTE HDと組み合わせて、音出しをしてみました。
amb_sigma11_3_005.jpg
amb_sigma11_3_006.jpg



電源を交換した直後、
「QUTE HDが覚醒した」と思えるような激変が!

amb_sigma11_3_008.jpg
…などという都合の良いことは起こらず、
「なんとなく良くなったような…?」程度の感覚。
おそらくブラインドテストをやっても当てられないと思います。

QUTE HD本体に電源レギュレーターやインダクタが入っていることから予想できましたが、
スイッチング電源で十分に性能が出せる回路構成になっているのだと思います。

実用面では電源スイッチの追加で使い勝手が良くなり、
従来比でグレードアップしているであろうという確信もあり、
作って良かった!という満足感は得られました。

「オーディオは電源が大事」と言われますが
お金をかければかけるほど良いという単純なお話ではなく、
ちょっとやそっとでは性能が劣化しない回路設計が大事、
という見方もあることを、あらためて意識させられます。

Posted at 12:47 | DAC・DDC | COM(0) | TB(0) |
2015.04.29

ChordのパルスアレイDAC Qute HDを購入

qutehd_000.jpg
英国のオーディオメーカー Chordの小型USB-DAC、
Qute HD(中古品)を手に入れました。
qutehd_001.jpg
当機の特徴は
FPGAを使った独自設計の「パルスアレイDAC」を採用しているという点で、
出来合いのDAC-ICを使わずにデジタル周りの処理を行う
デジタル版のディスクリート回路…に相当する技術らしい。
qutehd_002.jpg
FPGAのプログラムにあたり専門の知識と技術力は必須ですが、
多くのユーザーに受け入れられる「良い音」を目指す民生用オーディオ機器の設計となると、
音作りの経験やセンスに基づいた、数値だけに囚われない感性も重要と思われます。

当機Qute HDは、
同社のハイエンド機に使われている技術を
小型化&簡素化することで価格を抑えた戦略的商品という立ち位置で話題をよび、
国内外で高い評価を得ているようです。

DSDのネイティブ再生に対応しているのが売りの一つですが、
僕は該当の音源を持っていないので…(宝の持ち腐れ)


中身を拝見。
qutehd_004.jpg
実売価格に見合わない、かなり簡素な実装に見えます。
qutehd_005.jpg
心臓部のFPGA。
デジタル周りの処理の大部分を賄っているそうです。

qutehd_007.jpg
qutehd_006.jpg
電源デカップリングに使われていた唯一のリードパッケージ電解コンデンサ、PanasonicのMシリーズ(標準品)。
qutehd_010.jpg
qutehd_009.jpg
qutehd_008.jpg
電源レギュレーターLM317がケースにマウントされていて、
ケースが放熱機の役目を兼ねているようです。

アルミケースに触ってみると、体感で「気温+15℃」くらいの発熱があるので、夏場はアツアツになりそう。

電源は、いかにも頼りない、フツーの小型スイッチングACアダプター。
qutehd_011.jpg
qutehd_012.jpg


音出しにあたって、「ぺるけ式トランスUSB-DAC」のデジタルアウトを経由し、
光デジタル入力端子に接続し、スピーカー環境で試してみました。

※サンプルレート16bit/44kHzの音源再生時の赤い光
qutehd_003.jpg

一聴して高出力で、ウォーム系で温かみのある第一印象だけど鮮明でもあり、
「低音から高音まで前に出てくるのにうるさくない」
「音場が広く定位も把握しやすい」という
今までに聴いた事がないような音。

僕が今まで使ってきたDACの中でも特にインパクトが強く、
価格とスペックだけの評価ではない、
聴感的にも優れたDACであることが理解できます。

手持ちのHEGEL HD10と比較すると音場表現の違いが大きく、
定位が近く、生々しいライブ感があり、低音から高音まで鮮明なQUTE HDに対し、
俯瞰的な表現で奥行きがあり、低音寄りで落ち着いた印象のHD10、といった印象。

わりと自己主張が強めなのに聴き疲れしないのが凄い所で、
僕の好みに合っています。


当機は2012年にリリースされた製品ですが
すでに2世代前の旧機種だったりします。

日本国内の販売価格はQute HDが13万円程度に対し
最新機種2Quteが22万円程度と幅がありますが、
いずれも欧州圏で990~995ポンドの固定価格で取り扱われていることから、
発売当時の「英ポンド/日本円」レートが国内価格に反映されていると思われ、
日本国内販売においては
「最も円高の時期に発売されたQute HDが一番お得」と考えることもできます。


Qute HDは片手で持てるほど小さなDACですが、
価格に見合った立派な音質と性能を持っている事がわかり、
コンパクトで高音質…な環境を目指している僕にとっても魅力的な製品と言えます。

当機の音が気に入ったので、
性能の底上げと使いやすさの向上を目指し、電源に手を加える事にしました。
次回に続く。

Posted at 18:07 | DAC・DDC | COM(2) | TB(0) |
2015.04.01

Rolandのモニター用イヤホン、RH-PM5を入手

Roland(RSS)のステージモニター用イヤホン、
RH-PM5を手に入れました。

イヤーピース無しの中古品が安売りされていて、
物欲に負けて衝動買い。
サイズが合うSHUREのシリコンピースを装着しています。
rh-pm5_002.jpg
「ステージ・モニター用途にチューンナップした」という商品説明にたがわぬ、
優れた定位感と空間表現能力、高い分解能が感じられます。

クッキリ系のモニターサウンドながら、
耳触りの良さを意識した調整がされているようで、
特に高域のなめらかさには目を見張るものがあります。
rh-pm5_003.jpg
シングルBAドライバのイヤホンの割に低域も出ているけれど、
輪郭が把握できる程度に量感が抑えられていて、
あくまでモニター用の製品であるという真面目さが感じられます。

当機に限った事ではないけれど、
BAドライバで鳴らしているイヤホンに由来する音圧の無さが
迫力不足につながっていて、
ガンガン鳴らしたい時には物足りなく感じます。
rh-pm5_004.jpg
音質はさることながら
高い遮音性、SHURE掛け装着によるタッチノイズの少なさ、
据え置き環境をも想定した適度な能率など、
様々なシチュエーションで使いやすく作られています。

実際に使ってみて、
モニター用イヤホンの要求仕様を高い水準で満たした
優れた製品であることがわかりました。

趣味の音楽鑑賞という方面から評価すると
雑味の無さ、分離の良さ、聴き疲れの無さが高いレベルでまとまっているのがRH-PM5の良い所で、
リスニング用途にも使える柔軟性があり、気に入りました。

2.2mという長すぎるケーブルが唯一、かつ大きなネックになるけれど…(切り詰めてリケーブルしようかしら)

「音像くっきり」「きれいな高音」「広い音場感」等のキーワードに琴線が触れる方には親和性の高い音作りだと思うので、
機会があれば視聴してみて下さい。
rh-pm5_005.jpg
手持ちの下位機種「RH-ED1」と一緒に一枚。
こちらは電子音楽によく合うドンシャリサウンド。

2015.03.10

UltrasoneのDJ用ヘッドホン、DJ1PROを購入

UltrasoneのDJ用ヘッドホン、
DJ1PROを手に入れました。

音出し直後、
想像以上に違和感のある音に困惑。
しばらく聴いていると慣れてきました。

見晴らしが良い点配置の音場感と、
押し出しが強い面表現の低音が作り出す箱庭的な音作りが楽しく、
PRO900等と聴き比べることで
Ultrasoneの「DJ用ヘッドホン」という個性が際立って感じられます。
dj1pro_002.jpg
DJ用ヘッドホンというわりに
低域の量感はやや控えめながら、
音圧の強さでバランスを取っている不思議なドンシャリサウンド。

ソリッドでキレが良い硬質なサウンドだけど
モニターヘッドホンのような精度は無く、
ノリと勢いで押し切る元気の良さが魅力的。
dj1pro_003.jpg

当機はヘッドホンの性能評価項目として重要な
「定位感」「分解能」に力が入っていないようなので
はっきりと好き嫌いが分かれるだろうと想像つきます。

「DJ用ヘッドホン」という立ち位置を意識してみると、
僕が好んで聴くテクノ、エレクトロニカ等の音源は、
オーディオ環境を整えるほどに音割れ、ノイズ、団子状の音場表現等、
ネガティブな部分が目立ってくる事があるというのも事実で、
「クラブミュージックを良い音で聴く」というテーマを大胆に突き詰めた結果かもしれない、と
好意的に解釈。
dj1pro_004.jpg

やや固めの装着感、シワシワの人工皮革イヤーパッドがイマイチだし
帯域バランスの良さ、自然さを求めている方には決して相容れないであろう音づくりだけど、
「クラブミュージックが好きで、原音表現に興味がないけど良い音のヘッドホンが欲しい」
くらいの立ち位置の人にはぴったりはまりそうで、
興味があればぜひ視聴してみて欲しい製品です。
dj1pro_005.jpg

手持ちのULTRASONEヘッドホン。
dj1pro_006.jpg
PRO900、PRO2500と合わせて三台体制に…。
いずれも唯一無二の個性を持っていてタマランです。